ビジネス・レーバー・トレンド2024年10月号
毎月25日更新
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「労働者協同組合」で多様な働き方を実現する
労働者協同組合法が2022年10月1日に施行されてから、まもなく2年となる。労働者が組合員として出資し、平等な立場で事業に対して意見を反映し、自ら従事することを基本原理とする「労働者協同組合」は、多様な働き方を実現しながら、介護・福祉や子育て、地域づくりなど幅広い分野での課題解決の担い手の受け皿として、その活躍が大きく期待されている。本号では、シニア・フリーランスの新たな働き方の選択肢としての労働者協同組合の事業展開などをテーマとした労働政策フォーラムでの報告・議論を通して、労働者協同組合が秘める可能性を展望する。
目次
労働政策フォーラム
シニアとフリーランスの新たな働き方の選択肢─労働者協同組合で事業を興す!─
6月にJILPTが株式会社日本総合研究所との共催で開いた労働政策フォーラムでは、シニアの活躍の場と、独立して働くフリーランスのプラットフォームとしての労働者協同組合の可能性に注目し、キャリアの構築や社会・地域の課題解決と掛け合わせた労協ならではの事業展開などについて議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【研究報告】
【報告】
【パネリストからの報告(1)】
【パネリストからの報告(2)】
【パネリストからの報告(3)】
こんな時代だからこそ 新しい働き方──労働者協同組合法の活用で
【パネリストからの報告(4)】
【パネルディスカッション】
パネルディスカッション「シニアとフリーランスの新たな働き方の選択肢─労働者協同組合で事業を興す!─」
ビジネス・レーバー・モニター特別調査
働きやすい職場づくりなどの一環として、企業によるオフィスのリニューアルやビジネスファッションのカジュアル化が目立ってきており、最近は猛暑から軽装化も進む。そこでJILPTでは、8月に行ったビジネス・レーバー・モニター企業・業界団体調査の特別調査項目で、働きやすい職場環境整備に向けた取り組み状況について尋ねた。
(定例調査の結果は本号の後段に掲載)
2024春闘における賃上げの状況
- 賃上げ率は5.33%で33年ぶりの5%台 ――厚生労働省「2024年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」
- 大手企業の賃金アップ率は5.58% ――経団連「2024年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」の最終集計
- 中小企業の平均妥結額は1万712円、アップ率は4.01% ――経団連「2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果」の最終集計
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
- 全国平均は51円増の1,055円に、16都道府県が1,000円を超える ――2024年度の地域別最低賃金改定
- 国家公務員の月例給を平均1万1,183円引き上げるよう勧告、引き上げ幅は33年ぶりの高い水準に ――2024年度の人事院勧告
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 「当事者の意思の尊重と参加」を大事にした「こころの健康」に向けた対策を ――厚生労働省が2024年版厚生労働白書を公表
- 国の重点対策に時間外労働の上限規制の遵守徹底や企業への再発防止指導などを盛り込む ――「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が閣議決定
- 仕事上のストレスで、割合が最も上昇したのは「顧客、取引先等からのクレーム」 ――厚生労働省「2023年労働安全衛生調査(実態調査)」結果
- 女性活躍推進法の10年間延長を提言 ――厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」が報告書をまとめる
- 男性の育児休業取得者の割合が前年度から13ポイント上昇して3割台に ――厚生労働省が2023年度「雇用均等基本調査」結果を公表
- 若年層の87.7%が育児休業の取得を希望、男性だけでみても8割を超える ――厚生労働省「イクメンプロジェクト」が若年層の育児休業取得に関する意識を調査
- 多様な個人の労働参加の促進と経済成長のための労働生産性の向上を ――厚生労働省の雇用政策研究会が報告書をとりまとめ
- 昨年の労働争議の「総争議件数」は292件に増加 ――厚生労働省の2023年「労働争議統計調査」結果
ビジネス・レーバー・モニター定例調査
雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。
<企業・業界団体調査 2024年4~6月期の業況実績/2024年7~9月期の業況見通し>
フォーカス
労働政策研究・研修機構(JILPT)は毎年、韓国労働研究院(KLI)と共催で、日韓両国に共通する労働政策課題を取り上げて議論し、相互の研究の深化を図ることを目的に「日韓ワークショップ」を開催している。令和6(2024)年度は「外国人労働者―介護・家事労働を中心に」と題するテーマで、7月11日にオンライン形式で開催した。(海外情報担当)
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- アメリカ①
- ギグ・ワーカーを個人請負労働者とする州法を合憲と判断 ―加州最高裁
- アメリカ②
- 「共同雇用」訴訟の控訴を取り下げ ―全国労働関係委員会
- アメリカ③
- 世帯所得は4年ぶりに増加するも、コロナ禍前の水準には回復せず ―国勢調査局調査
- イギリス①
- 搾取的なゼロ時間契約の禁止など ―新政権の法制度改革プラン
- イギリス②
- 外国人季節労働者の受け入れ制度を延長
- イギリス③
- 大卒外国人の滞在延長制度をめぐる議論
- イギリス④
- 非労働力層の就労支援策
- ドイツ①
- 労働者の12%が残業 ―7割超が労働時間口座を利用
- ドイツ②
- 高齢者の就業率、10年で上昇
- ドイツ③
- 市民手当(Bürgergeld)、2025年の増額は見送り
- ドイツ④
- 2023年の出生率、1.35に低下 ―複数の危機が要因か
- フランス①
- 建設・公共事業向け特別補償制度の対象を拡大 ―補償対象の悪天候に「猛暑」を追加
- フランス②
- カードル(経営管理職)はブルーカラーワーカーよりも長生き ―INSEE職種別平均余命調査
- 中国①
- 定年延長方針と長期介護保険制度の設立について公表 ―中国共産党「三中全会」
- 中国②
- AI市場の拡大で数百万人の人材不足が懸念
- 韓国①
- 少子化・高齢化対策や中小企業支援プログラム統合などを提言 ―OECD経済調査:韓国2024
- 韓国②
- 雇用労働部が2024年下半期の若者就職支援強化策を発表
- 韓国③
- 雇用労働部が「第7次男女雇用平等及び仕事・家庭両立基本計画」を発表
- 韓国④
- 雇用労働部2025年度予算案を閣議決定
- 韓国⑤
- フィリピンの家事管理士100人が家庭へ派遣 ―ソウル市政府の試験事業
- インド
- 「雇用連動型インセンティブ・スキーム」を導入 ―モディ政権3期目の雇用創出と技能強化の政策
- ILO①
- 若年失業率は13%と15年ぶりの低水準も、5人に1人がNEET ―ILO「世界の雇用情勢―若者編2024年版」
- ILO②
- 障害者の賃金は12%低く、自営業で働く可能性が高い ―ILOワーキングペーパー
- OECD
- 気候変動対策「ネットゼロ」が労働市場に与える影響を分析 ―OECD雇用見通し2024
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2024年9月25日掲載