世帯所得は4年ぶりに増加するも、コロナ禍前の水準には回復せず
―国勢調査局調査
米国勢調査局が9月10日発表した年次報告書によると、2023年における米国の実質平均世帯所得の中央値は8万610ドルで、コロナ禍前の2019年以来4年ぶりに増加したが、当時に比べ600ドルほど低い。また、低所得世帯に対する政府支援などを踏まえて算出する補足貧困率(SPM、Supplemental Poverty Measure)は12.9%で、前年に比べて0.5ポイント上昇した。とくに子どものSPMは前年比1.3ポイント増の13.7%と高まっている。
コロナ禍前に600ドル届かず
米国勢調査局が9月10日発表した「米国の所得:2023年(Income in the United States: 2023)」によると、2023年における実質平均世帯所得(中央値)は8万610ドルで、前年の7万7,540ドルから4.0%増加した。コロナ禍前の2019年以来4年ぶりに増加を記録したが、19年当時の8万1,210ドルより600ドル低い水準となっている(図表1)。
図表1:実質平均世帯所得(中央値)の推移
出所:国勢調査局
人種別に見ると、白人(非ヒスパニック系)世帯の中央値は前年比で5.7%増加したが、ヒスパニック系、黒人系、アジア系の各世帯の中央値に大きな変化はみられなかった。
女性の所得割合、20年ぶりに「統計的に有意な低下」
フルタイムで年間を通して働く労働者の実質平均所得(中央値)を男女別に見ると、女性の水準は男性の82.7%で、前年の84.0%から1.3ポイント低下した(図表2)。国勢調査局は、2003年以来20年ぶりに、統計的に有意な低下を記録したと指摘している。男性の実質平均所得は3.0%増加したのに対して、女性は1.5%の増加にとどまった。
図表2:男性に対する女性の所得割合(年間フルタイム労働者の中央値)の推移
出所:国勢調査局
「補足貧困率」が上昇
米国勢調査局が同日発表した「米国の貧困:2023年(Poverty in the United States: 2023)」によると、2023年の補足貧困率(SPM)は12.9%(SPM貧困人口は4,284万人)で、前年の12.4%から0.5ポイント上昇した(図表3)。子ども(18歳未満)のSPMは13.7%で、前年より1.3ポイント上昇している。
図表3:貧困率及び補足貧困率の推移 (単位:%)
出所:国勢調査局
国勢調査局は一定の年間所得を下回る世帯人員の割合やその人口を公式の貧困率(公式貧困率、OPM、Official Poverty Measure)、貧困人口として算出している。OPMは税引き前の現金所得をもとに算出する。これとは別に、同局は連邦労働省労働統計局(BLS)と協力し、低所得者層向けの家賃補助や食料支援、税額控除などの政府支援、地域による居住費の違いなどを反映した貧困率、貧困人口をSPMとして、2009年値から公表している。
2023年のOPMは11.1%(貧困人口3,679万人)で、前年に比べて0.4ポイント低下した。その一方で、上述のようにSPMが上昇した背景として、現地報道によると、コロナ禍における各地の時限的な生活支援の打ち切りや地域的な居住費上昇の影響が現れた可能性がある。
参考資料
- 国勢調査局ウェブサイト
- ホワイトハウスウェブサイト
- 日本貿易振興機構、ブルームバーグ通信、各ウェブサイト
参考レート
- 1米ドル(USD)=143.65円(2024年9月20日現在 みずほ銀行ウェブサイト)
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