ビジネス・レーバー・トレンド2025年5月号
毎月25日更新
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キャリア形成と育児の両立をどう支えるか
女性の正社員では、子が生まれてまもない時期や1歳以降は、休業や短時間勤務を希望する割合が高いものの、3歳以降になると、フルタイムで残業しない働き方や柔軟な働き方を希望する割合が高まる。働き方を工夫することで、育児期間中でも就業を続けて、労働者も成長することができれば、企業にとっても職場の生産性が向上し、持続可能な成長につながる。今般、男女ともに仕事と育児・介護を両立できる環境をより一層整備するため、育児・介護休業法および次世代育成支援対策推進法の改正が行われ、4月から施行された。10月1日からは、子が就学するまでの柔軟な措置を講じることが、事業主に義務づけられる。本号では、法改正を見越した仕事と育児の両立支援のあり方などについて報告・議論した労働政策フォーラムの内容を紹介し、仕事とともに、キャリア形成との両立も可能にする職場や人事管理のあり方などについて考える。
目次
労働政策フォーラム
仕事と育児の両立支援 ──改正育児・介護休業法の施行に向けて
2月に開催した労働政策フォーラムでは、行政担当者が育児・介護休業法等の改正の内容を解説するとともに、研究者がそれぞれの視点での研究成果を報告。パネルディスカッションでは、仕事とキャリア形成の両立支援に積極的に取り組む業界・企業の報告も交え、これからの両立支援のあり方などについて議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【解説】
【研究報告①】
【研究報告②】
仕事と育児の両立支援がもたらす三方よしの効果─男性育休推進を通じた持続可能な働き方改革─
【研究報告③】
【パネリストからの報告①】
【パネリストからの報告②】
建設産業で働く女性の定着に向けた取組紹介~両立支援を中心に~
【パネルディスカッション】
パネルディスカッション「仕事と育児の両立支援─改正育児・介護休業法の施行に向けて─」
新卒採用の動向
- 職務基準の給与制度や外部労働市場に見劣りしない水準への給与引き上げなどを提言 ――人事院の人事行政諮問会議が最終提言をとりまとめ
- 採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない事業所割合は「高校卒」で56%、「大学卒(文科系)」で48% ――厚生労働省「労働経済動向調査」の特別項目「2025年新規学卒者の採用内定状況」から
- 大学生の就職内定率は92.6%。昨年同期を上回り、過去最高に ――2025年3月卒業者の就職内定状況(2月1日現在)
- 2025年新卒者の採用で、昨年12月末時点で計画した人数以上の内定者数を確保できた企業は1割台 ――東京商工会議所「2025年新卒者の採用・選考活動動向に関する調査」
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 一般会計の総額は約34兆円で、三位一体の労働市場改革の推進などに重点 ――厚生労働省の2025年度予算
- 賃金の男女格差が1976年以降で最も縮小 ――厚生労働省「2024年賃金構造基本統計調査」結果からみる女性賃金の現況
地域シンクタンク・モニター定例調査
各地域のシンクタンクのモニターに、地域経済や地域雇用の動向などについて、定期的に調査を実施しています。
<2024年第4四半期(10~12月期)実績および2025年第1四半期(1~3月期)の見通し>
[調査結果の全体概況]
[各地域の調査結果]
- 【北海道】(北海道二十一世紀総合研究所)強い人手不足感でも求人が減少。スポットワークの活用などが背景か
- 【岩手】(いわぎんリサーチ&コンサルティング)8割弱の企業が2025年度以降の採用を「厳しい」と認識
- 【宮城】(七十七リサーチ&コンサルティング)半導体関連の生産活動が好調の反面、トランプ政権の通商政策への懸念も
- 【山形】(山形銀行やまぎん情報開発研究所)コメの価格高騰などで個人消費に伸び悩み。有効求人数は21カ月ぶりに増加に転じる
- 【福島】(とうほう地域総合研究所)ベースアップを実施する企業割合は約4割の見込み
- 【茨城】(常陽産業研究所)仕入価格上昇の価格転嫁ほど進まない人件費上昇の転嫁
- 【北陸】(北陸経済研究所)石川・輪島の有効求人倍率が前年同月比0.36ポイント上昇で2倍超に
- 【東海】(OKB総研)賃上げへの関心は昨年より高まる一方、中小・零細企業への波及は厳しいとの見方も
- 【近畿】(アジア太平洋研究所)当期は個人消費が持ち直しも、来期は気温低下やコメの価格高騰などで判断が悪化
- 【中国】(中国地域創造研究センター)物価高による節約志向で年末商戦は盛り上がりを欠く。先行きは米国の通商政策が懸念材料
- 【四国】(四国経済連合会)生産・輸出に持ち直しの兆し。雇用調整を実施する企業割合は低水準が続く
- 【九州】(九州経済調査協会)生産活動は回復するも、百貨店やスーパーマーケットの販売額は低下
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- アメリカ①
- AIの雇用への影響、「コンピュータ」関連職種では需要増も ―労働統計局分析
- アメリカ②
- 国家安全保障に係わる連邦政府職員を団体交渉権の適用外に ―大統領令
- ドイツ①
- 最賃委が新手続規則を公表 ―EU最賃指令に対応
- ドイツ②
- 2025年の労働分野における主な法改正
- フランス
- 各労使団体の力関係に変化なし ―労使の代表性に関する政府発表
- 中国①
- 収入増加と負担軽減、消費活性化を目指す ―党・政府方針
- 中国②
- AI技術職の需要状況と人材争奪戦
- 台湾
- 「性別平等工作法」改正1年、セクハラ申立ての利用は低調 ―法令遵守の徹底求める
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2025年4月25日掲載