ビジネス・レーバー・トレンド2025年10月号
毎月25日更新
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これからの就職活動とキャリア形成に向けて
大学生の就職活動というと、かつては、名の知れた大企業に入るだけで本人は喜び、親も納得するという時代もあった。しかし、サービス経済化の進展や、IT(情報技術)・AI(人工知能)関連などの新たなビジネスの興盛、また、就職する大学生の仕事やキャリアに対する意識の変化などによって、最近は企業の採用活動や人事管理、学生の企業・仕事選びにも変化がみられる。本号では、大学生の就職と初期キャリアをテーマとして取り上げた労働政策フォーラムの内容を中心に、これからの若者の就職とキャリア形成はどうあるべきかについて考える。
目次
労働政策フォーラム
多様化する若者の初期キャリアの現在
7月に開催した労働政策フォーラムでは、進む脱工業化の若者の初期キャリアへの影響を研究報告したうえで、最新の大学生の就職事情と、大学のキャリア教育の先進事例をふまえつつ、若者の就職やキャリア形成の現状と課題について、それぞれの分野の当事者、識者が議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【基調報告】
【研究報告】
【パネリストからの報告①】
【パネリストからの報告②】
【パネルディスカッション】
パネルディスカッション「多様化する若者の初期キャリアの現在」
キャリアコンサルティング
若年層の就業意識
2025春闘における賃上げ等の状況
- 賃上げ率の平均は5.52%で前年を上回り、2年連続で5%台に ――厚生労働省「2025年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」
- 大手企業の賃上げ妥結額は1万9,195円で、アップ率は5.39% ――経団連「2025年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」
- 中小企業の賃上げ妥結額の平均は1万1,999円で、アップ率は4.35% ――経団連「2025年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果」
- 大手企業の夏季賞与・一時金は前年比3.44%の伸び ――経団連「2025年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
- 全国平均は66円増の1,121円で、すべての都道府県が1,000円超に ――2025年度の地域別最低賃金改定
- 国家公務員の月例給を1万5,014円(3.62%)引き上げるよう勧告 ――2025年度の人事院勧告
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 中小企業における産業・地域単位での人材育成の重要性などを提起 ――厚生労働省の「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」が報告書をとりまとめ
- 労働基準法が適用される労働者以外の就業者への強制適用拡大については「引き続き議論が必要」と指摘 ――厚生労働省「労働保険制度の在り方に関する研究会」の中間報告書
- 若者を対象に社会保障と労働施策の役割や意義などを紹介 ――厚生労働省が2025年版厚生労働白書を公表
- メンタルヘルス対策に取り組む事業所割合は63% ――厚生労働省の2024年労働安全衛生調査結果
- 男性の育児休業取得者の割合が前年から約10ポイント増加し、4割に到達 ――厚生労働省が2024年度「雇用均等基本調査」結果を公表
- ストライキなどの「争議行為を伴う争議」は昨年は76件 ――厚生労働省の2024年「労働争議統計調査」結果
- 外国人労働者数は約182万人で、前年から約22万人増加 ――厚生労働省「2024年外国人雇用実態調査」
~最近の監督行政の結果から~
- 監督指導した事業場の5割超で改善基準告示違反が認められる ――自動車運転者を使用する事業場に対する2024年の監督指導、送検等の状況
- 監督指導を行った事業場の42.2%で違法な時間外労働 ――長時間労働が疑われる事業場に対する2024年度の監督指導結果
- 2024年に全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事案の件数が前年から約1,000件増加 ――賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(2024年)
ビジネス・レーバー・モニター定例調査
雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。
<企業・業界団体調査 2025年4~6月期の業況実績/7~9月期の業況見通し>
フォーカス
ドイツでは現在、労働時間政策において緩やかなパラダイムシフトが進行している。長らく産業界では、固定的な「標準労働時間制」が主流を占めてきたが、近年は、個々の労働者が柔軟に労働時間を決定できる仕組みへと、徐々に移行しつつある。多様な形態の「選択労働時間制」が注目を集めており、その共通点は、労働者に選択権を与えるという原則にある。こうしたドイツにおける変化の最前線について、現地の有識者に寄稿していただいた。(海外情報担当)
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- アメリカ①
- 連邦職員大規模削減の大統領令を当面容認 ―連邦最高裁
- アメリカ②
- 連邦最低賃金以下で働く労働者の特徴 ―労働統計局発表、2024年
- アメリカ③
- Make America Skilled Again ―トランプ政権の人材育成戦略、「見習い制度」重視
- イギリス
- 外国人の流入削減策に介護労働者の受け入れ停止など ―移民制度改革案
- フランス①
- 2025年第1四半期の賃上げ率は2%強 ―労働省調査局発表
- フランス②
- 民間企業の求人未充足数の減少傾向が鈍化
- 中国①
- 「社会保険料未納の合意は無効」 ―最高人民法院が明確化
- 中国②
- 個人年金、受給要件などを明確化 ―9月1日より施行
- 中国③
- 最低賃金の引き上げ状況 ―2025年9月時点
- 韓国①
- 若年者の生活満足度は10点中6.7点 ―青年生活実態調査結果
- 韓国②
- 最近の建設業労働市場危機の原因と発展方向 ―韓国雇用情報院レポート
- 韓国③
- 猛暑時の休憩を義務化 ―産業安全保険法に関する規則を改正
- 韓国④
- 外国人療養保護士養成のための大学課程を新設
- 韓国⑤
- 55~79歳の労働力人口、初の1,000万人突破 ―「経済活動人口調査高齢付加調査」結果
- ベトナム
- 2026年1月に最低賃金を平均約7.2%引き上げ ―国家賃金評議会決定
- ILO①
- 2025年の世界の雇用増加予測を700万件下方修正 ―ILO雇用・社会見通し2025年5月更新
- ILO②
- 世界の児童の8%が児童労働に従事 ―ILO報告
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2025年9月25日掲載