ビジネス・レーバー・トレンド2025年10月号

毎月25日更新

これからの就職活動とキャリア形成に向けて

大学生の就職活動というと、かつては、名の知れた大企業に入るだけで本人は喜び、親も納得するという時代もあった。しかし、サービス経済化の進展や、IT(情報技術)・AI(人工知能)関連などの新たなビジネスの興盛、また、就職する大学生の仕事やキャリアに対する意識の変化などによって、最近は企業の採用活動や人事管理、学生の企業・仕事選びにも変化がみられる。本号では、大学生の就職と初期キャリアをテーマとして取り上げた労働政策フォーラムの内容を中心に、これからの若者の就職とキャリア形成はどうあるべきかについて考える。

目次

労働政策フォーラム

多様化する若者の初期キャリアの現在

7月に開催した労働政策フォーラムでは、進む脱工業化の若者の初期キャリアへの影響を研究報告したうえで、最新の大学生の就職事情と、大学のキャリア教育の先進事例をふまえつつ、若者の就職やキャリア形成の現状と課題について、それぞれの分野の当事者、識者が議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)

(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)

【基調報告】

親子で考える就職とキャリア

池田 心豪 労働政策研究・研修機構 副統括研究員

【研究報告】

脱工業化と若者のキャリア

岩脇 千裕 労働政策研究・研修機構 主任研究員

【パネリストからの報告①】

今、キャリア教育で目指していること

深澤 晶久 実践女子大学 文学部国文学科 教授 学長補佐 社会連携推進室長

【パネリストからの報告②】

多様化する若者の初期キャリアの現在

長谷川 洋介 株式会社マイナビ 社長室 マイナビキャリアリサーチラボ 研究員

【パネルディスカッション】

パネルディスカッション「多様化する若者の初期キャリアの現在」

コーディネーター:池田 心豪 労働政策研究・研修機構 副統括研究員


キャリアコンサルティング


若年層の就業意識


2025春闘における賃上げ等の状況


スペシャルトピック

注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。


国内トピックス

行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。

~最近の監督行政の結果から~


ビジネス・レーバー・モニター定例調査

雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。

<企業・業界団体調査 2025年4~6月期の業況実績/7~9月期の業況見通し>


フォーカス

ドイツでは現在、労働時間政策において緩やかなパラダイムシフトが進行している。長らく産業界では、固定的な「標準労働時間制」が主流を占めてきたが、近年は、個々の労働者が柔軟に労働時間を決定できる仕組みへと、徐々に移行しつつある。多様な形態の「選択労働時間制」が注目を集めており、その共通点は、労働者に選択権を与えるという原則にある。こうしたドイツにおける変化の最前線について、現地の有識者に寄稿していただいた。(海外情報担当)


海外労働事情

海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。

アメリカ①
連邦職員大規模削減の大統領令を当面容認 ―連邦最高裁
アメリカ②
連邦最低賃金以下で働く労働者の特徴 ―労働統計局発表、2024年
アメリカ③
Make America Skilled Again ―トランプ政権の人材育成戦略、「見習い制度」重視
イギリス
外国人の流入削減策に介護労働者の受け入れ停止など ―移民制度改革案
フランス①
2025年第1四半期の賃上げ率は2%強 ―労働省調査局発表
フランス②
民間企業の求人未充足数の減少傾向が鈍化
中国①
「社会保険料未納の合意は無効」 ―最高人民法院が明確化
中国②
個人年金、受給要件などを明確化 ―9月1日より施行
中国③
最低賃金の引き上げ状況 ―2025年9月時点
韓国①
若年者の生活満足度は10点中6.7点 ―青年生活実態調査結果
韓国②
最近の建設業労働市場危機の原因と発展方向 ―韓国雇用情報院レポート
韓国③
猛暑時の休憩を義務化 ―産業安全保険法に関する規則を改正
韓国④
外国人療養保護士養成のための大学課程を新設
韓国⑤
55~79歳の労働力人口、初の1,000万人突破 ―「経済活動人口調査高齢付加調査」結果
ベトナム
2026年1月に最低賃金を平均約7.2%引き上げ ―国家賃金評議会決定
ILO①
2025年の世界の雇用増加予測を700万件下方修正 ―ILO雇用・社会見通し2025年5月更新
ILO②
世界の児童の8%が児童労働に従事 ―ILO報告

ちょっと気になるデータ

最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)

2025年9月25日掲載