大手企業の夏季賞与・一時金は前年比3.44%の伸び
 ――経団連「2025年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」

2025春闘における賃上げ等の状況

経団連(筒井義信会長)は8月8日、「2025年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」の最終集計を発表した。集計した154社の夏季賞与・一時金の加重平均は、前年実績の94万1,595円を上回る97万4,000円で、前年比伸び率は3.44%となっている。

調査対象は、原則として従業員500人以上の、主要23業種大手247社。23業種157社の妥結を把握し、平均額不明の3社を除く154社について集計した。

製造業だけでみると前年比4.37%の伸び

製造業・非製造業別にみると、製造業平均が前年実績の98万6,369円を上回る102万9,479円で、前年比伸び率は4.37%。非製造業平均は、前年実績の83万6,150円を上回る86万3,726円で、前年比伸び率は3.30%となっている。

業種別にみると、妥結額が最も高いのは「建設」の126万9,893円(従業員平均の数値を含む)で、次いで「機械金属」の123万1,456円、「商業」の117万4,149円(同)、「造船」の117万3,062円、「食品」の112万5,950円、「自動車」の107万7,643円、「電機」の106万7,963円(同)、「化学」の101万5,577円、「金融・保険」の97万7,846円(同)、「鉄鋼」の93万1,125円などの順となっている。なお、低いほうからみると、「航空」(71万9,666円)、「紙・パルプ」(72万9,914円)、「セメント」(82万2,428円)などの順。

「化学」は昨年から20%以上の増加

増減率でみると、「化学」が21.28%で最も高く、次いで「繊維」(90万4,222円)の13.08%、「非鉄・金属」(92万4,999円)の12.64%、「電力」(90万2,198円)の10.81%、「造船」の9.92%、「セメント」の8.19%、「電機」の7.96%、「機械金属」の7.79%などとなっている。「食品」(マイナス0.86%)、「紙・パルプ」(マイナス0.80%)、「鉄鋼」(マイナス6.80%)、「自動車」(マイナス1.79%)、「建設」(マイナス5.66%)、「運輸」(マイナス2.24%、ただし1社の集計)、「情報通信」(マイナス2.91%)では増減率がマイナスだった。

(調査部)