若年者の生活満足度は10点中6.7点
 ―青年生活実態調査結果

カテゴリー:若年者雇用統計

韓国の記事一覧

  • 国別労働トピック:2025年8月

国務調整室は2025年3月、「2024年青年生活実態調査」結果を発表した。以下、その概要を紹介する。

首都圏と首都圏以外の所得格差が顕著

青年生活実態調査は、青年基本法に基づき2022年から2年に一度実施されており、今回が2度目の調査となる。調査標本数は、全国17地域に居住する満19歳から34歳までの青年15,098人である。

青年本人が世帯主となっている割合は51.3%であった。婚姻状況については、未婚者が81.0%と圧倒的に多く、既婚者は19.0%にとどまっている。

月の平均生活費は213万ウォンであった。地域別にみると、首都圏では220万ウォンであるのに対して、それ以外の地域では206万ウォンにとどまっている。内訳は、食料品にかかる支出が最も多く80万ウォン、交通費が22万ウォン、娯楽・文化費が18万ウォン、通信費用が14万ウォンと続く(表1(注1)

平均年間所得は2,625万ウォンで、こちらも地域差がみられた。首都圏では2,752万ウォンであるのに対して、首都圏以外では2,472万ウォンである。

表1:月の平均生活費(単位:万ウォン)
食料品費 交通費 娯楽・文化 通信費 住居費
(ウォルセ)
教育費
首都圏 82 21 19 14 14 11 220
首都圏以外 77 22 16 14 12 10 206
80 22 18 14 13 10 213

出所:国務調整室「青年生活実態調査」より作成

就業者は約7割、うち賃金労働者が大多数

就業者の割合は67.7%であり、就業者のうち賃金労働者が90.7%を占めていた(表2)。自営業者はわずか8.5%にとどまっている。前月の税控除前の所得額は平均266万ウォンであった。

表2:現在の仕事の従業上の地位(学歴別)(単位:%)
常用
労働者
臨時
労働者
日雇
労働者
自営業者
(従業員あり)
自営業者
(従業員なし)
無給家族
従事者
高卒以下 63.3% 14.6% 7.5% 4.7% 8.8% 1.2%
大学在学中・休学中 18.4% 53.7% 21.4% 2.7% 2.5% 1.4%
大学卒業以上 80.1% 8.6% 3.0% 2.4% 5.1% 0.6%
70.7% 14.3% 5.8% 2.9% 5.6% 0.8%

出所:国務調整室「青年生活実態調査」より作成

就業しておらず、仕事を探していない青年の主な活動内容は、「正規教育への通学」の割合が34.8%で最も高く、続いて「休んでいる」(病気やけが等の明らかな事情がないが就業していない者)が27.5%、「就職準備」が13.3%、「育児」が8.7%と続いた。

就業者を対象に労働環境リスクの発生頻度を尋ねた結果、「感情を抑えての顧客、患者、学生対応」が最も多く、20.4%が週2回以上の頻度で経験していた(表3)。続いて「過重な業務」が14.3%、「成果・満足度に関するストレス」が8.1%の順であった。

表3:労働環境リスクの経験頻度(単位:%)
週2回以上 月1回以上 年1~2回 なし
感情を抑えての顧客対応 20.4% 12.1% 8.7% 58.8%
過重な業務 14.3% 17.9% 17.3% 50.6%
成果・満足度ストレス 8.1% 10.0% 13.3% 68.5%
重い荷物・機械 5.6% 6.0% 7.5% 80.9%
1人で働くつらさ・不安 5.6% 6.4% 8.7% 79.3%
安全・保護装備の不備 2.8% 3.4% 5.5% 88.3%

出所:国務調整室「青年生活実態調査」より作成

離職や求職活動の際に最も重視する点は、「賃金」と回答した青年の割合が57.9%で最も高く、続いて「雇用の安定性」が9.9%、「労働時間」が7.6%、「長期的キャリアの展望」が5.4%の順であった(注2)

両親と同居する青年が過半数

両親と同居している青年は54.4%と過半数を占める。

居住形態は、持ち家の割合が49.6%で最も高かった。この割合には、両親が所有する家に居住する場合も含まれる。続いて、「チョンセ(傳貰)」が23.8%、「保証金付きウォルセ(月貰)」が23.7%であった。「チョンセ」とは、家賃の代わりに、住宅価格の約60%程度の金額を家主に保証金として先に預け、これを担保に該当住宅に居住する方法である。「ウォルセ」とは毎月家賃を支払う方式である。「保証金付きウォルセ」は、チョンセよりも少額の保証金を預けつつ、毎月家賃も別途支払う形式である。

住宅購入資金は平均4.5億ウォンであり、「チョンセ」の保証金は平均2.3億ウォンである。「保証金付きウォルセ」の場合、保証金は平均で2,900万ウォン、月家賃の平均額は41万ウォンであった(表4)。

表4:住宅購入価格、保証金及び月額家賃(単位:万ウォン)
住宅価格 チョンセ 保証金付きウォルセ 保証金なしウォルセ
保証金 保証金 月額家賃 月額家賃
平均値 中央値 平均値 中央値 平均 中央値 平均値 中央値 平均値 中央値
首都圏 62,570 50,000 26,750 20,000 3,900 2,000 45 40 45 37
非首都圏 27,655 22,000 14,259 11,000 1,689 500 41 35 35 30
全体 45,211 30,000 22,585 18,000 2,891 1,000 41 38 38 33

出所:国務調整室「青年生活実態調査」より作成

89.6%の青年が「持ち家を持つことは重要だ」と回答している。その理由としては、「希望する期間居住できるから」が29.3%と最も高くなっている。

移住意向を地域別にみると、首都圏居住者の21.1%、非首都圏居住者の28.2%が他の地域への移住を希望していた。首都圏居住者は「よりよい居住環境のため」(30.7%)、首都圏以外の地域居住者は、「よりよい雇用機会または求職のため」(43.5%)が主な理由であった。

なお、最も重視する政策分野については、「住宅政策」を挙げた青年の割合が45.7%と最も高く、「雇用政策」(33.5%)や「福祉・文化政策」(14.1%)を上回った。住宅問題が青年にとって大きな関心事項であることがうかがえる。

結婚・出産の意向は2022年より低下

生活満足度は10点中6.7点であり、全年齢の平均である6.2点をやや上回っていた。

一方で、直近1年間に、仕事や学業、就職活動等の主な活動でバーンアウト(燃え尽き症候群)を経験した青年の割合は32.2%に及んだ。原因は、「進路不安」の割合が39.1%と最も高く、続いて「取り組んでいることが過重で」が18.4%、「取り組んでいることに疑問を感じて」が15.6%の順であった。

雇用・恋愛・経済状況等の項目について、現在の人生において重要と感じるかを尋ねたところ、「希望する仕事」を重要と考える青年の割合が最も高く、95.9%にのぼった。次いで「良好な人間関係」が94.7%、「高所得や多くの資産を持つこと」が93.0%の順で高い割合を示した(表5)。

表5:人生で重要と考える要素(単位:%)
自分が
望む仕事
良好な
人間関係
高所得・
多くの資産
恋愛 結婚 社会
貢献
出産・
養育
名誉・
権力
高い
学力水準
男性 95.6% 94.6% 92.4% 82.2% 79.1% 70.6% 74.2% 62.5% 59.9%
女性 96.1% 94.8% 93.5% 74.1% 69.2% 73.2% 63.2% 61.7% 61.8%
95.9% 94.7% 93.0% 78.3% 74.4% 71.8% 69.0% 62.2% 60.8%

出所:国務調整室「青年生活実態調査」より作成

未婚者のうち、今後結婚の計画があると回答した青年は63.1%であった。性別にみると、男性は67.8%、女性は57.5%である。また、子供を持つ意向があると回答した青年の割合は59.3%であった(注3)。男性は65.1%、女性は52.8%である。2022年の結果では、結婚計画ありの割合は75.3%、子供を持つ意向ありの割合は63.3%であり、いずれもこの2年間で低下がみられた。

参考資料

参考レート

2025年8月 韓国の記事一覧

関連情報