賃上げ率の平均は5.52%で前年を上回り、2年連続で5%台に
 ――厚生労働省「2025年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」

2025春闘における賃上げ等の状況

厚生労働省が8月1日に発表した「2025年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」によると、賃上げの平均妥結額は1万8,629円、平均賃上げ率は5.52%となり、いずれも前年を上回った。平均妥結額は3年連続で1万円台、平均賃上げ率は2年連続で5%台を記録している。

平均妥結額は前年を1,200円超上回る

集計したのは、妥結額などを把握できた資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業390社。

詳しくみると、平均要求額は1万9,538円で前年(1万8,767円)より771円増となっている。平均妥結額は1万8,629円で、前年(1万7,415円)より1,214円増。現行ベース(交渉前の平均賃金)に対する賃上げ率の平均は5.52%で、前年(5.33%)を0.19ポイント上回った。

平均妥結額が1万円台に乗るのは3年連続で、2万8,981円を記録した1974年より後の年では最も高い水準となっている。平均賃上げ率は2年連続で5%台に乗り、一昨年以前で、最後に5%台に乗った1991年(5.65%)に次ぐ高水準となった。

「鉄鋼」や「情報通信」の産業では平均賃上げ率が6%超に

産業別にみると、平均妥結額は「情報通信」が2万3,966円で最も高く、次いで「化学」(2万1,589円)、「建設」(2万1,537円)、「造船」(2万775円)、「機械」(2万582円)、「電気機器」(2万236円)、「鉄鋼」(2万162円)、「窯業」(1万9,778円)、「金融・保険」(1万9,761円)などの順となっている(図表)。

図表:産業別にみた平均妥結額と平均賃上げ率
画像:図表
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(資料出所:公表資料から編集部で作成)

また、平均賃上げ率をみると、「鉄鋼」が6.19%で最も高く、以下、「情報通信」(6.15%)、「機械」(5.99%)、「化学」および「建設」(ともに5.96%)、「窯業」(5.96%)、「その他製造」(5.75%)、「電気機器」(5.63%)、「造船」(5.62%)、「自動車」(5.56%)、「金融・保険」(5.54%)などと続いた。

(調査部)