大手企業の賃上げ妥結額は1万9,195円で、アップ率は5.39%
 ――経団連「2025年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」

2025春闘における賃上げ等の状況

経団連(筒井義信会長)が8月6日に発表した2025年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果によると、賃上げの妥結額の加重平均は1万9,195円で、アップ率は5.39%となった。前年と同様、妥結額1万9,000円台、アップ率5%台を維持したものの、水準自体はそれぞれ前年を下回った。妥結額が最も高かった業種は「建設」(3万946円)で、アップ率が最も高かったのは「情報通信」(8.24%)だった。

調査は原則として従業員500人以上の23業種247社を対象に実施。23業種185社(74.9%)の妥結を把握し、そのうち、平均金額が不明などの46社を除いて集計した。

前年を妥結額は15円、アップ率は0.19ポイント下回る

前年と比べると、妥結額は15円低下し、アップ率は0.19ポイント低下した。製造業・非製造業別にみると、製造業が前年を573円・0.37ポイント下回る1万9,063円・5.42%。非製造業は前年を1,518円・0.33ポイント上回る1万9,487円・5.34%となっている。

業種別にみると、妥結額では「建設」に次いで、「情報通信」(2万3,900円)、「機械金属」(2万1,211円)、「造船」(2万987円)、「化学」(2万789円)、「非鉄・金属」(2万527円)、「鉄鋼」(2万43円)などの順で高くなっている(図表)。前年に比べ、「紙・パルプ」(3,676円増)、「化学」(3,075円増)、「鉄道」(2,956円増)、「電機」(2,062円増)、「食品」(1,894円増)などで増加幅の大きさが目立った。前年から低下したのは「鉄鋼」(1万7,485円減)や「情報通信」(5,324円減)など。

図表:主な業種別妥結結果(妥結額・アップ率)
画像:図表

(公表資料から編集部で作成)

「非鉄・金属」「機械金属」「造船」が6%台のアップ率

アップ率では「情報通信」に次いで、「非鉄・金属」(6.15%)、「機械金属」(6.14%)、「造船」(6.13%)、「化学」(5.86%)、「鉄鋼」(5.79%)、「建設」(5.64%)、「繊維」(5.61%)などの順で高くなっている。前年に比べ、「紙・パルプ」(1.03ポイント増)、「化学」(0.72ポイント増)、「鉄道」(0.58ポイント増)、「食品」(0.34ポイント増)、「電機」(0.33ポイント増)などで増加幅の大きさが目立った。前年から低下したのは「鉄鋼」(6.25ポイント減)、「情報通信」(1.91ポイント減)、「機械金属」(0.53ポイント減)、「造船」(0.34ポイント減)など。

(調査部)