中小企業の賃上げ妥結額の平均は1万1,999円で、アップ率は4.35%
 ――経団連「2025年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果」

2025春闘における賃上げ等の状況

経団連(筒井義信会長)が8月28日に発表した2025年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果によると、賃上げの妥結額の加重平均は1万1,999円で、アップ率は4.35%となった。前年と比べると、額では前年を1,287円、アップ率では0.34ポイント上回った。妥結額、アップ率ともに、「電気機器」(1万6,492円・5.71%)が最も高くなっている。

調査は原則として従業員500人未満の17業種754社を対象に実施。17業種381社(50.5%)の妥結を把握し、そのうち、平均金額が不明などの15社を除いて集計した。

100人以上の各規模で4%以上を達成

妥結額とアップ率を規模別にみると、「100人未満」は9,892円(前年9,188円)・3.78%(前年3.59%)、「100~300人未満」は1万1,313円(同9,778円)・4.13%(同3.67%)、「300~500人未満」は1万3,065円(同1万1,974円)・4.67%(同4.43%)となっており、100人以上の規模ではアップ率4%以上を確保している。

製造業・非製造業別にみると、製造業が前年を1,708円・0.48ポイント上回る1万2,718円・4.57%。非製造業が前年を728円・0.16ポイント上回る1万1,006円・4.05%となっている。

妥結額、アップ率ともに「電気機器」の次に高いのは「鉄鋼・非鉄金属」

業種別にみると、妥結額では「電気機器」に次いで、「鉄鋼・非鉄金属」(1万6,349円)、「化学」(1万5,553円)、「土木・建設」(1万5,056円)、「紙・パルプ」(1万3,704円)、「食品」(1万2,947円)、「機械金属」(1万2,711円)、「商業」(1万2,565円)などの順で高くなっている(図表)。前年に比べ、「化学」(4,514円増)、「電気機器」(3,956円増)、「紙・パルプ」(3,423円増)、「印刷・出版」(3,205円増)、「鉄鋼・非鉄金属」(2,648円増)、「繊維」(1,979円増)などで増加幅の大きさが目立った。

図表:業種別妥結結果(妥結額・アップ率)
画像:図表

(公表資料から編集部で作成)

アップ率では「電気機器」に次いで、「鉄鋼・非鉄金属」(5.60%)、「化学」(5.48%)、「紙・パルプ」(5.11%)、「土木・建設」(4.88%)、「食品」(4.60%)、「機械金属」(4.55%)、「商業」(4.53%)などの順で高くなっている。前年に比べ、「化学」(1.45ポイント増)、「紙・パルプ」(1.26ポイント増)、「電気機器」(1.16ポイント増)、「印刷・出版」(0.91ポイント増)、「繊維」(0.82ポイント増)、「鉄鋼・非鉄金属」(0.66ポイント増)などで増加幅の大きさが目立った。

(調査部)