ビジネス・レーバー・トレンド2024年7月号
毎月25日更新
キャリア形成に寄与する学び直しとキャリア支援
日本は海外に比べ、企業のOJT(On the Job Training)以外での人材投資が少なく、労働者個人も日本的な雇用慣行のなかで、自ら学ぶ傾向はそれほど強くないと言われる。しかし近年は、デジタル技術の進展や働き方の多様化などの雇用のあり方の変化、個人のスキルアップ・キャリア形成への意識の高まりなどから、学び直しやリカレント教育の必要性が叫ばれるようになってきている。また、求職者の職業適性理解などに役立つガイダンスツールへの期待も高まる。本号では、キャリア形成に寄与する学び直し・リカレント教育と、就職やキャリア選択などを手助けするキャリアガイダンスツールの活用をそれぞれテーマに取り上げた2つの労働政策フォーラムを重ね通して、これからの学び直し・リカレント教育やキャリア支援のあり方を考える。
目次
労働政策フォーラム
キャリア形成に寄与する学び直し・リカレント教育
3月にJILPTと独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(NIAD-QE)が主催した労働政策フォーラムでは、デジタル化が進展するなかでの今後の学び直しの方向性や、産業界の学習ニーズの「見える化」に関する研究成果を報告するとともに、日本社会における学び直し・リカレント教育の一翼を担う高等教育・職業訓練機関のありようについて、現在の取り組み事例もふまえて議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【趣旨説明】
【研究報告(1)】
【研究報告(2)】
【パネリストからの報告(1)】
【パネリストからの報告(2)】
【パネリストからの報告(3)】
【パネルディスカッション】
労働政策フォーラム
ガイダンスツールを活用した就職相談とキャリア支援─相談支援現場からの実践報告─
2月に開いた労働政策フォーラムでは、job tag(職業情報提供サイト:日本版O-NET)で個人が活用できるキャリアガイダンスツールである、職業適性テスト(Gテスト)を中心とした研究開発成果を紹介するとともに、公的相談窓口や民間の学生・若者向け相談、ミドル層の再就職相談におけるツールの効果的な活用事例を報告した。(各報告の概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【研究報告】
キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用―Gテストを中心に―
【事例紹介(1)】
【事例紹介(2)】
ガイダンスツールを活用した就職相談とキャリア支援 相談支援現場からの実践報告――北の国のハローワークから
【事例紹介(3)】
【事例紹介(4)】
2024春闘における賃上げの状況
- 定昇相当込みの賃上げ率が5.08%で、5%台を維持 ――連合の最新の賃上げ回答集計結果
- 大手企業の回答・妥結額は1976年以降で最高の水準に ――経団連の2024年春季労使交渉の大手企業業種別回答状況
- 中小企業の7割超で賃上げを実施・予定、正社員で4%以上の賃上げを行う企業は3割台に ――日本商工会議所・東京商工会議所の「中小企業の賃金改定に関する調査」
- 都内の組合の平均妥結額は1万6,179円で前年から4割超増加 ――東京都の「2024年春季賃上げ要求・妥結状況」中間集計結果
- 賃上げに補助金を支給、価格転嫁対策に協力する企業への優遇措置も ――各都道府県の賃金引き上げ支援施策(厚生労働省のとりまとめ)
労働災害をめぐる最新状況
- 死亡者数は過去最少となるも、休業4日以上の死傷者数は3年連続で増加 ――厚生労働省が2023年の労働災害発生状況を公表
- 災害発生の頻度を表す「度数率」が2.14で前年から上昇 ――厚生労働省「2023年労働災害動向調査」
- 死傷者数が1,106人で前年から279人増加 ――厚生労働省が2023年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)をとりまとめ
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
- 育児・介護などとの両立が必要なフリーランスに対し、発注者側が配慮すべき内容などを例示 ――厚生労働省「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会」が報告書をとりまとめ
- 健康管理に関する意識の向上など個人事業者等自身が行うべき事項を示すとともに、注文者等に健康診断の受診費用の配慮などの情報提供を促す ――厚生労働省の「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 実質賃金が2年連続で前年度比マイナス ――厚生労働省「毎月勤労統計調査」2023年度分結果確報
- 約半数の企業が指導を丁寧に行うことを意識、育成には時間や指導者不足に加え早期離職の課題も ――企業の新入社員・若手社員に対する期待や指導等について東京商工会議所がアンケート調査
- 過半数の企業が新卒採用活動の長期化を予測。採用・選考活動の終了予定時期を見通せない企業も2割強――東京商工会議所「2025年新卒者の採用、インターンシップに関する調査」結果
ビジネス・レーバー・モニター定例調査
雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。
<企業・業界団体調査 2024年1~3月期の業況実績/4~6月期の業況見通し>
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- アメリカ①
- 未成年労働の規制の緩和と強化 ―各州で動き
- アメリカ②
- 不法移民の入国規制を厳格化 ―大統領令公布、南西部国境
- イギリス①
- 外国人の増加に減速の兆し
- イギリス②
- 介護者休業制度の導入
- イギリス③
- 柔軟な働き方の申請権、就業初日から
- フランス①
- オリンピック開催を直前にしてストライキが頻発(1) ―特別手当を求める交通機関のストに対する規制も検討
- フランス②
- オリンピック開催を直前にしてストライキが頻発(2) ―公共部門における大会期間中の特別手当の支給を求めて
- OECD①
- インフレ下でOECD諸国の税・社会負担が増加
- OECD②
- 世界経済は緩やかに回復、2025年の成長率は3.2%と予測 ―「OECD経済見通し2024」
- インド①
- 連邦労働法改革、総選挙後に前進か
- インド②
- 連邦労働法改革に先んじて進む州法の改正
- 台湾①
- 「中級熟練人材」への転換政策と効果
- 台湾②
- 労働者の受け入れに向けてインドとのMOUに署名
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2024年6月25日掲載