定昇相当込みの賃上げ率が5.08%で、5%台を維持
 ――連合の最新の賃上げ回答集計結果

2024春闘における賃上げの状況

連合(芳野友子会長)が6月5日に発表した最新の回答集計結果では、平均賃金方式での定昇相当込みの賃上げ率(加重平均)は5.08%で、5%台を維持している。組合員規模300人未満の組合の同率は4.45%。この時期の集計結果としては、ともに比較可能な2013闘争以降で最も高い水準となっている。

賃金改善分を獲得した組合の割合は57%

同結果は6月3日午前10時時点の状況をまとめたもの。それによると、月例賃金の改善(定昇維持を含む)を要求した5,510組合のうち、91.4%にあたる5,038組合が妥結済みとなっている。そのうち、ベアなどの賃金改善分の獲得が明らかとなっている組合は2,873組合(57.0%)で、同組合数は比較可能な2013年以降で最も多くなっている。

平均賃金方式で回答を引き出した組合は4,938組合あるが、この組合の定昇相当込み賃上げ額(加重平均)は1万5,236円で、率では5.08%。本誌6月号で詳報した5月8日発表の前回集計の5.17%から0.9ポイント低下したものの、5%台を依然として維持しており、このまま最終集計まで5%台を維持すれば、5.66%を記録した1991年以来、33年ぶりのことになる。

「99人以下」の組合では賃上げ率が4%を割る

定昇相当込み賃上げ額・率を規模別にみると、「99人以下」が9,586円・3.96%、「100~299人」が1万2,017円・4.62%、「300~999人」が1万4,106円・5.01%、「1,000人以上」が1万6,211円・5.19%。率は300人以上の各規模では5%台となっているが、「99人以下」は4%を下回った。

「300人未満」でみると1万1,361円・4.45%、「300人以上」では1万5,784円・5.16%。ともにこの時期の集計結果としては、比較可能な2013闘争以降で最も高い水準となっている。

ベアなど「賃上げ分」の率は中小でも3%を超える

ベアなどの「賃上げ分」が明確にわかる組合(3,423組合)で「賃上げ分」の加重平均をみると、額が1万648円、率が3.54%。「300人未満」でみると8,291円・3.16%、「300人以上」では1万899円・3.58%と、中小組合でも3%を超えている。この時期の集計でも3%を上回ったのは、「賃上げ分」の集計を開始した2015闘争以降で初めてだ。

連合の回答集計結果は次回が最終で、7月3日の公表を予定している。

(調査部)