メールマガジン労働情報 No.1741

■□――【メールマガジン労働情報/No.1741】

特別号:JILPT研究成果等のご紹介

―2022年1月5日発行――――――――――――――□■

 本年も「メールマガジン労働情報」をどうぞよろしくお願いします。
 本号は特別号として、新型コロナウイルスの雇用・就業への影響に関する調査及び分析、
人材育成と能力開発など、JILPTの最近の研究成果等をテーマ別にご紹介します。
 JILPTでは、新型コロナウイルス感染症に関連する連続パネル調査(企業調査及び個人調査)
を行うとともに、その調査結果や二次分析などに関する特設ページ「新型コロナウイルス
感染症関連情報」を設け、順次、情報の追加・更新等を行っています。そちらも併せて
皆様の業務等にご活用いただければ幸いです。

※本号の記事見出し・リンク先一覧です。
 https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/list/mm20220105.html

※「新型コロナウイルス感染症関連情報」特設ページ
 https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

※Novel Coronavirus (COVID-19) 英文サイト
 https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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■新型コロナウイルスの雇用・就業への影響■
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1.連続パネル調査(個人調査)

◇記者発表「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(JILPT第6回)」(一次集計)結果(2021年12月22日)

 JILPTは2021年12月22日、「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する
調査(JILPT第6回)」(一次集計)結果を記者発表しました。コロナ前と10月調査時点の
暮らし向きの変化について、約4割が「コロナ禍で社会格差が拡がったように感じる」
と回答。現在の就業形態が「正社員」より、「非正社員」「自営業・内職、その他」
「働いていない」の順で、格差拡大を感じる割合が増加。感染症の収束後に2割超が
「セーブして働きたい、当面は・もう働きたくない」と回答し、その理由は
「働く意欲が低下したから」が4割近くに達していることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20211222.pdf

 ▽連続パネル調査 個人調査(第1~5回)の集計結果(記者発表資料)
  https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/press/index.html

 ▽関連の分析結果
  ☆リサーチアイ 第71回「コロナ禍において転職希望を強めている正社員」(2021年11月15日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/071_211115.html

  ☆リサーチアイ 第69回「コロナ禍における仕事・生活とメンタルヘルス─感染不安と生活不安の中で─」(2021年11月2日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/069_211102.html

  ☆リサーチアイ 第67回「テレワークで満足を得られる人、得られない人─個人の性格による違い―」(2021年8月13日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/067_210813.html

 ▽ビジネス・レーバー・トレンド 2021年12月号
  特集「コロナ禍での職場のメンタルヘルス」
  https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2021/12/index.html

 ▽ビジネス・レーバー・トレンド 2021年10月号
  特集「コロナ禍で女性が置かれた状況と課題」
  https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2021/10/index.html

 ▽関連のイベント
  ☆第115回労働政策フォーラム「新型コロナによる女性雇用・生活への影響と支援のあり方」(2021年6月25日~29日開催)
   https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20210629/index.html

  ☆第114回労働政策フォーラム「新型コロナと働き方の変化─就業意識の変化と 在宅勤務の動向に注目して─」(2021年3月5日~8日開催)
   https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20210308/index.html

2.連続パネル調査(企業調査)

◇記者発表「第5回新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果(2021年12月24日)

 JILPTは2021年12月24日、「第5回 新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」
(一次集計)結果を記者発表しました。2021年9月末の労働者の過不足状況は、不足感の方が
25.2%ポイント高く、「正社員・正規従業員」の方が、「パート・アルバイト・契約社員」や
「派遣労働者」よりも不足感が高い。今後、企業は労働者を確保するための取組として、
「働きがいや仕事に対する充実感を高める」(44.3%)、「募集時の賃金を引上げる」(40.5%)、
「女性の活躍を進める」(34.4%)、「ワーク・ライフ・バランスを進める」(33.5%)の順に
高くなっていることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20211224.pdf

 ▽連続パネル調査 企業調査(第1~4回)の集計結果(記者発表資料)
  https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/press/index.html#kigyo

 ▽関連の分析結果
  ☆リサーチアイ 第68回「企業の感染防止対策」(2021年9月8日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/068_210908.html

3.ウィズコロナ・ポストコロナの働き方

◇資料シリーズ No.242『ウィズコロナ・ポストコロナの働き方―テレワークを中心としたヒアリング調査―』(2021年10月28日)

 2020年4月の緊急事態宣言により急速に拡大したテレワークの実施状況、
宣言解除後の状況、今後の働き方についての展望等について、企業・労働組合に
ヒアリング調査を行いました。その結果、宣言下ではそれまでに構築していた
テレワークの枠組を超えるような形で緊急的な対応を迫られることになり、
その経験がその後の制度上のテレワークの拡大を後押ししたり、テレワークの
課題などを顕在化させることになったこと、テレワークをどう位置づけ、
どう進めていくかは、働く場所の制約を受けない働き方をどう考えるかにつながり、
在宅勤務やサテライトオフィス勤務などの具体的な制度設計にとどまらず、
ひいては転勤、単身赴任のあり方の見直し、さらにはオフィスのあり方の
見直しまで進んだこと、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2021/242.html

 ▽関連の分析結果
  ☆リサーチアイ 第51回「「ニューノーマル」へシフトする企業─テレワークに関する大手14社へのヒアリング調査から」(2020年12月11日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/051_201211.html

◇ブックレット『テレワーク コロナ禍における政労使の取組』(2021年6月発行)

 各種調査結果や情報収集の研究成果を活用して取りまとめた「テレワークの労働法政策」と
「テレワークの現状と今後」という2つのレポートにより、注目の高まっているテレワーク
に関する現状と課題を提示しています。
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/02.html

◇『データで見るコロナの軌跡』データブック国際労働比較2020 特別編集号(2021年4月発行)

 新型コロナウイルスの影響により各国が直面している経済や雇用の大きな変化
について、約1年にわたり収集した統計データを取りまとめています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/f/documents/2021-04_covid-19.pdf

 ▽日本労働研究雑誌 2021年4月号
  特集「ウィズ・コロナ時代の労働市場」
  https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2021/04/index.html

 ▽ビジネス・レーバー・トレンド 2022年1・2月号
  特集「ウィズ・アフターコロナの労働運動」
  https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2022/01_02/index.html

☆JILPTコロナプロジェクト ワークショップ2021「新型コロナウイルス感染拡大の雇用・就業への影響』(2021年4月9日開催)

 「コロナ禍における個人の意識・働き方の変化」、「コロナ下における企業行動
および政策の対応」などのテーマで、国内外21名の研究者による研究報告および
総括コメント形式でのワークショップを開催しました。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/event/ws210409/index.html

 ▽ワークショップの成果
  『コロナ禍における個人と企業の変容─働き方・生活・格差と支援策』慶応義塾大学出版会
  https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/book/20211125.html

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■人材育成と能力開発■
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◇調査シリーズ No.217『人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(労働者調査)』(2021年11月30日)

 民間企業における人材育成と能力開発について、労働者を対象としたアンケート調査を
実施しました。その結果、13.6%が通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練・研修
(=OFF-JT)を「受講した」と回答、16.7%が仕事に関わる自己啓発(自発的に行う教育訓練)を
「行った」と回答しており、規模の大きい企業に勤める者ほどOFF-JTを受講しており、
自己啓発を行った割合も高くなっていることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/217.html

◇調査シリーズ No.216『人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(企業調査)』(2021年11月30日)

 民間企業における人材育成と能力開発について、企業を対象としたアンケート調査を
実施しました。その結果、労働者の能力開発方針の決定主体について、「企業主体で決定している」
割合が59.1%と過半数を占め、「労働者個人主体で決定している」とする35.0%を大きく
上回っていること、規模別にみると、いずれの規模でも半数以上は、「企業主体で決定している」
と回答しているが、規模の小さい企業では、規模の大きい企業に比べ、「労働者個人主体で決定している」
とする割合が高くなっていることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/216.html

 ▽関連の成果
  調査シリーズ No.173『人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査結果(労働者調査)(2017年8月31日)
  https://www.jil.go.jp/institute/research/2017/173.html

  調査シリーズ No.172『人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査結果(企業調査)』(2017年8月31日)
  https://www.jil.go.jp/institute/research/2017/172.html

 ▽関連のイベント
  ☆第113回労働政策フォーラム「これからの能力開発・キャリア形成を考える─人手不足と技術革新にどう対応すべきか─」(2021年2月19日~22日開催)
   https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20210222/index.html

 ▽ビジネス・レーバー・トレンド 2021年5月号
  特集「今後の人材開発の課題」
  https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2021/05/index.html

◇資料シリーズ No.243『委託離職者訓練に関する分析~訓練施設の取組みと受講における効果から~』(2021年11月19日)

 離職者向けの公共職業訓練のうち、国や地方自治体から業務委託を受けた
民間の企業・法人などによって行われる「委託訓練」について、訓練施設と
訓練受講者を対象としたアンケート調査を行いました。その結果、委託離職者訓練
の中で受講者がとりわけ多いITや介護の離職者訓練は、それまで従事してきた
仕事とは異なる仕事に従事するための準備機会として機能していること、
訓練施設が特定の業界団体と情報交換・連携をすることが、受講者の就職可能性を
高めることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2021/243.html

 ▽関連の成果
  調査シリーズ No.154『離職者訓練(委託訓練)に関する調査研究―訓練施設・訓練受講者のアンケート調査結果―』 (2016年5月31日)
  https://www.jil.go.jp/institute/research/2016/154.html

◇調査シリーズ No.215『ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成~転職者アンケート調査結果~』(2021年11月19日)

 ミドルエイジ層の転職に関する実態把握を目的としたアンケート調査を行い、
転職活動や転職先における状況、能力開発やキャリア展望における特徴などを
明らかにしました。転職者の8割強を占める自己都合離職者に離職理由を
尋ねたところ、性別、年齢層、担当職種に関わりなく、「満足のいく仕事内容
ではなかったため」という回答が3~4割を占め、35歳以上の年齢層では、
男女を問わず、回答の比率が最も高かったこと、男性転職者では、35歳以上の
年齢層では概ね異業種間転職が35%前後であるのに対し、女性は38~45%程度であり、
男性に比べると異業種間転職の比率が総じて高いことなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/215.html

 ▽関連の成果
  調査シリーズ No.149『中高年齢者の転職・再就職調査』(2016年4月8日)
  https://www.jil.go.jp/institute/research/2016/149.html

 ▽日本労働研究雑誌 2020年8月号
  特集「学び直し」
  https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/08/index.html

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■同一労働同一賃金■
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◇調査シリーズ No.214『同一労働同一賃金の対応状況等に関する調査(企業に対するアンケート調査及びヒアリング調査)結果』(2021年11月12日)

 「パートタイム・有期雇用労働法」の施行に関して、「同一労働同一賃金ルール」
等への企業の対応状況を把握するために「アンケート調査」と「ヒアリング調査」を
実施しました。その結果、「同一労働同一賃金ルール」の認知度は9割を超えたものの、
「内容を知っている」企業は64.0%にとどまったこと、「同一労働同一賃金ルール」への
対応(雇用管理の見直し)状況について、「必要な見直しを行った・行っている、
または検討中」の企業が4割超となった一方で、約5社に一社(19.4%)が、依然として
「対応方針は、未定・わからない」状態にとどまっている現状などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/214.html

 ▽記者発表「パートタイム・有期契約労働者の雇用状況等に関する調査」結果(2020年12月25日)
  https://www.jil.go.jp/press/documents/20201225.pdf

 ▽ビジネス・レーバー・トレンド 2020年4月号
  特集「働き方をめぐる新たな動き」
  https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2020/04/index.html

 ▽日本労働研究雑誌 2018年12月号
  特集「働き方改革シリーズ1「同一労働同一賃金」」
  https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/12/index.html

 ▽関連のイベント
  ☆第117回労働政策フォーラム「多様な働き方を考える─「同一労働同一賃金」ルールをめぐる現状と課題─」(2021年11月22日~26日開催)
   https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20211126/index.html

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■職業情報・タスク分析■
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◇資料シリーズ No.240『職業情報提供サイト(日本版 O-NET)のインプットデータ開発に関する研究』(2021年9月30日)

 2018年度と2019年度に当機構が開発した職業情報のデータセットについて、
「仕事活動(ワーク・アクティビティ)」領域を作成する等、内容を拡充しました。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、仕事量の変化とテレワーク
実施状況について特別調査を行ったところ、「もともとテレワークを潜在的に
実施し得る職業群ではコロナ禍による後押しで比較的導入が加速した一方、
もとより実施が難しい職業群では導入を進めることはできなかった」
といった状況が示唆されました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2021/240.html

 ▽関連の成果
  資料シリーズ No.227『職業情報提供サイト(日本版O-NET)のインプットデータ開発に関する研究』(2020年3月18日)
  https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2020/227.html

  資料シリーズ No.203『仕事の世界の見える化に向けて―職業情報提供サイト(日本版O-NET)の基本構想に関する研究―』(2018年5月15日)
  https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2018/203.html

◇ディスカッションペーパー 21-11『日本版O-NETの数値情報を使用した応用研究の可能性:タスクのトレンド分析を一例として』(2021年3月31日)

 米国O*NET(職業情報提供サイト)等の職業情報を用いた海外の先行研究レビューを
行うとともに、日本版O-NETと国勢調査の職業マッチングデータを活用したタスクの
トレンド分析を行いました。2005年以降の就業者におけるタスクの分布のトレンドをみると、
高度なスキルを必要とする非定型分析・相互タスクが増加している一方で、身体的作業を行う
定型手仕事・非定型手仕事タスクは減少していることなどが明らかになりました。
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2021/21-11.html