JILPTリサーチアイ 第67回
テレワークで満足を得られる人、得られない人─個人の性格による違い―

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経済社会と労働部門 副主任研究員 高見 具広

2021年8月13日(金曜)掲載

本稿は、テレワークで仕事の満足を得られるか否かに個人差があることを、労働者の性格(パーソナリティ)の観点から考察する[注1]。テレワークでは、オフィスで密にコミュニケーションをとりながら仕事を進める形から、自宅等で各自仕事を進める形にワークスタイルが転換することから、その働き方を好ましく感じるか否かには個人差が大きいと考えるためである。

新型コロナウイルス感染拡大によって、テレワーク(在宅勤務)の実施が大幅に拡大した。特に、2020年4月の緊急事態宣言(1回目)発令を機にテレワーク実施が拡大したが、その後、実施が継続されていない例も少なからず見られる[注2]。同時に、体制整備が不十分なためにテレワークで仕事を進めにくい、上司・同僚等とのコミュニケーションが難しいといった、様々な課題も指摘されている。テレワークの効果的な推進にとって、テレワークが可能になるように業務内容・進め方を見直すこと、テレワークの生産性を向上させるための工夫を行うことはきわめて重要である。同時に、労働者がその働き方から心理的な満足を得ているか否かも、感染症収束後に企業がテレワーク施策を継続するかにおいて重要な判断材料となるだろう。本稿では、この点を仕事満足度という指標から検討したい。なお、テレワークと労働者の満足・希望との関係についてはシンプルなものではなく、「テレワーク疲れ」といった、従来型の働き方に戻ることを希求する声がメディアで聞かれる一方で、感染症収束後もテレワークを引き続き希望する声も少なくない[注3]。こうした現状からは、テレワークという働き方を好ましいと感じる者と、そうでない者に分かれることがうかがえよう。本稿では、テレワークで仕事の満足を得られるか否かの個人差を、パーソナリティ特性に即して検討する。

パーソナリティ特性と仕事への影響

人間の性格については、心理学において、「ビッグファイブ」といわれる5つのパーソナリティ特性で説明可能というエビデンスが得られてきた。5つの特性とは、「外向性」「協調性」「勤勉性」「神経症傾向」「開放性」のことであり(表1参照)、パーソナリティ特性をアンケート調査で把握する方法も確立されてきた。5つの特性は、それぞれ高くても低くても、良い面も悪い面もあわせもつものである(小塩2020)。なお、「外向性」と「開放性」は、言葉から受ける印象が一見近いようにも思えるが、「外向性」は社交的、話し好き、強い刺激を求めるといった特性を示すものであるのに対し、「開放性」は、対人関係でオープンなことを意味するものではなく、好奇心や自由な発想をもつ特性を示すものである。

表1 ビッグファイブ・パーソナリティ特性

外向性 活発さや明るさ、ポジティブな感情の強さ、ひとりよりも皆と一緒にいたい気持ちを反映する。
協調性 やさしさや人を許す寛大さ、思いやりや面倒見の良さを反映する。
勤勉性 まじめで計画的、熱心に活動に取り組む傾向を反映する。
神経症傾向 特にネガティブな感情の揺れ動きの大きさを反映する。落ち込みや不安、怒りといったあまり望ましくない感情を抱きやすい傾向を表す。
開放性
(経験への開放性)
関心の広さや興味の強さ、空想をめぐらす傾向を反映する。さまざまな活動や現象を受け入れる傾向を意味する。

出典:小塩(2020)17~18ページ

こうしたパーソナリティ特性は仕事との関連も強く、高賃金や昇進など職業的成功に関わるというエビデンスが蓄積されるとともに、仕事満足度との関係も議論されてきた[注4]。もっとも、パーソナリティ特性がどのような効果をもつかは、環境に左右される部分もある。例えば、文化的背景、人事制度や就業環境が異なれば、職業的成功やウェルビーイングに関わるパーソナリティ特性も変わると考えられる[注5]

テレワークという働き方から充足感を得られるか否かも、個々のパーソナリティによって異なってくるだろう。テレワークで特記すべき変化は、オフィスで密にコミュニケーションをとりながら仕事を進めるスタイルから、自宅等で各自仕事を進める形への転換である。こうした環境変化の中、例えば、同僚等との密接な関わりから充実感や働きがいを得る人の場合、仕事による満足感を得られにくくなる可能性がある。逆に、ひとりで業務をこなすことを好む人や、対人ストレスを感じやすい人の場合、テレワークが心理的なメリットをもたらす可能性があろう。また、新しい働き方への適応性が高い人では、新たな形で仕事の意味を発見できる場合もあろう。このように、テレワークによって仕事の意味(非金銭的報酬)を得られるか否かは、個人の性格による違いが大きいものと考えられる。こうした問題意識から、以下、パーソナリティ特性、仕事満足度との関係を検討する。

データと基礎集計

使用するデータは、JILPTが2020年12月に実施した「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(JILPT第3回)」であり、パネル回答サンプルを用いて議論する[注6]。同調査では、パーソナリティ特性について、TIPI-Jに基づいた10項目で把握されている[注7]

まず、パーソナリティ特性と仕事満足度の基礎集計として、両者の相関行列を示す(表2)。仕事満足度は、「外向性」「協調性」「勤勉性」「開放性」と正の相関があり、「神経症傾向」と負の相関がある。

表2 パーソナリティ特性、仕事満足度に関する相関行列

平均 標準偏差 1 2 3 4 5
1 外向性 7.379 2.502
2 協調性 9.343 2.003 -.081**
3 勤勉性 7.998 2.236 .257** .198**
4 神経症傾向 8.085 2.198 -.235** -.226** -.369**
5 開放性 7.504 2.124 .409** -.037* .262** -.219**
6 仕事満足度 2.952 0.977 .122** .076** .084** -.119** .079**

注:*p<.05; **p<.01. N=2885.

パーソナリティ特性と仕事満足度との相関関係は、テレワークを行っている者とそうでない者とで異なる傾向にある。テレワーク実施有無別に両者の相関係数を見ると(表3)、テレワークを行っていない者(非実施者)では、仕事満足度は「外向性」「協調性」「勤勉性」「開放性」との正の相関が確認され、「神経症傾向」との負の相関が確認される。一方、テレワークを行っている者(実施者)においては、仕事満足度は「勤勉性」「開放性」との正の相関、「神経症傾向」との負の相関が確認されるが、「外向性」「協調性」との相関は確認されない。相関係数の値の相違もあり、テレワーク実施有無によって、パーソナリティ特性と仕事満足度との関係が異なる可能性がうかがえた。なお、表2から、パーソナリティ特性間の相関も確認されることから、どのようなパーソナリティ特性が仕事満足度に直接関わるかは、次に行う回帰分析で結論を得ることとする。

表3 パーソナリティ特性と仕事満足度の相関係数─テレワーク実施有無別─

仕事満足度
(テレワーク非実施者) (テレワーク実施者)
外向性 .126** .081
協調性 .083** .048
勤勉性 .075** .104*
神経症傾向 -.111** -.130**
開放性 .059** .145**

注:*p<.05; **p<.01.

パーソナリティ特性の仕事満足度への効果─テレワーク実施有無による違い

基礎集計の傾向をふまえて、仕事満足度の規定要因の分析を行う。分析の目的は、パーソナリティ特性と仕事満足度との関係(どのような特性の個人で仕事満足度が高いのか)が、テレワークの場合とそうでない場合とで異なる可能性を検討することにある。

分析方法は、2020年12月時点の仕事満足度(順序尺度)を被説明変数とした順序ロジスティック回帰分析とする。分析では、コロナ前の仕事満足度を統制変数として投入し、コロナ前の仕事満足度の水準が同じ人の中で、2020年12月時点でどういう人の満足度が高い(低い)のかを検討している。

主な説明変数は、パーソナリティ特性、調査時点のテレワーク実施有無、および両者の交互作用項である[注8]。交互作用項を入れることで、テレワーク以外で仕事満足度に関わるパーソナリティ特性、テレワークにおいて特に満足度に関わるパーソナリティ特性を識別することができる。また、コロナ下での収入変化、労働時間変化をコントロールしていることから、これらの労働条件面とは別に、仕事に意味(やりがい等)を感じるかといった非金銭的報酬の観点から仕事満足度の要因を読むことができる。

分析((1)(2))では、テレワークを実施していない者も含む全サンプルを対象に分析を行った。パーソナリティ特性、テレワークそれぞれの仕事満足度への影響を見た後(分析(1))、パーソナリティ特性とテレワーク実施の交差項を投入し、テレワークにおいては、テレワーク以外の場合と比べて、どのようなパーソナリティ特性の者で満足度が高く(低く)なりやすいのかを検討した(分析(2))。さらに、分析(2)を補完する目的から、テレワーク実施者のみを対象にした分析(分析(3))も行った。

表4 仕事満足度の規定要因(順序ロジスティック回帰分析)

(1) (2) (3)
被説明変数 仕事満足度(点数)
分析対象 全サンプル テレワーク実施者のみ
モデル モデル1 モデル2
B 標準誤差 B 標準誤差 B 標準誤差
年齢 -.004 .004 -.004 .004 -.008 .011
女性 .053 .093 .046 .093 .039 .232
コロナ前と比べて収入減少 -1.053 .087 ** -1.057 .087 ** -.872 .204 **
コロナ前と比べた労働時間変化
 労働時間減少 -.119 .086 -.118 .086 -.128 .216
 労働時間増加 -.240 .094 * -.250 .095 ** -.570 .233 *
外向性 .029 .017 + .045 .018 * -.036 .041
協調性 -.011 .019 .007 .021 -.110 .045 *
勤勉性 -.005 .018 -.010 .020 .033 .046
神経症傾向 -.049 .018 ** -.043 .020 * -.077 .042 +
開放性 .018 .019 .001 .021 .116 .045 **
テレワーク実施 .222 .108 * 1.087 .874
外向性×テレワーク実施 -.082 .043 +
協調性×テレワーク実施 -.105 .048 *
勤勉性×テレワーク実施 .029 .047
神経症傾向×テレワーク実施 -.035 .046
開放性×テレワーク実施 .099 .048 *
χ2乗値 974.952 984.873 175.492
-2 対数尤度 6899.96 6890.039 1217.672
Nagelkerke R2 乗 0.307 0.309 0.313
N 2885 2885 506

注1:*p<.05; **p<.01; +p<.10.

注2:主要な変数の結果のみ表示。他に、配偶者有無、学歴、雇用形態、業種、職種、企業規模、居住地域、勤続年数、コロナ前個人年収、コロナ前労働時間、コロナ前の仕事満足度を統制している。

結果を見る(表4)。まず、全サンプルにおける分析(1)の結果を見ると、コロナ前と比べて収入が減少した場合や、労働時間が増加した場合に、係数(B)の値が負であり、仕事満足度が低くなる傾向が読み取れる。こうした労働条件面の変動が、働く者の仕事満足度に影響することが示されている。パーソナリティ特性については、「神経症傾向」の係数値が負であり、神経症傾向が高い人ほど、(テレワークか否かを問わず)仕事満足度が低くなる傾向にあることが示されている。また、「テレワーク実施」の係数は正で、統計的に有意であり、テレワーク実施者ほど仕事満足度が高い傾向がうかがえる[注9]

分析(2)で、パーソナリティ特性とテレワークの交差項を投入した結果を見る。まず、パーソナリティ特性の主効果を見ると、「神経症傾向」の係数が負であることに加えて、「外向性」が正で有意である。テレワーク以外の場合、「外向性」が高いほど仕事満足度が高く、「神経症傾向」が高いほど仕事満足度が低くなると考えられる。加えて、交差項の結果からは、テレワークにおいて特に仕事満足度に関わるパーソナリティ特性が読み取れる。結果を見ると、「外向性」「協調性」との交差項の値が負であり、「開放性」との交差項の値が正である。まず、「外向性」について、テレワーク以外の場合は「外向性」が高いほど仕事満足度が高くなりやすいが、テレワークにおいては、「外向性」は満足度に関わらないと考えられた[注10]。つまり、他者と一緒にいることを好む「外向性」(社交的、話し好き)という性格は、オフィスで密にコミュニケーションをとりながら仕事を進める状況下では仕事満足度を高めるが、テレワークではそうではない[注11]。次に、「協調性」については、テレワークの場合に、満足度を引き下げる方向に作用する。親密な対人関係を指向する「協調性」というパーソナリティは、業務分担の明確化等でチームワーク的要素が少なくなるテレワークにおいては、心理的に報われにくいことを示唆する。最後に、「開放性」が高い個人ほどテレワークで高い満足を得られやすいことが示されている。この結果は、新しい就業環境の受容性の高さによると解釈できるが、テレワーク環境下で、好奇心や自由な発想から、新しい仕事の意味の発見につながっている可能性も考えられる。さらには、分析(2)では、テレワーク実施ダミーの標準誤差が大きくなり、統計的有意性が消滅していることも注目される。つまり、テレワークの仕事満足度に与える効果は、パーソナリティ特性による部分が大きく、個人の性格を無視しては、テレワークの満足度に与える効果を正確に測れないことがうかがえる。

上記の点は、テレワーク実施者のみを対象にした補足的な分析(3)でも確認される。テレワーク実施者において、「協調性」が仕事満足度と負の関係性を持つこと、「開放性」が仕事満足度と正の関係性を持つことが確認される。これは、(2)の分析結果と整合的な結果と言える。以上、テレワークにおいて仕事の満足感を得られるか否かは、パーソナリティ特性によって大きく異なることが示された。なお、結果は表示していないが、以上の分析において、職種や業種といった、テレワーク実施可能性と大きな関係がある仕事特性指標は、仕事満足度に関係しなかった。テレワーク実施者において仕事満足度を左右するのは、仕事特性より個人の性格特性であることが確認されるとともに、同じ職種であっても、個人の性格によって、テレワークの状況から仕事満足を得られやすい人とそうでない人に分かれることが示唆された。

おわりに

テレワークの拡大は、オフィスで密にコミュニケーションをとりながら仕事を進める形から、自宅等で各自仕事を進める形への、ワークスタイルの転換をもたらした。それにともなう上司・同僚等との対面コミュニケーションの縮小は、社員の孤立感・孤独感につながるものとも言われ、企業では、オンラインで意識的に雑談の機会を設けるなどの工夫が行われている[注12]。ただ、本稿で見たように、テレワークのもつ意味合いは、個々の労働者の性格によって大きく異なるものであり、コミュニケーションに関し、一律な対応が望ましいものでもない。労務管理上難しいところである。

テレワークというワークスタイル変化は、他者との関わり合い(社交や親密さ)に価値を置く労働者にとっては、仕事の意味(仕事から得る心理的報酬)を減じかねない環境変化と考えられた。一方、テレワークにおいて相対的に満足を得られやすいパーソナリティも確認された。重要なのは、テレワークとテレワーク以外では、仕事による満足を得られやすい性格特性が異なることである。仕事で高いパフォーマンスを発揮したり、仕事に意味(やりがい等)を感じられたりするかは、個々の性格と環境との適合性(相性)によって決まるものと言える。感染症収束後において、テレワークは、個々の事情や希望に即した柔軟な運用が求められる。

参考文献

  • 小塩真司・阿部晋吾・カトローニ ピノ(2012)「日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)作成の試み」パ−ソナリティ研究, 21, pp.40-52.
  • 小塩真司(2020)『性格とは何か―より良く生きるための心理学―』中公新書.
  • 厚生労働省(2021)『令和3年版 労働経済の分析─新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響─』.
  • 労働政策研究・研修機構編(2021)『テレワーク コロナ禍における政労使の取組』.
  • Judge, Timothy A., Heller, Daniel, & Mount, Michael K. (2002). "Five-factor model of personality and job satisfaction: A meta-analysis." Journal of Applied Psychology, 87(3), pp.530–541.
  • Lee, Sun Youn & Ohtake, Fumio. (2018). "Is being agreeable a key to success or failure in the labor market?," Journal of the Japanese and International Economies, vol.49, pp.8-27.

補論:テレワーク経験・継続の状況(2020年12月時点)

テレワークの経験・継続の傾向について、補論として、JILPT第3回調査の結果を示す。まず、属性別の基礎集計を示す[注13]補表1)。分析サンプルにおいて、2020年12月時点までにテレワークを経験したことのある割合は28.9%であった。また、テレワーク経験者のうち、12月時点でテレワークを実施(継続)している者の割合は60.6%であった。属性別に見ると、テレワークの経験や継続は、業種、職種、企業規模、個人年収、居住地域等によって差が見られる。テレワークを初めて経験した時期別では、感染拡大以降(2020年3月以降)に初めてテレワークを経験した者で、継続割合が相対的に低い傾向にあった。

上記の傾向を回帰分析で確認したのが補表2である。全サンプルを対象に、テレワーク経験の有無を被説明変数として分析した後(分析(1))、テレワーク経験者を対象に、2020年12月時点での継続有無を被説明変数として分析した(分析(2)(3))。結果、まず、テレワーク経験確率は、学歴、雇用形態、業種、職種、企業規模、個人年収、居住地域によって異なることが示された(分析(1))。また、テレワーク継続の有無に関しては、雇用形態、業種、職種、個人年収、居住地域が関わることに加え(分析(2))、テレワーク経験時期を追加的に考慮すると、感染症拡大後に初めて経験した層(「3~5月に初めて経験」「6月以降に初めて経験」)において、テレワーク継続確率が低いことが示された(分析(3))[注14]

補表1 テレワークの経験・継続の有無─属性別の傾向─

テレワーク経験の有無 N テレワーク継続の有無
[テレワーク経験者]
N
あり なし あり なし
合計 28.9% 71.1% 2885 60.6% 39.4% 835
年齢 20-29歳 27.6% 72.4% 355 51.0% 49.0% 98
30-39歳 28.4% 71.6% 580 67.9% 32.1% 165
40-49歳 28.2% 71.8% 917 56.4% 43.6% 259
50-59歳 30.9% 69.1% 776 65.8% 34.2% 240
60-64歳 28.4% 71.6% 257 54.8% 45.2% 73
性別 男性 35.1% 64.9% 1622 63.3% 36.7% 569
女性 21.1% 78.9% 1263 54.9% 45.1% 266
配偶者有無 配偶者なし 24.9% 75.1% 1340 57.8% 42.2% 334
配偶者あり 32.4% 67.6% 1545 62.5% 37.5% 501
最終学歴  大卒以外 15.9% 84.1% 1551 53.0% 47.0% 247
大卒(大学院卒含む) 44.1% 55.9% 1334 63.8% 36.2% 588
雇用形態 正社員 35.7% 64.3% 1987 60.9% 39.1% 709
正社員以外 14.0% 86.0% 898 58.7% 41.3% 126
勤め先
業種
建設業 28.1% 71.9% 160 40.0% 60.0% 45
製造業 34.2% 65.8% 687 66.8% 33.2% 235
電気・ガス・熱供給・水道業 26.8% 73.2% 41 54.5% 45.5% 11
情報通信業 73.9% 26.1% 161 84.0% 16.0% 119
運輸業 19.3% 80.7% 181 40.0% 60.0% 35
卸売・小売業 19.9% 80.1% 392 57.7% 42.3% 78
金融・保険業、不動産業 46.8% 53.2% 218 55.9% 44.1% 102
飲食店、宿泊業 6.9% 93.1% 72 80.0% 20.0% 5
医療、福祉 7.3% 92.7% 385 42.9% 57.1% 28
教育、学習支援業 47.8% 52.2% 92 40.9% 59.1% 44
サービス業 27.0% 73.0% 371 53.0% 47.0% 100
その他 26.4% 73.6% 125 66.7% 33.3% 33
職種 管理職 57.1% 42.9% 289 61.2% 38.8% 165
専門・技術職 39.2% 60.8% 577 67.7% 32.3% 226
事務職 33.1% 66.9% 735 58.4% 41.6% 243
営業・販売職 29.2% 70.8% 414 56.2% 43.8% 121
サービス職 12.5% 87.5% 271 58.8% 41.2% 34
生産工程・労務作業者 6.7% 93.3% 493 36.4% 63.6% 33
その他 12.3% 87.7% 106 76.9% 23.1% 13
勤め先
企業規模
29人以下 15.2% 84.8% 564 59.3% 40.7% 86
30~299人 24.2% 75.8% 897 52.1% 47.9% 217
300~999人 33.9% 66.1% 381 65.1% 34.9% 129
1000人以上 46.4% 53.6% 806 64.7% 35.3% 374
わからない 12.2% 87.8% 237 55.2% 44.8% 29
勤続年数 5年未満 24.9% 75.1% 947 57.6% 42.4% 236
5~10年未満 23.3% 76.7% 647 55.0% 45.0% 151
10~20年未満 28.0% 72.0% 683 65.4% 34.6% 191
20年以上 42.3% 57.7% 608 63.0% 37.0% 257
コロナ前(2019年)
個人年収
300万円未満 14.1% 85.9% 1185 52.7% 47.3% 167
300~500万円未満 26.2% 73.8% 864 52.2% 47.8% 226
500~700万円未満 40.9% 59.1% 472 62.7% 37.3% 193
700万円以上 68.4% 31.6% 364 71.9% 28.1% 249
居住地域 首都圏(1都3県) 40.1% 59.9% 891 71.1% 28.9% 357
関西圏(3府県) 30.4% 69.6% 388 59.3% 40.7% 118
その他地域 22.4% 77.6% 1606 50.6% 49.4% 360
テレワーク経験時期 2月以前から経験あり - - - 82.3% 17.7% 158
3~5月に初めて経験 - - - 56.3% 43.7% 602
6月以降に初めて経験 - - - 49.3% 50.7% 75

注:個人属性や雇用形態、業種、職種、企業規模、勤続年数、居住地域は、2020年4月1日時点のものである。

補表2 テレワーク経験・継続の規定要因(二項ロジスティック回帰分析)

(1) (2) (3)
被説明変数 テレワーク経験の有無 2020年12月時点のテレワーク実施(継続)
分析対象 全サンプル テレワーク経験者
モデル モデル1 モデル2
B 標準誤差 B 標準誤差 B 標準誤差
年齢 -.003 .006 -.006 .010 -.009 .010
女性 .104 .130 -.079 .203 -.082 .208
配偶者あり .165 .109 .131 .175 .112 .180
大卒(大学院卒含む) .679 .112 ** .118 .186 .089 .191
正社員以外 -.494 .157 ** .614 .266 * .545 .270 *
業種(基準:製造業)
 建設業 -.293 .229 -1.080 .358 ** -1.223 .371 **
 電気・ガス・熱供給・水道業 -.641 .403 -.261 .638 -.226 .642
 情報通信業 1.135 .224 ** .893 .304 ** .739 .310 *
 運輸業 -.498 .242 * -1.032 .409 * -1.018 .417 *
 卸売・小売業 -.497 .190 ** -.076 .298 -.097 .304
 金融・保険業、不動産業 -.011 .192 -.538 .266 * -.511 .271 +
 飲食店、宿泊業 -1.232 .575 * 1.229 1.242 1.177 1.243
 医療、福祉 -2.262 .378 ** -.554 .618 -.639 .630
 教育、学習支援業 .929 .272 ** -1.209 .391 ** -1.136 .397 **
 サービス業 -.036 .179 -.572 .274 * -.791 .285 **
 その他 .112 .258 .196 .420 .150 .428
職種(基準:生産工程・労務作業者)
 管理職 1.850 .256 ** .288 .468 .333 .477
 専門・技術職 1.959 .229 ** .982 .438 * .992 .444 *
 事務職 1.929 .223 ** .920 .436 * .926 .441 *
 営業・販売職 1.714 .244 ** .607 .453 .555 .460
 サービス職 1.191 .297 ** 1.450 .561 * 1.401 .569 *
 その他 .708 .381 + 1.825 .828 * 1.801 .827 *
企業規模(基準:29人以下)
 30~299人 .397 .162 * -.528 .287 + -.441 .290
 300~999人 .533 .189 ** -.058 .321 .138 .327
 1000人以上 .949 .167 ** -.314 .292 -.274 .296
 わからない .127 .271 -.399 .485 -.300 .495
勤続年数 .000 .007 .003 .010 .001 .010
コロナ前個人年収 .002 .000 ** .001 .000 ** .001 .000 **
居住地域(基準:その他地域)
 首都圏(1都3県) .446 .114 ** .737 .178 ** .722 .182 **
 関西圏(3府県) .188 .152 .321 .234 .254 .239
テレワークの経験時期(基準:2月以前から経験あり)
 3~5月に初めて経験 -1.311 .246 **
 6月以降に初めて経験 -1.389 .343 **
定数 -3.898 .341 ** -.918 .609 .354 .660
χ2乗値 988.366 ** 131.993 ** 165.849 **
-2 対数尤度 2483.089 987.757 953.901
Nagelkerke R2 乗 0.415 0.198 0.244
N 2885 835 835

注:*p<.05; **p<.01; +p<.10.

脚注

注1 本稿の主張は筆者個人のものであり、所属機関を代表するものではない。

注2 JILPT第3回調査(2020年12月)に基づくテレワーク経験・継続の傾向については、補論で示す。

注3 JILPTが2021年6月に行った個人アンケート調査によると、感染症収束後の働き方について、テレワーク中心を希望する割合が約4割、出社中心を希望する割合が半数超と、希望が分かれている。

注4 Judge et al. (2002) は、メタアナリシスに基づき、神経症傾向が仕事満足度と負の相関をもつこと、外向性が仕事満足度と正の相関をもつことを、既存研究から一般化できる傾向と述べる。

注5 Lee and Ohtake (2018) は、日本ではアメリカと異なり、協調性が高いほど、男性において高賃金を得やすいという結果を示し、チームワークが求められる集団主義的な就業環境では、協調性が職業的成功をもたらすと議論する。

注6 調査設計や集計は、1月18日公表の記者発表「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(JILPT第3回)」(一次集計)結果」を参照のこと。分析対象は、JILPT第1回調査からの継続回答者とし、かつ、4月1日以降、同じ勤め先での雇用が続いている者で、分析で扱う変数に欠損値がないサンプルとしている。

注7 日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)尺度の信頼性・妥当性については、小塩ほか(2012)を参照。調査では、「活発で、外向的だと思う」などの10項目が、7件法(全く違うと思う~強くそう思う)で尋ねられている。ビッグファイブは、下位項目2つずつの合計得点(うち1項目は逆転)で指標化される。各指標は、2~14の値をとる変数である。

注8 結果は表示しないが、配偶者有無、学歴、雇用形態、業種、職種、企業規模、勤続年数、居住地域、コロナ前(2019年)の個人年収、コロナ前(通常月)の週実労働時間、コロナ前仕事満足度も、表4の分析では統制されている。雇用形態、業種、職種、企業規模、居住地域は、2020年4月1日時点の情報である。テレワーク実施については、2020年12月時点での実施有無であり、非実施の中には、テレワークを経験し、12月時点で実施(継続)していない者も含む。

注9 なお、テレワークで満足を得られるからこそテレワークを続けているという関係性も考えられることから、因果関係としての解釈には留保が必要である。

注10 外向性との交差項は10%の統計的有意水準であることに加え、テレワークによって満足度がどうなるかは(主効果+交互作用効果)、この分析の限りでは明確なことは言えない。この点は、分析(3)で補足的に検討し、結果的に、テレワークにおいて、外向性は仕事満足度に関係しないことがうかがえた。

注11 逆に言うと、内向的な性格(無口、控えめなど)の人は、出社型の勤務スタイルでは、心理的満足の面で相対的に報われにくいが、テレワークという働き方ではそうしたデメリットを被りにくいと考えられる。

注12 労働政策研究・研修機構編(2021)では、コロナ下のテレワークに関する労使の様々な取組が紹介されている。

注13 この点は、厚生労働省(2021)でも検討されているが、本稿分析サンプルでの結果を補足的に示すものである。

注14 結果は掲載しないが、パーソナリティ特性とテレワーク経験・継続との関連はみられなかった。つまり、特定の性格の個人がテレワークを経験しやすかったり、継続しやすかったりする状況は、本データの限り確認されなかった。