開催報告
JILPTコロナプロジェクト ワークショップ2021(2021年4月9日開催)
『新型コロナウイルス感染拡大の雇用・就業への影響』
JILPTでは2020年3月に、新型コロナウイルス感染拡大の雇用・就業への影響に関する実態把握のためのプロジェクトチームを立ち上げ、同年5月以降、個人と企業を対象とした2種類の「連続パネル調査」を実施し、その結果を速やかに公表するとともに、国内外の研究者の参画を得て、「連続パネル調査」の結果データの二次分析やディスカッションペーパーの執筆などを進めてきたところです。
この度、「コロナ禍における個人の意識・働き方の変化」、「コロナ下における企業行動および政策の対応」などのテーマで、二次分析に参画の国内外21名の研究者による研究報告および総括コメント形式でのワークショップを開催しました。
新型コロナウイルスが社会をどのように変えていくのかという大きな問題に対し、学際的かつ国際比較のアプローチなどにより、精度の高いデータを用いて長期的・構造的な研究課題として取り組むことが重要であることが確認されました。
本ワークショップの成果についての書籍が刊行されました(2021年11月25日)。
連続パネル調査
- 各調査の一次集計結果は記者発表資料をご参照ください。
プログラム
開会挨拶 樋口美雄(JILPT理事長)
第1部 コロナ禍における個人の意識・働き方の変化Ⅰ 個人パネル調査データから
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コロナ禍で女性の主観的ウェルビーイングが男性よりも低下しているのはなぜか?
打越文弥・ジェームズ・レイモ・由里詩奈(プリンストン大学)
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コロナ禍のなかでの収入減少と家計悪化──就業形態の違いに注目して
長松奈美江(関西学院大学)
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コロナ禍にふみとどまったフリーランスとは──テレワーク・オンラインの効用
玄田有史(東京大学社会科学研究所)
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コロナ禍における自営業者のセーフティネット──持続化給付金制度の利用は事業継続に寄与したのか
仲 修平(明治学院大学)
第2部 コロナ禍における個人の意識・働き方の変化Ⅱ 個人パネル調査データから
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緊急事態宣言は誰の働き方を変えたか
大竹文雄・加藤大貴(大阪大学)
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新型コロナウイルス感染症流行初期時点における失職や減収の国際比較
石井加代子・山本 勲・吉田大喜(慶應義塾大学)
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在宅勤務の経験による「新しい日常生活」──生活時間の変化を読む
高見具広(JILPT)・山本雄三(九州国際大学)
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コロナショックと非正規雇用者──仕事と生活への影響を中心に
高橋康二(JILPT)
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COVID-19がもたらした所得格差──社会階層の視点から
黒川すみれ(東京大学社会科学研究所)
第3部 コロナ下における企業行動および政策の対応 企業パネル調査データから
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コロナ禍における市場変動への企業の対応──マクロ・ミクロ統計からの示唆
井上裕介(世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター)
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コロナ禍の企業支援策と雇用
福田 皓・山本 勲(慶應義塾大学)
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新型コロナ流行下での企業業績の変化と企業支援策──月次企業パネルデータによる分析
小林 徹(高崎経済大学)
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コロナ禍でのテレワークの実施状況について
神林 龍(一橋大学)
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職業特性と新型コロナ以降の企業行動変化
荻島 駿(三井住友トラスト基礎研究所)・権 赫旭(日本大学)・児玉直美(明治学院大学)