資料シリーズNo.240
職業情報提供サイト(日本版 O-NET)の
インプットデータ開発に関する研究(2020年度)
概要
研究の目的
2018年度と2019年度に当機構が開発した職業情報のデータセットについて、「仕事活動(ワーク・アクティビティ)」領域を作成する等、内容を拡充することを主たる目的とした。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、仕事量の変化とテレワーク実施状況について特別調査を併せて実施した。
研究の方法
企業・団体等へのヒアリング調査、およびWebモニターを用いた就業者調査
主な事実発見
本研究の主たる目的である公共の職業情報インフラの作成については事実発見という考え方は馴染まないが、職業大分類ごとに集約してデータを整理したところ、概ね各大分類の特徴と合致する結果が得られた。たとえば仕事活動(ワーク・アクティビティ)について、管理的な仕事では「意思決定と問題解決を行う」が、専門的・技術的な仕事では「仕事に関連する知識を更新し、活用する」が、農林漁業では「手と腕を使って物を取り扱い動かす」がそれぞれ最も「重要」と評価されている(図表1)。
一方、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて急遽実施された特別調査のうちテレワーク実施状況については、「もともとテレワークを潜在的に実施し得る職業群ではコロナ禍による後押しで比較的導入が加速した一方、もとより実施が難しい職業群では導入を進めることはできなかった」といった状況が示唆された(図表2)。ただし、図表2のうち「管理的な仕事」は一般に想像される「管理職」とはやや異なる職業で構成されているため、詳細は本文第4章を参照されたい。
政策的インプリケーション
本研究は政策提言を目的としたものではない。
政策への貢献
作成したデータの一部は厚生労働省が開発・運営する「職業情報提供サイト」(日本版O-NET/job tag)に今後収録され、全国のキャリア教育、キャリア支援の現場で活用されることが期待される。
本文
本文がスムーズに表示しない場合は下記からご参照をお願いします。
- 表紙・まえがき・執筆担当者・目次(PDF:462KB)
- 序章
第1章 収録職業選定の考え方と2020 年度に選定した新規職業
第2章 職業解説の作成
第3章 職業に関する数値情報の作成方法
第4章 職業別数値情報の集計と検討
第5章 詳細版数値系ダウンロードデータの作成方法について
第6章 有限母集団修正のための職業別就業者数推定(PDF:4.5MB) - 付録1 2020 年度作成の新規10 職業 職業解説
付録2 職業分類別職業名一覧
付録3 Web 調査画面サンプル(PDF:2.9MB) - オンライン追加資料(Excel:408KB) PDF版(2.3MB)
研究の区分
プロジェクト研究「全員参加型の社会実現に向けたキャリア形成支援に関する研究」
サブテーマ「職業情報、就職支援ツール等の整備・活用に関する研究」
研究期間
令和2年度
執筆担当者
- 松原 亜矢子
- 労働政策研究・研修機構 前統括研究員
- 鎌倉 哲史
- 労働政策研究・研修機構 研究員
- 吉田 航
- 労働政策研究・研修機構 研究助手