ビジネス・レーバー・トレンド2022年5月号

毎月25日更新

副業・兼業が秘める可能性

副業や兼業を行う労働者が増えている。政府は「働き方改革実行計画」(2017年3月)に副業・兼業の促進を盛り込み、厚生労働省は2020年9月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定。これまで従業員の副業や兼業に消極的であった企業側にも、解禁の動きが目立ってきた。本号では、副業や兼業を有効に活用したり、副業する労働者を支援する企業の事例や、副業・兼業をテーマとしてJILPTが開催した労働政策フォーラムでの議論などから、「新たな働き方」や「雇用創出」、「社会貢献」の実現に向け、副業・兼業が秘める可能性について考える。

目次

企業取材

副業・兼業という働き方を活かし、すでに、地域の活性化や人材育成、ビジネスを通じた社会貢献などに取り組む企業が現れている。プロフェッショナル人材への仕事紹介を強みとする「みらいワークス」(東京・虎ノ門)、IT技術で社会課題の解決に向き合う「ジョージ・アンド・ショーン」(東京・神宮前)、短時間アルバイトのマッチングを展開する「タイミー」(東京・東池袋)――3社による先行的な取り組みを取材した。(調査部)


地域シンクタンク・モニター特別調査

※地域シンクタンク・モニター定例調査結果については本号後段に掲載。


労働政策フォーラム

副業について考える

2022年1月に開いた労働政策フォーラムでは、副業に関する政策の歴史的変遷、厚生労働省のガイドラインの概要、副業の実態についての学術的な分析結果や企業事例を報告するとともに、副業・兼業の今後の展望について議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)

(※講師の肩書きは開催当時のもの)

【研究報告】

副業・兼業に関する労働政策の展開

濱口 桂一郎 JILPT研究所長

【報告】

副業・兼業の促進について

木原 大樹 厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課 課長補佐

【基調講演】

副業の実態と課題

川上 淳之 東洋大学 経済学部経済学科 准教授

【事例報告1】

新生銀行の副業・兼業制度

天明 純一 株式会社新生銀行 グループ人事部 マネージャー

【事例報告2】

IHIにおける副業制度の積極的活用について

竒二 丈浩 株式会社IHI 人事部 ワーク・ライフ企画グループ 部長

【事例報告3】

大企業における、起業という挑戦

脇 奈津子 サントリーホールディングス株式会社 未来事業開発部
株式会社一坪茶園 CEO兼CPO
SAAI Wonder Working Community コミュニティマネージャー

【パネルディスカッション】

コーディネーター:濱口 桂一郎 JILPT研究所長


資料


地域シンクタンク・モニター定例調査

各地域のシンクタンクのモニターに、地域経済や地域雇用の動向などについて、定期的に調査を実施しています。

[調査結果の全体概況]

[各地域の調査結果]


スペシャルトピック

注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。


国内トピックス

行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。


海外労働事情

海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。

アメリカ①
セクハラ関連の「紛争前強制仲裁合意」を無効に
アメリカ②
労働者の組織化、権限強化を提言 ―ホワイトハウスの検討部会
アメリカ③
ニューヨークのアマゾン倉庫、労組結成案を可決
ドイツ
2022年の労働分野における主な法改正
フランス
独立自営業者の失業手当支給条件の緩和

ちょっと気になるデータ

2022年3月17日に公表された労働経済動向調査(令和4年2月)の結果から、雇用調整の実施状況について、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が縮小していた時期を中心にみる。(統計解析担当)

2022年4月25日掲載