【福島】建設業の倒産は福島県沖地震の復旧工事が支えとなり減少

地域シンクタンク・モニター調査

福島県では、10~12月期、1~3月期の経済動向および雇用動向が、いずれも「横ばい」となっている。昨年2月の福島県沖地震の復旧工事が支えとなり、建設業では倒産が減少している。

経済動向は実績・見通しともに横ばい

福島県のモニターは10~12月期の地域経済について、「個人消費では、大型小売店等販売額、乗用車新車登録台数とも前期を上回ったほか、設備投資も前期を大きく上回ったが、生産活動と新設住宅着工戸数は前期実績を下回った」として、【横ばい】と判断した。

1~3月期の見通しについても、「大型小売店等販売額および新設住宅着工戸数、建築着工工事費予定額が前期を上回ったが、乗用車新車登録台数や公共工事前払保証請負額は前期比で減少した」ことから【横ばい】としている。

企業の倒産件数は減少も大型倒産の発生で負債総額は増加

10~12月期の雇用実績をみると、「有効求人倍率は前期比でわずかにマイナスとなっているものの、前年同期を上回っている」「雇用保険受給者実人員数は前期比でプラスとなっているものの、前年同期を下回っている」。1~3月期の見通しについても「有効求人倍率は前年同期比、前期比ともプラスとなっている」ものの、「雇用保険受給者実人員数は前期を上回っている」ことから、モニターは実績・見通しともに【横ばい】と判断した。

また、労働に関連する地域のトピックとして、企業の倒産状況を報告した。福島県での2021年の倒産件数は50件で前年を22件下回ったが、大型倒産が発生したことから負債総額は前年比54.3億円増の119.2億万円となった(帝国データバンク福島支店調べ)。業種別にみると、建設業は2021年2月に発生した福島県沖地震などによる復旧工事が支えとなり12件、小売業は巣ごもり需要などを背景に6件で前年を下回った半面、製造業(9件)、卸売業(7件)で増加した。

(調査部)