【四国】雇用動向は横ばいが続くも人手不足とする企業が増えて半数超に

地域シンクタンク・モニター調査

四国では、個人消費に回復の兆しがみられることに加え、生産、輸出のいずれも持ち直しの動きが広がり10~12月期の地域経済は「やや好転」した。しかし、1~3月期は経営者の景況感が悪化に転じているなどとして「やや悪化」の見込み。雇用動向は、雇用調整実施中の企業割合に動きがないことから、10~12月期実績、1~3月期見通しのいずれも「横ばい」だが、人手不足とする企業が増加して半数超となっている。

生産と輸出の持ち直しで企業業績が回復傾向に

四国地域についてモニターは、10~12月期の地域経済の実績を「新型コロナの感染者数が減少するなか、持ち直しの動きが広がりつつある」として【やや好転】と判断した。「個人消費は観光分野や衣料・身の回り品などを中心に回復の兆しがみられるものの、全体として力強さを欠いている」とする一方で、「生産や輸出は持ち直しの動きが強まり、企業業績も回復傾向が続いている。こうしたなか、四国の経営者の景況感は大きく改善している」点を指摘。あわせて、「現在の四国の景気について、『既に回復』または『回復傾向』とみる企業の割合は前回9月調査の25%から49%へ上昇し、新型コロナの影響が広がる直前(2019年12月調査)の水準を上回るなど、経営者の景況感は大きく改善している」といったモニターが実施している景気動向調査(12月調査)の結果を紹介している。

個人消費は力強さに欠け、景況感も悪化に転じる

1~3月期の見通しについては、「設備投資や雇用は比較的堅調なものの、生産や企業業績が足踏みしているほか、個人消費は全体として力強さを欠いており、経営者の景況感も悪化に転じている」と説明。また、同調査(3月調査)の結果から、「現在の四国の景気について、『既に回復』または『回復傾向』とみる企業の割合は前回12月調査の49%から32%へ低下し、経営者の景況感は悪化に転じている」ことにも触れて、【やや悪化】と判断している。

雇用調整実施中の企業割合は横ばいで推移

10~12月期の雇用の実績については、モニターが実施する景気動向調査(12月調査)の結果から「四国に本社を置く企業で雇用調整を実施中の企業の割合は9%で、前回9月調査(8%)からほぼ横ばい」。1~3月期の見通しについても同調査(3月調査)の結果から「雇用調整を実施中の企業の割合は、前回12月調査の9%とほぼ横ばいの8%となっている」としてともに【横ばい】と判断した。

その他、労働に関連する地域のトピックとして、同調査(3月調査)をもとに「人手の過不足の状況について、『不足』または『やや不足』とする企業割合は53%で、前回12月調査(46%)から上昇している」こともあわせて報告した。

(調査部)