雇用調整を実施した事業所の割合
―労働経済動向調査結果から
ちょっと気になるデータ
2022年3月17日に、厚生労働省から労働経済動向調査(令和4年2月)の結果が公表された。その中から雇用調整の実施状況の結果について、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が縮小していた時期を中心としてみる。
まず、直近の状況をみると、2021年10~12月期の雇用調整(事業活動縮小によるもの。以下同じ。)を実施した事業所の割合は6%となった(図1)。産業別にみると、宿泊業,飲食サービス業で12%と最も高く、次いで製造業と生活関連サービス業,娯楽業で10%、運輸業,郵便業で9%などとなっている(図1、図2)。
雇用調整の実施事業所割合の推移を2019年以降についてみると、2019年は2%で推移していたが2020年から増加し2020年4~6月期に14%となった。その後は減少傾向となっているが依然として2019年より高い水準で推移している。
産業別にみると製造業、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業などでは他の産業と比べて高い水準で推移しており、いずれも2020年4~6月が最も高くなっている(製造業24%、宿泊業,飲食サービス業30%、生活関連サービス業27%)。
図1:雇用調整実施事業所割合
- 注:事業活動縮小によるもの
図2:雇用調整実施事業所割合
- 注:事業活動縮小によるもの
これらの産業について2021年10~12月の雇用調整の方法(複数回答)をみると、製造業では「一時休業(一時帰休)」6%、「残業規制」3%、宿泊業,飲食サービス業では「残業規制」6%、「一時休業(一時帰休)」5%、生活関連サービス業では「一時休業(一時帰休)」4%などとなっている(図3、図4、図5)。前年同期(2020年10~12月期)と比べるとほとんどの項目で割合は低下している。
図3:雇用調整の方法(複数回答)
製造業
- 注:事業活動縮小によるもの
図4:雇用調整の方法(複数回答)
宿泊業,飲食サービス業
- 注:事業活動縮小によるもの
図5:雇用調整の方法(複数回答)
生活関連サービス業,娯楽業
- 注:事業活動縮小によるもの
(調査部 統計解析担当)