ビジネス・レーバー・トレンド2023年3月号
毎月25日更新
- <<前号
- 2023年バックナンバー
- 次号>>
- <お知らせ>2022年5月号からデジタル提供に移行しました。
70歳まで働ける職場をつくる
高齢化の進展と就業継続意欲の高まりにより、65歳を過ぎても働き続ける高齢者の割合が高まっている。労働力調査によると、65~69歳の就業率は、2021年に初めて50%を超えた。こうしたなか、改正高年齢者雇用安定法が2021年4月に施行。企業には65歳以上の従業員に対して、70歳までの就業機会の確保措置を講じることが努力義務となった。本号では、70歳までの雇用・就業のあり方などについて議論した労働政策フォーラム、地方での改正高齢法への対応、65歳以降の高齢者雇用の近年の動向などを紹介しながら、どうしたら70歳まで働ける職場を円滑につくれるかを考える。
目次
労働政策フォーラム
高齢者の雇用・就業について考える
2022年12月に開いた労働政策フォーラムでは、JILPT研究報告、高齢者の継続雇用と活用に積極的に取り組む企業の事例などを通して、働く意欲のある高齢者が能力発揮できるような環境整備と、70歳までの雇用・就業のあり方について議論した。
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【研究報告】
70歳就業時代における高齢者雇用──雇用体制と高齢者の就業に関する分析に基づく問題提起
【事例紹介(1)】
【事例紹介(2)】
【事例紹介(3)】
【パネルディスカッション】
地域シンクタンク・モニター特別調査
地域シンクタンク・モニターに対し、特別テーマとして「それぞれの地域での改正高年齢者雇用安定法への対応」について尋ねた。
※地域シンクタンク・モニター定例調査結果については本号後段に掲載
高齢者雇用の近年の動向
- 70歳以上まで働ける企業の割合はほぼ4割で、この6年間で15ポイント以上の上昇 ――厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」からみる65歳以降の雇用状況の推移
- 就業者数は18年連続で増加し、65~69歳の就業率が初めて50%超え ――65歳以上の高齢就業者のすがた
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
- 33兆1,686億円で過去最大規模。「人への投資」を柱に据えて、賃上げや人材育成を積極的に支援 ――厚生労働省の2023年度予算案
- 専門業務型裁量労働制の対象に銀行などでの合併・買収助言業務を追加へ ――労働政策審議会労働条件分科会が今後の労働契約・労働時間法制に関する報告をとりまとめ
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
地域シンクタンク・モニター定例調査
各地域のシンクタンクのモニターに、地域経済や地域雇用の動向などについて、定期的に調査を実施しています。
[調査結果の全体概況]
[各地域の調査結果]
- 【北海道】宿泊・飲食など幅広い業種で新規求人数が増加
- 【秋田・山形】原材料・燃料費の高騰や海外情勢から、経済動向の見通しはともにやや悪化の見込み
- 【岩手】旅行再開やテイクアウト需要の拡大で宿泊・飲食サービスが求人増
- 【宮城】レジャー需要と値上げ前の駆け込み需要で個人消費が堅調
- 【福島】倒産が4年ぶりに増加。雇用動向は実績、見通しとも横ばい
- 【茨城】新規求人倍率が2.39倍に上昇するなど雇用が好転
- 【北陸】業種・規模を問わず従業員不足が鮮明に
- 【東海】有効求人倍率が7期連続で上昇、失業率も改善
- 【近畿】行動制限解除で消費は好調な一方、企業の価格転嫁は進まず
- 【中国】半導体不足が自動車生産の支障に
- 【四国】個人消費は回復傾向が続く一方、景況感の改善は足踏み
- 【九州】経済動向は好調が続き人手不足感が強まる
フォーカス
労働政策研究・研修機構(JILPT)は、経済協力開発機構(OECD)との共催により、2022年12月に「不平等は問題か?人々は日本における経済格差と社会移動をどう捉えているか」と題するハイレベル・ラウンドテーブルを開催した。新型コロナウィルスの影響等を受け、世界で格差の拡大が深刻な問題となりつつあるなか、日本でも中間所得層(中間層)の減少と低所得層の増加が懸念されている。本イベントでは、格差とその認識に関する最近の研究成果を報告。また、政策立案、労使、市民社会等の代表者でパネル討論を行った。当日の研究報告と議論の概要を紹介する。(海外情報担当)
労働政策研究・研修機構(JILPT)は2022年11月、韓国労働研究院(KLI)、中国労働社会保障科学研究院(CALSS)と共催で第20回北東アジア労働フォーラムをオンラインで開催した。2022年のテーマは「プラットフォーム労働者:労働市場と労使関係」。新たな就業形態として世界的に拡大傾向にあるプラットフォーム労働をめぐる状況や課題について報告、討論した。海外情報担当がまとめた各報告の概要を紹介する。
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- アメリカ①
- 23州が最低賃金を引き上げ ―「物価連動」で8.7%アップの州も
- アメリカ②
- カリフォルニア州とワシントン州が募集時の給与情報公開を義務化
- ドイツ①
- 金属・電機の産別交渉、妥結 ―2年で8.5%の賃上げ
- ドイツ②
- 22年の協約賃金、物価高で実質4.7%減
- フランス
- 法定最低賃金(SMIC)引き上げ ―被用者全体の賃金水準は物価上昇に追いつかず
- 中国①
- 農民工の雇用安定に向けた意見を公表 ―人的資源・社会保障部など
- 中国②
- 上海市が労働者の確保・雇用安定策を発表
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2023年2月27日掲載