ビジネス・レーバー・トレンド2022年7月号

毎月25日更新

ハラスメントのない職場をつくる

職場におけるハラスメントは、働く人の能力発揮を妨げたり、個人の尊厳を傷つけるおそれがあるとともに、職場の秩序を乱したり、生産性を低下させる要因にもなり得る。2019年の労働施策総合推進法の改正により、2020年6月からは、事業主が職場におけるパワーハラスメントを防止する措置を講じることが義務化され、今年4月からは中小企業も対象となった。ハラスメントを職場からなくしていくため、企業などはどのように取り組んでいったらよいのか。本号では、JILPTが開催した労働政策フォーラムでの議論、労働組合の取り組み事例などを通して、ハラスメントのない職場づくりに向けたヒントを探る。

目次

労働政策フォーラム

職場環境の改善─ハラスメント対策─

今年2月に開催した労働政策フォーラムでは、パワーハラスメントに関連する裁判例の動向、業界団体・支援団体・企業のハラスメント防止の取り組みを報告するとともに、効果的な実施方法や今後に向けた課題などについて議論した(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)

(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)

【研究報告】

パワーハラスメントに関連する主な裁判例の動向

滝原 啓允 JILPT研究員

【事例報告1】

看護現場におけるハラスメント防止に向けた日本看護協会の取組み

森内 みね子 公益社団法人日本看護協会 常任理事

【事例報告2】

GSKが取り組むハラスメント防止対策

長井 友宏 グラクソ・スミスクライン株式会社 人財本部 労務部長

【事例報告3】

ベルシステム24グループの職場環境改善に向けた取組──実効的なハラスメント対策

楠本 三夏 株式会社ベルシステム24ホールディングス 法務・コンプライアンス部 法務・
コンプライアンス局 コンプライアンスグループ グループマネージャー

【事例報告4】

修復的司法の理念に基づく対話の重要性──ハラスメント予防・克服のために

鴨下 智法 NPO法人対話の会 副理事長(弁護士)

【パネルディスカッション】

コーディネーター:濱口 桂一郎 JILPT研究所長


取材

【労働組合の取り組み事例】

連合「ILO『仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する第190 号条約』発効シンポジウム」(2021年7月13日)/日本労働弁護団・連合「シンポジウム・労働組合のためのハラスメントのない職場づくり」(2022年4月20日)から


業界の動き


行政の動き


ビジネス・レーバー・モニター特別調査

※ビジネス・レーバー・モニター(企業・業界団体)定例調査結果については本号後段に掲載。


岸田政権の当面の政策方針

「新しい資本主義実現会議」の実行計画、2022骨太方針などが出揃い、岸田政権が推し進める当面の政策プランの全容が固まった。実行計画などに盛り込まれた政策プランの概要を紹介する。(調査部)


スペシャルトピック


国内トピックス

行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。


ビジネス・レーバー・モニター定例調査

雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。

<企業・業界団体調査 2022年1~3月期の業況実績/4~6月期の業況見通し>


海外労働事情

海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。

イギリス①
非労働力人口の増加
イギリス②
議会報告書、農業・食品関連労働者の不足への対応を政府に要請
イギリス③
船員の大量解雇
イギリス④
プラットフォーム労働の従事者を保護する労働協約
イギリス⑤
介護分野の外国人労働者受け入れに関する報告書
アメリカ①
ニューヨーク市、求人時の給与情報開示を義務化へ ―賃金格差の是正めざす
アメリカ②
米サッカー代表チームの報酬を「男女同一」に
ドイツ
最低賃金引上法、成立 ―10月から時給12ユーロへ
フランス
法定最賃(SMIC)を下回る産別最賃の引き上げ労使交渉
中国
2022年最低賃金改定の動き
韓国①
ユン・ソンニョル新政権 110の国政課題を発表
韓国②
ユン・ソンニョル新政権の国政課題 労使が見解を表明

ちょっと気になるデータ

最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)

2022年6月27日掲載