母の就業状況の変化
 ――第11回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の結果から

ちょっと気になるデータ

厚生労働省から2022年5月18日に第11回「21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)」の結果が公表された。この調査は、平成22年に出生した子の実態と経年変化の状況を継続的に観察するとともに、21世紀の初年である平成13年に出生した子を継続的に観察している調査との比較対象等を行っているものである。この中から、母の就業状況の変化の統計を紹介する。

母が有職の割合は、第11回調査(子どもの年齢11歳(小学5年生))で79.3%となった。有職の割合の推移をみると、出産1年前(調査対象である子の出産1年前。以下同じ。)は61.9%であったものが、第1回調査(出産半年後)に35.6%に低下したものの、その後は上昇している。平成13年出生児では、出産1年前は54.5%、第1回調査は25.1%、第11回調査は70.8%となっており、第13回出生時と比べると、出産1年前から第11回のいずれにおいても平成22年出生児の母の有職の割合の方が高くなっている(図1)。

図1:母が有職の割合
画像:図表

次に、出産1年前の母の就業状況をみると、有職(61.9%)の内訳が「勤め(常勤)」38.1%、「勤め(パート・アルバイト)」19.2%、「自営業・家業、その他」4.6%で、「無職」37.8%、「不詳」0.3%となっている。平成13年出生児では有職(54.5%)の内訳が「勤め(常勤)」32.8%、「勤め(パート・アルバイト)」16.0%、「自営業・家業、その他」5.6%で、「無職」44.8%、「不詳」0.7%となっている。

出産1年前に就業状況が「勤め(常勤)」であった母について、その後の就業状況の変化をみると、その後も継続して「勤め(常勤)」である割合は第1回調査で65.6%、第2回調査で59.3%、第3回調査で56.2%、第4回以降はおおむね55%程度で推移している。平成13年出生児では第1回調査で47.9%、第2回調査で42.6%、その後はおおむね40%程度で推移している。平成13年出生児と比べると、平成22年出生児の「勤め(常勤)」の母の割合は高い割合で推移している。(図2)。

図2:出産1年前の就業状況が「勤め(常勤)」の母のその後の就業状況
平成22年出生児

画像:図2

平成13年出生児
画像:図2

また、第1回調査から第11回調査まで継続して「勤め(常勤)」の母の割合は、平成22年出生児では35.4%となっており、平成13年出生児(25.2%)と比べて10.2ポイント高くなっている。

注 図1、図2とも、第1回調査~第11回調査まですべて回答を得た者のうち、ずっと「母と同居」の者を集計。平成13年出生児の第3回調査では母の就業状況を調査していない。また、各調査回における子どもの年齢は次のとおり。第1回調査:月齢6か月、第2回調査:1歳6か月、第3回調査:2歳6か月、第4回調査:3歳6か月、第5回調査:4歳6か月、第6回調査:5歳6か月、第7回調査:7歳(小学1年生)、第8回調査:8歳(小学2年生)、第9回調査:9歳(小学3年生)、第10回調査:10歳(小学4年生)、第11回調査:11歳(小学5年生)。

(調査部 統計解析担当)