ビジネス・レーバー・トレンド2024年12月号
毎月25日更新
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ICTの発達に労働が対処すべきこと
ICT(情報通信技術)の発達と、柔軟かつ多様な働き方の広がりから、特に新型コロナの流行以降、在宅勤務などのリモートワークを行う労働者も多くなっている。リモートワークは育児や介護との両立を図りやすかったり、通勤の負担を軽減するなどのメリットがある一方で、労働時間が自己管理になりやすくなったり、上司・同僚とのコミュニケーションがとりにくくなるといった課題も指摘される。また、多くの人がスマートフォンを持つなか、時間外や休日でも仕事上の連絡が容易になるという弊害も出てきた。本号では、ICTの発展と労働時間政策に焦点をあてた労働政策フォーラムの内容や、DX等先端技術担当者の調査結果も収録した「過労死等防止対策白書」などを紹介しつつ、ICTの発達に伴う新たな課題への対処方法を考える。
目次
労働政策フォーラム
ICTの発展と労働時間政策の課題 ─『つながらない権利』を手がかりに─
9月に開催した労働政策フォーラムでは、ICT(情報通信技術)の発展によりテレワークなど柔軟な働き方が普及するなかで、労働者の健康確保の取り組みと今後の労働時間政策がいかにあるべきか、研究者、法曹実務家が議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【趣旨説明】
『つながらない権利』とは何か?──類型整理と本フォーラムの目的
【研究報告①】
働く人々の疲労回復におけるオフの量と質の確保の重要性 ──勤務間インターバルと『つながらない権利』
【研究報告②】
ICTの発展と労働時間法制の課題──働き方の多様化とつながらない権利の意義
【パネリストからの報告①】
【パネリストからの報告②】
【パネルディスカッション】
パネルディスカッション「ICTの発展と労働時間政策の課題─『つながらない権利』を手がかりに─」
過労死防止対策
テレワークの現状
ビジネス・レーバー・モニター定例調査
JILPTでは、10~11月に行ったビジネス・レーバー・モニター産別労組・単組調査で、今期の運動方針の特徴と、活動の重点を尋ねた。
<産別・単組調査 2024年度第1回>
2024春闘における賃上げの状況
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 建設業などでフリーランス法の浸透の遅れが明らかに ――公正取引委員会と厚生労働省が「フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)」の結果を公表
- 3年以内離職率が高校卒で2年連続上昇、大学卒は3年連続 ――厚生労働省が新規学卒者の離職状況(2021年3月卒業者)を公表
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- アメリカ①
- アマゾンが「週5日出勤」を義務化へ ―コロナ禍の在宅勤務から転換、25年1月より
- アメリカ②
- 16年ぶりのストライキが終結 ―ボーイング社、4年間に38%の賃上げで労使合意
- アメリカ③
- 一部の州で最賃引き上げや有給病気休暇創設などの住民投票を実施
- イギリス①
- 雇用権利法案の公表
- イギリス②
- 労働条件の引き下げを目的とした解雇・再雇用に差止命令
- イギリス③
- 最低賃金、2025年4月より時給12.21ポンドに引き上げ
- フランス
- 法定最低賃金、11月から2%上昇 ―首相は「産業別協約最賃」引き上げの団交促進を求める
- 中国
- 国務院が雇用拡大に関する意見を発表
- 韓国①
- 韓国の総人口は3年ぶりに増加、高齢化が進み高齢者の4割が働く
- 韓国②
- ユン・ソンニョル政権下の雇用労働政策を中間総括 ―雇用労働部
- 台湾①
- 台湾製造業にインド人労働者1,000人を受け入れへ
- 台湾②
- 2025年1月から最賃引き上げ ―4.08%増、新法施行後初
- EU
- プラットフォーム労働における労働条件改善に関する指令が成立
- ILO①
- 再生可能エネルギー関連の雇用、2割増で1,620万人に拡大 ―IRENA・ILO報告書
- ILO②
- 「ケア責任」のため、世界で7億人の女性が労働市場に参入できず ―ILO報告
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2024年11月25日掲載