第1期プロジェクト研究シリーズNo.6 日本の職業能力開発と教育訓練基盤の整備
概要
本書は「職業能力開発に関する労働市場の基盤整備」という課題に対応して進められたプロジェクト研究の成果をとりまとめたものです。「職業能力開発に関する労働市場の基盤整備」のためには教育訓練サービス市場の機能強化をはかる必要があると指摘し、そのための政策課題を次のように整理しています。
- 個人の自律的な能力開発行動を支援するための環境整備策として、(1)公共職業訓練機関とともに公的組織(とくに公益団体と経営者団体)に対する支援を拡大すること、(2)教育訓練時間に対する個人の裁量性を高めるために、労働時間短縮と労働時間制度の弾力化を進めること、(3)個人が行う教育訓練計画策定を支援するための公的機能の整備、充実をはかること。
- 教育訓練体制を整備するための政策として、(1)教育訓練プロバイダーが業界団体を組織し、業界としてレベルアップをはかる努力をし、国がそれを支援すること、(2)教育訓練プロバイダーと教育訓練サービスの質を評価するための社会的仕組みを整備すること、(3)教育訓練の社会的分業体制を整備するにあたって、官民の間に位置する公的組織の機能を強化すること。
執筆担当者
- 小杉礼子
- 労働政策研究・研修機構 統括研究員
- 石田 浩
- 労働政策研究・研修機構 特別研究員、東京大学 教授
- 堀有喜衣
- 労働政策研究・研修機構 研究員
- 西澤 弘
- 労働政策研究・研修機構 主任研究員
- 藤波美帆
- 労働政策研究・研修機構 アシスタント・フェロー
- 横山知子
- 労働政策研究・研修機構 副主任研究員
- 稲川文夫
- 職業能力開発総合大学校能力開発研究センター企画調整部 室長
(前 労働政策研究・研修機構 主任研究員) - 木村陽一
- 労働政策研究・研修機構 主任研究員
- 今野浩一郎
- 労働政策研究・研修機構 特別研究員、学習院大学 教授
※所属や肩書きは2007年3月31日時点のものです。
研究期間
2003年10月~2007年3月
目次
- まえがき・目次・概要
序章 研究の目的と結果の概要(PDF:84KB) - 第1部 これまでのキャリア・能力開発
- 第2部 現在の職業能力開発
- 終章 これからの日本の職業能力開発と教育訓練基盤の整備
引用文献・参考文献・索引・執筆担当者(PDF:93KB)
主な研究成果
労働政策研究報告書
- No.54『教育訓練サービス市場の需要構造に関する調査研究―個人の職業能力開発行動からみる―』(2006年4月)
- No.53『我が国の職業能力開発の現状と今後の方向 プロジェクト研究 「職業能力開発に関する労働市場の基盤整備の在り方に関する研究」―中間報告―』(2006年4月)
- No.51『現代日本人の視点別キャリア分析―日本社会の劇的な変化と労働者の生き方―』(2006年4月)
- No.46『求職活動支援としての職業訓練―就職実現戦略としての役割と効果―』(2005年11月)
- No.43『教育訓練プロバイダーの組織と機能に関する調査―教育訓練サービス市場の第二次調査―』(2005年11月)
- No.27『個人のキャリアと職業能力形成−「進路追跡調査」35年間の軌跡−』(2005年4月)
- No.24『教育訓練プロバイダーの組織と機能に関する調査』(2005年3月)
ディスカッションペーパー
研究内容(年度別)
平成18年度
これまでの研究成果を踏まえて研究を深め、労働市場における教育訓練体制を整備するうえでの課題と政策形成を盛り込んだ最終報告書のとりまとめを行う。
平成17年度
職業教育訓練の供給の現状を踏まえ、また、生涯にわたる能力開発とキャリア形成上の課題整理をしたうえで、職業訓練需要側に対するアンケート調査を行い、能力開発の実態とニーズその問題点を整理・分析し、16年度までの研究成果も踏まえ最終報告書のとりまとめに向けた整理を行う。
平成16年度
既存統計からは明らかにできなかった質的側面(教育訓練市場に提供されている訓練の内容、期間、レベル等)に関して,学校関係及び民間の教育訓練プロバイダーにアンケート調査を実施し、教育訓練市場の状況を把握する。また、社会人に対するインタービュー調査の実施及び関連データとの総合分析を行う。
平成15年度
先行研究のレビュー等を通じて企業側・労働者側の能力開発に対するニーズ等に関して論点を整理するとともに、労働者の長い生涯における能力開発とキャリア形成と実態把握を進める。
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