労働政策研究報告書No.46
求職活動支援としての職業訓練
―就職実現戦略としての役割と効果―

掲載日:平成 17 年 11 月 11 日

概要

本研究の目的は公的支援を受けながら再就職活動をすすめる失業者の職業意識と行動を調査・分析し、失業者の再就職支援の効果的なすすめ方を明らかにすることにあります。

今回の報告書では、職業訓練を受講している失業者に対して、受講開始時と 3カ月経過後の 2回、アンケート調査を実施し、職業訓練の求職活動への効果について分析しました。その結果、受講生の以下のような特徴が示されています。

(1)年齢や性別といった条件よりも、求職活動を積極的、実際的にすすめていることが早期就職には有利となっている。

(2)職業訓練が就職実現に向けて効果をもつかどうかは、受講開始間前からの求職活動の取り組み方とその支援の内容が影響する。

(3)受講開始前からの求職活動と支援は職業訓練の内容の理解に影響し、職業訓練の内容を理解するかどうかによって、一層の就職促進効果を認める方向と、多くを期待せずに就職をすすめる方向の2つに分かれる傾向がある。

(4)職業訓練の効果と求職活動情報の取得行動は相互に影響しあい、職業訓練の効果は受講生の就職意識と因果関係がある。すなわち、自ら受講後 3カ月間に技能習得と併行して求職活動に熱心だった人が、よい結果を得ている。

(5)職業訓練は就職に対しての自己効力感を高めるが、働き方のあり方や価値観には影響しない。すなわち、職業訓練の受講開始 3カ月後に「再就職後のやり直しの困難感(再就職が実現してから 6カ月以内に職場不適応が生じた場合、離職して求職活動をやり直すことが難しいかどうか)」は緩和されたが、「職場定着の是非(やり直すべきかどうか)」の意識に変化はなかった。

本文

研究期間

平成 16年度下期~17年度上期

執筆担当者

奥津 眞里
(労働政策研究・研修機構 統括研究員)

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研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
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