ビジネス・レーバー・トレンド2022年12月号
毎月25日更新
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- <お知らせ>2022年5月号からデジタル提供に移行しました。
どうしたら若者を労働組合活動に巻き込めるか
労働組合の組織率低下や労働運動が持つ古いイメージ、若い世代の意識の多様化などを背景に、近年は若手社員の組合活動への関心低下や役員のなり手不足など、「組合離れ」を懸念する声も聞かれる。さらに、コロナ禍では、会議や集会にオンライン化を導入する組合もみられ、年長者から若手への運動スキルの伝承機会や、若手どうしの交流機会の減少も心配される。本号では、そうした状況のなかで、若手が主体的に活発に活動する組合や、活発な活動を長年続ける組合の事例、組合へのアンケート結果などを紹介しながら、若手を活動に巻き込むための秘訣を探る。
目次
労働組合取材
調査部では、若手だけの活動組織を持ち、活発な活動を展開したり、活動の改革に着手するなど、若手組合員が元気な労働組合を取材した。イオン九州ユニオン(福岡県・福岡市)、全矢崎労働組合(静岡県・裾野市)、自治労長野県本部、安来市職員労働組合(島根県)の取り組み内容を紹介する。
- 若手だけの委員会をつくり、新入組合員のためのセミナーを企画・運営。若いうちから組合役員に上がる入口としての期待も ――イオン九州ユニオンのU-style委員会の取り組み
- 30年前から続く若手の協議会活動で、人材交流や発掘、会社に対する理解の促進に貢献 ――全矢崎労働組合の「ROY」の取り組み
- 給与や生活環境など身近な話題と組合活動の関わりを意識させ、「知る・気づく」活動を若手の主体的な参加につなげたい ――自治労長野県本部青年部で動き出した青年活動改革
- 若手どうしで協力して地元行事やボランティア参加などの企画・運営を行い、仲間意識醸成と組織強化につなげる ――島根県安来市職員労働組合「ユース部」の取り組み
ビジネス・レーバー・モニター特別調査
調査モニターの労働組合に対し、特別テーマとして「近年における若手組合員の組合活動への参画状況」について尋ねた。企業別組合では回答企業の大半が若手活動の停滞化を指摘した。
※ビジネス・レーバー・モニター(産別・単組)定例調査結果については本号後段に掲載
連合の取り組み
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
- 給与のデジタル振り込みを2023年4月から解禁。本人同意が条件で100万円が上限 ――労働政策審議会分科会が省令改正案を了承
- 2019年度までの精神障害の認定要因は、具体的出来事では男性は「仕事内容・量の大きな変化」が最多、女性は事故や災害の体験・目撃などが上位に ――2022年版「過労死等防止対策白書」が閣議決定
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 高卒就職者の就職3年以内の離職率は35.9%で、大卒は31.5% ――厚生労働省が「新規学卒就職者の離職状況(2019年3月卒業者)」を公表
- 約7割の企業が副業・兼業を「認めている」「認める予定」 ――経団連の「副業・兼業に関するアンケート調査結果」
- 生理休暇を取得していない割合が8割超に ――日本医労連女性協議会「3休(年休・生休・連休)アンケート」結果
ビジネス・レーバー・モニター定例調査
雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。
〈産業別労組・単組調査 2022年の定期大会で決定、補強した運動方針の特徴〉
【産別労組】
【単組】
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- イギリス
- 実質賃金の減少
- ドイツ①
- 2036年までに労働力人口の3割相当、1300万人が退職の見込み
- ドイツ②
- 技能外国人材の獲得に向けた新ポイント制導入の動き
- ドイツ③
- 22年上半期の協約賃金 ―物価高騰で実質マイナスに
- ドイツ④
- 化学産業の賃金交渉、6.5%で決着 ―「協調行動」の復活
- 中国
- 新型コロナ感染症回復者への雇用差別対策を強化
- カンボジア
- 2023年1月の最低賃金改定、月額200ドルへ
- ラオス
- 最低賃金の段階的引き上げ ―8月1日から月額120万キープへ、2023年5月には月額130万キープへ
- EU
- 適正な最低賃金に関する指令が成立
- OECD
- OECD雇用見通し2022 ―包括的な労働市場の再構築に向けて
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2022年11月25日掲載