業況判断D.I.
 ―短観2022年9月調査結果から―

ちょっと気になるデータ

日本銀行から2022年10月3日に短観(全国企業短期経済観測調査)2022年9月調査結果が公表された。今回はこの中から業況判断D.I.の結果を紹介する。

業況判断D.I.は、収益を中心とした、業況についての全般的な判断についての指標で、調査対象企業からの回答(選択肢1.良い、2.さほど良くない、3.悪い)を「第1選択肢の回答社数構成比(%)」-「第3選択肢の回答社数構成比(%)」に加工・集計して公表されているものである。

結果をみると、「全産業」では3%ポイントで前回6月調査からの変化幅は1%ポイントと改善、「製造業」では0%ポイントで同-1%ポイントと悪化、「非製造業」では5%ポイントで同1%ポイントと改善となっている。

「製造業」では2020年6月調査で-39%ポイント、9月調査で-37%ポイントとマイナス幅が大きくなったあと改善が続いていたが、2022年は悪化している(3月調査2%ポイント、6月調査1%ポイント、9月調査0%ポイント)。「非製造業」では2020年6月調査で-25%ポイント、9月調査で-21%ポイントとマイナス幅が大きくなったあとおおむね改善が続いている(図1)。

図1:業況判断D.I. 全規模
画像:図表1

次に、2022年9月調査についてさらに細かい業種区分(注1)でみると、「製造業」では「はん用・生産用・業務用機械」で14%ポイント、「鉄鋼」で12%ポイントなどとプラスになっており、「繊維」で-19%ポイント、「輸送用機械」で-15%ポイントなどとマイナスになっている。「非製造業」では「対事業所サービス」で20%ポイント、「不動産・物品賃貸」と「情報通信」で18%ポイントとプラスに、「宿泊・飲食」で-26%ポイント、「電気・ガス」で-11%ポイントなどとなっている。前年9月調査、前々年9月調査と比較すると、非製造業ではほとんどの産業で改善傾向にある(図2)。

図2:業況判断D.I. 全規模
製造業

画像:図表2 製造業

非製造業
画像:図表2 非製造業

[注1]「日本標準産業分類」をベースに区分されている。「対事業所サービス」に対応するのはデザイン業(726)、広告業(73)、技術サービス業(他に分類されないもの)(74)(獣医業(741)を除く)など。「対個人サービス」に対応するのは洗濯・理容・美容・浴場業(78)、その他の生活関連サービス業(79)、娯楽業(80)など。詳細は日本銀行ホームページの「短観(全国企業短期経済観測調査)」の解説(PDF:1.11MB)新しいウィンドウに掲載されている。

(調査部 統計解析担当)