ビジネス・レーバー・トレンド2025年3月号
毎月25日更新
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現代社会におけるツールを活用したキャリア支援
さまざまな環境変化や技術の進展などにより、将来の職業世界がどうなるのか、見通すことが難しくなってきている今日では、キャリア支援においても、将来の予測が難しいことを織り込みながら進めていくことが重要となる。こうしたなか、JILPTでは、カード式職業情報ツールである「OHBYカード」を昨年、17年ぶりに改訂。情報内容を刷新するなどして、「新版OHBYカード」としてリニューアルした。本号では、「新版OHBYカード」の活用・実践を通じたキャリア支援について報告・議論した労働政策フォーラムの内容を紹介し、現代社会におけるツールを活用したキャリア支援の今後を展望する。
目次
労働政策フォーラム
「新版OHBYカード」とキャリアコンサルティング ──現代社会における自己理解・職業理解とキャリア支援
2024年11月に開催した労働政策フォーラムでは、「新版OHBYカード」刷新の内容と狙いなどについて担当の研究員が研究報告するとともに、日頃、「新版OHBYカード」を使ってキャリア支援・キャリアコンサルティングを行っている関係者を交え、「新版OHBYカード」の活用を通じたこれからのキャリア支援のあり方などについて議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【研究報告】
「新版OHBYカード」とキャリアコンサルティング──現代社会における自己理解・職業理解とキャリア支援
【パネリストからの報告①】
OHBYカードを活用したキャリアコンサルティング~企業内/大学~
【パネリストからの報告②】
NPO法人ICDSでの新版OHBYカードの活用①──事業概要
【パネリストからの報告②】
NPO法人ICDSでの新版OHBYカードの活用②──OHBYカード 小中学校での活用
【パネリストからの報告③】
【パネルディスカッション】
パネルディスカッション「「新版OHBYカード」とキャリアコンサルティング──現代社会における自己理解・職業理解とキャリア支援」
2025春闘を取り巻く情勢
- 賃上げの力強いモメンタムを定着させる重要性を提唱 ――経団連が「2025年版経営労働政策特別委員会報告」を発表
- 価格転嫁に応じない行為は優越的地位の濫用の典型的行為に含まれることなどを明確化 ――公正取引委員会・中小企業庁の企業取引研究会が報告書をとりまとめ
- 実質賃金指数が3年連続で前年比マイナス ――厚生労働省「毎月勤労統計調査2024年分結果速報」
ハラスメントを巡る動向
- カスタマーハラスメント対策を事業主の雇用管理上の措置義務に ――今後予定される女性活躍の推進と職場におけるハラスメント防止対策の強化の内容
- 電話やインターネット上での行為も対象に ――東京都が「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」を策定
- 4割超の会員企業がカスハラ対策を実施済もしくは検討中 ――経団連「ハラスメント防止対策に関するアンケート調査結果」
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
- 労働基準関係法制が果たすべき役割を再検討し、将来像についての抜本的な検討を行う時期に来ていると指摘 ――厚生労働省「労働基準関係法制研究会」報告書 労働基準関係法制に共通する総論的課題
- 時間外・休日労働時間の上限規制は引き続き現状を注視 ――厚生労働省「労働基準関係法制研究会」報告書 労働時間法制の具体的課題(1)〔最長労働時間規制(実労働時間規制)〕
- 13日超の連続勤務の禁止を規定すべき ――厚生労働省「労働基準関係法制研究会」報告書 労働時間法制の具体的課題(2)〔労働からの解放に関する規制〕および(3)〔割増賃金規制〕
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 個人事業者も労働安全衛生法の保護対象へ ――法改正など今後の措置が予定される労働安全衛生対策
- 70歳までの就業確保措置を実施済みの企業が3割を超える ――厚生労働省の2024年「高年齢者雇用状況等報告」
- 民間企業に雇用される障がい者数が21年連続で過去最高を更新 ――厚生労働省が2024年「障害者雇用状況」集計結果を公表
- 「きまって支給する現金給与額」の平均は26万7,700円で、「正社員・正職員」が52.7% ――厚生労働省が初めて「外国人雇用実態調査」を実施
- 推定組織率は16.1%で3年続けて過去最低水準に ――厚生労働省の2024年「労働組合基礎調査」結果
地域シンクタンク・モニター定例調査
各地域のシンクタンクのモニターに、地域経済や地域雇用の動向などについて、定期的に調査を実施しています。
<2024年第3四半期(7~9月期)実績および2024年第4四半期(10~12月期)の見通し>
[調査結果の全体概況]
[各地域の調査結果]
- 【北海道】(北海道二十一世紀総合研究所)人手不足感が強まるも、新規求人は幅広い業種で減少
- 【岩手】(いわぎんリサーチ&コンサルティング)懸念される人手不足による労働環境の悪化と技術・ノウハウの継承難
- 【宮城】(七十七リサーチ&コンサルティング)住宅ローンの金利上昇による駆け込み需要に期待も、建設費の上昇が足かせ
- 【山形】(山形銀行やまぎん情報開発研究所)2025年の賃上げは実施割合、賃上げ率ともに昨年を上回る見込み
- 【福島】(とうほう地域総合研究所)公共投資が大幅減。有効求人倍率は建設など高水準の職種も
- 【茨城】(常陽産業研究所)経済は非製造業での人流活発化で改善。慢性的な人手不足は続く
- 【北陸】(北陸経済研究所)石川労働局が2年7カ月ぶりに雇用情勢の判断を上方修正
- 【東海】(OKB総研)生産が低下したものの個人消費が堅調で経済は「横ばい」の判断。冬のボーナスは5%超の増加に
- 【近畿】(アジア太平洋研究所)輸出が好調でプラスチックは過去最高額を更新。人手不足感は依然として強い状況
- 【中国】(中国地域創造研究センター)生産活動は持ち直しの動きが持続する見通しも、消費は物価高で節約志向に
- 【四国】(四国経済連合会)生産・輸出に持ち直しの兆し。雇用調整を実施する企業割合は低水準
- 【九州】(九州経済調査協会)生産活動は横ばいの動き。雇用はパート求人が減少も人手不足感は変わらず
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- アメリカ①
- 「有給産前休暇」の付与を民間企業に義務化 ―ニューヨーク州
- アメリカ②
- 21州が最低賃金を引き上げ ―2025年1月、約926万人の賃金が上昇の見込み
- アメリカ③
- SEIUがAFL-CIOに再加盟
- アメリカ④
- トランプ政権の発足と大統領令 ―「多様性」推進方針の撤回など
- アメリカ⑤
- 2024年の労組組織率9.9%、横ばいが続く ―労働統計局集計
- イギリス
- 非労働力層の就労支援に医療・教育訓練など活用
- ドイツ
- VWで労使合意 ―工場閉鎖と大量解雇を回避へ
- フランス①
- 法定最低賃金(SMIC)専門家委員会の勧告と最賃影響率
- フランス②
- 相次ぐ事業所閉鎖の発表と懸念される雇用への影響
- 中国①
- 中国における集団抗議行動の急増 ―賃金不払いなどが引き金に
- 中国②
- 広がる「保険離脱」問題
- 中国③
- 農民工の建設業離れと新たな選択肢
- 韓国①
- 2025年の非専門職外国人労働者の導入規模を20万7,000人に設定
- 韓国②
- 雇用サービス総合プラットフォーム「雇用24」の会員が1,000万人を突破、企業の登録も41万社に迫る
- 台湾①
- 高齢化社会を見据えた中高年齢者に対する就職支援策強化
- 台湾②
- 外国人労働者の管理と運用実態
- EU①
- 欧州委員会が2024年の労働市場と賃金動向に関する年次報告書を公表
- EU②
- 2025年適用最賃の大幅引き上げにEU指令が影響か ―最低賃金指令の概要とEurofoundレポート
- ILO
- 世界経済は減速しつつあり、労働市場に陰りがみられる ―ILO「雇用・社会見通し 2025」
- OECD
- 5人に1人は低スキル、北欧や日本は高度な能力を保持 ―OECD成人スキル調査
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2025年2月25日掲載