メールマガジン労働情報 No.1857

■□――【メールマガジン労働情報/No.1857】

物流をめぐる現状と課題について議論/物流の革新に関する閣僚会議 ほか

―2023年4月5日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】物流をめぐる現状と課題について議論/物流の革新に関する閣僚会議 ほか
【統計】業況判断DI、大企業製造業で12月調査比6ポイント低下/日銀3月短観
【労使】3月の業況DIは、コロナ下からの活動回復が進み、改善/日商LOBO調査
【動向】2022年度の「円安」関連倒産は35件、前年度比7倍増/民間調査 ほか
【海外】男女賃金格差18% ―格差をめぐる最近の動向/ドイツ ほか
【イベント】労働セミナー「働くときのルール『労働契約』ポイント解説」/東京都労働相談情報センター

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズNo.268『デジタル人材の能力開発・キャリア形成に関する調査研究
―「デジタル人材」「IT人材」をめぐる先行研究等のレビューに基づく考察・検討―』

 デジタル人材の能力開発・キャリア形成に関する調査研究における問題意識と対象を
明確化するために、デジタル化に関わる人材についてのこれまでの調査・研究結果を
レビューし、何が明らかにされてきたのかを振り返るとともに、今後の「デジタル人材」の
調査・研究にあたって求められる観点や検討課題についての考察を行いました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/268.html

◇資料シリーズNo.267『過重負荷による労災認定事案の研究 その4』

 令和元年度の研究における裁量労働制適用者の業務上認定事案26事案を定性的に検討した
結果から得られた結論を一般化しうるかを、既存データを用いた定量的な分析によって
検討しました。また、独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 過労死等
防止調査研究センターが保有する行政資料を基に、平成24~30年度における労災認定事案を
対象に、労働時間の認定例を検討し、事業場における労働時間の把握・管理のあり方について
考察しました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/267.html

◇DP23-02『業務の男女差と男女間賃金格差の関連―個人レベルのタスクスコアを用いた一考察―』

 近年、社会科学全般において「タスク(業務)」に着目する研究が増加しています。
これらの研究は、労働経済学を中心として発展してきた、格差に対する産業・職業構造の
変化の影響を「タスクスコア」というよりミクロなレベルで評価する「タスク・アプローチ」
という理論枠組みに依拠しています。本稿では、個人レベルでのタスク(業務)を測定している
最新のデータを活用し、業務の男女格差が男女間賃金格差にどの程度寄与しているかを明らかにします。
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2023/23-02.html

◇第4期プロジェクト研究シリーズ
https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/index.html

◇労働政策研究報告書 No.224『現代イギリス労働法政策の展開』
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2023/0224.html

◇調査シリーズ No.228『暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2023/228.html

◇資料シリーズ No.266『若年既卒者の雇用動向―厚生労働省「雇用動向調査」二次分析―』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/266.html

◇JILPTにおける第4期中期目標期間における調査研究成果をベースとした『政策論点レポート』
https://www.jil.go.jp/institute/kadai/period04/fy2021/index.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆2023年度・第72回東京労働大学講座 総合講座(5月開講、オンライン開催)受講者募集中!

 「人事管理・労働経済」「労働法」の2部門で、現代の労働問題を学習するのに
最適なトピックス31課目を精選して開講します。講師陣には当該分野の第一人者を
網羅し、各学問分野の理論・視点から労働市場の現状や課題、労働問題などについて
講義します。

開講期間:2023年5月9日(火曜)~8月31日(木曜)(31講義日、2試験日)
開催方式:オンライン開催(ライブ配信)
配信方法:Zoomウェビナー利用
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
     オンデマンド受講ではありません。各講義1回だけの配信となります。
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

☆『労働関係法規集2023年版』 発売中!

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2023年版では、「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を
超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」「女性の職業生活における活躍の推進
に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」等を新たに収録するとともに、
「職業安定法」「職業能力開発促進法」「障害者の雇用の促進等に関する法律」
「雇用保険法」等の改正法令を収録しています。
【B6判変型 1,188頁 定価1,980円(本体1,800円)3月27日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

◇『データブック国際労働比較2023』を公開しました!

 経済、労働、雇用状況、勤労生活等に関する各国の統計指標を、国際比較が
可能な形に編集・収録した年刊資料集です(3月27日公開)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2023/index.html


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【行政】
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●自動車運転者の2024年問題等について議論/物流の革新に関する閣僚会議

 政府は3月31日、第1回「我が国の物流の革新に関する閣僚会議」を開催し、
2024年4月から自動車運転者の時間外労働に年960時間の上限が設定されること
にともなう物流産業の課題等について議論した。総理は議論を踏まえ、「商慣行の
見直しと、物流の標準化やDX・GX等による効率化の推進により、物流の生産性を
向上するとともに、荷主企業や消費者の行動変容を促す仕組みの導入を進めるべく、
抜本的・総合的な対応が必要」とし、「6月上旬をめどに、緊急に取り組むべき
抜本的・総合的な対策を政策パッケージとして取りまとめる」などと述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/31butsuryu.html
(配布資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/dai1/siryou.pdf

●民営職業紹介事業所の新規求職申込数、対前年度比14%増/厚労省報告書

 厚生労働省は3月31日、「職業紹介事業報告書」(2021年度報告)の
集計結果(速報)を公表した。民営職業紹介事業所(有料・無料)における
新規求職申込件数は約1,974万件(対前年度比13.8%増)、内訳は、有料では
「包装の職業」(272万528件)が最多、無料では「看護師」(12万6,123件)
が最多。求人数(常用求人)は約1,030万人(同19.1%増)、就職件数
(常用就職)は約75万件(同16.7%増)。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001078679.pdf

●有期契約労働者に対する労働条件明示のルール改正のリーフレットを公表/厚労省

 厚生労働省は30日、有期契約労働者等に対する労働条件明示の改正ルール
(2024年4月施行)に関するリーフレットを公表した。有期労働契約については、
契約締結と契約更新ごとに更新上限の有無等を明示すること、更新回数の上限を
2回目以降の契約の際に新設する場合や、最初の契約締結時に設けていた更新上限を
短縮する場合には、事前にその理由を説明すること、無期転換申込権が発生する
更新のタイミングごとに申し込み権があることや、無期転換後の労働条件を
明示することを義務付けている。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001080267.pdf

●一人親方等の安全衛生対策に関する改正省令が4月1日に施行/厚労省

 厚生労働省は30日、4月1日から、労働安全衛生法施行規則等の改正により、
作業を請け負わせる一人親方等や、同じ場所で作業を行う労働者以外の人に対しても、
労働者と同等の保護が図られるよう、保護具等を使用する必要があることを周知する
ことなどが事業者に義務付けられることについて、関係する省令を掲載した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei03_00004.html

●労働者供給事業の実施組合等数は104組合/厚労省集計

 厚生労働省は3月31日、2021年度「労働者供給事業報告書」集計結果(速報)
を公表した。労働者供給事業を実施している組合等数は104組合で、対前年度比
1組合の増。供給実人員は1万5,080人で、同6.8%の減。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000200930_00008.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11654000/001078022.pdf

●中小企業1企業当たりの売上高は1億8,000万円/経産省調査

 経済産業省は3月30日、2022年「中小企業実態基本調査」(2021年度決算実績)
速報を公表した。同調査は、中小企業の財務情報、経営情報等を把握するため、
業種横断的な実態調査として毎年行っているもの。1企業当たりの売上高は
1億8,000万円(前年度比5.0%増)、1企業当たりの従業者数は9.2人(同0.8%減)、
設備投資を行った法人企業の割合は22.3%(前年度差0.1ポイント増)。
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230330006/20230330006.html
(要旨)
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230330006/20230330006.pdf

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【統計】
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●業況判断DI、大企業製造業で12月調査比6ポイント低下/日銀3月短観

 日本銀行は3日、3月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果を公表した。
業況判断DI(「良い」-「悪い」)は、大企業製造業でプラス1(12月調査比
6ポイント低下)、非製造業でプラス20(同1ポイント上昇)。全産業・規模計で
プラス5(同1ポイント低下)。雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)は、全産業・
規模計でマイナス32(同1ポイント低下)。
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/tankan03b.htm
(要旨)
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/yoshi/tk2303.htm
(概要)
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/tka2303.pdf

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【労使】
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●3月の業況DIは、コロナ禍からの活動回復が進み、改善/日商LOBO調査

 日本商工会議所は3月31日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表した。
3月の業況DI(全産業合計)はマイナス14.8で、前月比4.6ポイントの上昇。飲食・宿泊業、
小売業、建設業で改善がみられ、原材料・エネルギー価格の高騰等によるコスト増や人手不足、
価格転嫁が十分に行えていない等、経営課題は山積するも、中小企業の業況は改善したとしている。
先行き見通しDIはマイナス16.3で、今月比1.5ポイントの低下。原材料・エネルギー価格の
高騰、人材確保に向けた賃上げ等によるさらなるコスト増が懸念され、価格転嫁も十分に
行えておらず、企業収益の圧迫が続いており、先行きは厳しいとしている。
https://www.jcci.or.jp/news/2023/0331110407.html

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【動向】
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●2022年度の「円安」関連倒産は35件、前年度比7倍増/民間調査

 東京商工リサーチは3日、3月31日現在の「為替」関連倒産を発表した。
急激な円安に見舞われた2022年度の「円安」関連倒産は35件で、前年度比600%増、
前年度の7倍に急増した。3月の「円安」関連倒産は6件(前年同月ゼロ)で、
負債総額は56億2,000万円。2022年8月以来、7か月ぶりに50億円を超え、
円安関連倒産は22年7月から9か月連続で発生した。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230403_01.html

●入社1年目社員の勤務先企業への満足度は72%/民間調査

 株式会社ディスコは3月28日、入社1年目社員対象とした「キャリア満足度調査」
結果を発表した。勤務先企業への現在の満足度は平均72.3%で、入社決定時の79.5%
から7.2ポイント減少し、例年と同様の傾向。転職意向の有無については、「転職活動中」
(4.5%)、「転職活動はしていないが検討中」(37.0%)、「転職は考えていない」
(58.5%)。

https://www.disc.co.jp/press_release/9725/
(詳細レポート)
https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/wakatechosa_202303-1.pdf

●派遣で働くメリット、「勤務地・勤務時間・曜日を選べる」がトップ/民間調査

 エン・ジャパンは3月31日、「派遣で働くメリット・デメリット」調査結果を
発表した。派遣で働くメリットは、「勤務地・勤務時間・曜日などを選べる」
(47%)が最多、次いで「時給が高い」(40%)、「希望の仕事内容で働ける」
(34%)など。デメリットは、「賞与が出ない」(62%)が最多。派遣で働いて
よかったことは、「すぐに仕事に就けたこと」(59%)が最多。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/32468.html

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【海外】
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●国別トピック/JILPT

<ドイツ>
▽男女賃金格差18% ―格差をめぐる最近の動向

 連邦統計局の発表資料によると、2022年の男女賃金格差(未調整)は18%であった。
ドイツ政府は2030年までにこの差を10%に縮小する目標を掲げ、関連法の整備を進めている。
男女賃金格差をめぐっては、近年新たな分析が試みられたり、連邦労働裁判所(BAG)で
重要判決が出されたりしている。以下に、主な労働分野の法改正の動向を紹介する。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/04/germany_01.html

▽2023年の労働分野における主な法改正

 2023年1月以降、サプライチェーン・デューデリジェンス法の施行、「市民手当」の導入、
操短(操業短縮)手当の一部特例の延長等の法改正が行われた。以下に、主な労働分野の
法改正の動向を紹介する。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/04/germany_02.html

<中国>
▽定年後の再就職と政府の支援策

 中国では、高齢化社会の進展に伴い、高齢者の再就職が注目されている。平均寿命や
健康寿命の延伸とともに定年後の過ごし方に変化が生じ、再就職を通して自分の生きがいを
見つけたいという人が増えているためだ。これに呼応し、政府の支援や法整備も進んでいる。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/04/china_01.html

<ILO>
▽「社会正義のためのグローバル連合」新設に向けた動き ―ILO事務局長構想

 2022年10月1日に第11代国際労働機関(ILO)事務局長に就任したジルベール・F・ウングボは、
初めての理事会で「社会正義のためのグローバル連合体」を設置する必要があるとの構想を
発表した。同氏の構想に基づき、ILOは従来よりも幅広い連携の枠組みである「社会正義の
ためのグローバル連合体」を発足させるため、第347回理事会(2023年3月開催)、第111回総会
(2023年6月開催)で具体的な検討を始める。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/04/ilo_01.html

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【イベント】
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●労働セミナー「働くときのルール『労働契約』ポイント解説」/東京都労働相談情報センター

 東京都労働相談情報センターは、4月25、27日の2日間、労働セミナー
「働くときのルール「労働契約」ポイント解説~労働条件通知書の見方や
労働契約のよくあるトラブル事例~」を品川区で開催する。働くときの
基本的なルールである「労働契約」のポイントと、よくあるトラブル事例
について解説する。受講無料。定員75名。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-zchuo-001314