メールマガジン労働情報 No.1858

■□――【メールマガジン労働情報/No.1858】

実質賃金前年同月比2.6%減少、11カ月連続のマイナス/毎勤統計調査 ほか

―2023年4月7日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】労働者協同組合の設立状況を公表/厚労省 ほか
【統計】実質賃金前年同月比2.6%減少、11カ月連続のマイナス/毎月勤労統計調査(2月分結果速報) ほか
【労使】連合および労働組合のイメージ調査/連合
【動向】国内景気は4ヵ月ぶりに改善、アフターコロナに向けた動きが加速/民間調査 ほか
【企業】育休復職支援金など「ファミリーサポートプラス制度」を導入/セガ
【海外】「フランスの失業保険制度」―労使の社会保険と国の雇用政策及び社会的保護のはざまで/フランス

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【JILPT研究成果情報】
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◇労働政策研究報告書No.225『企業で働く人のボランティアと社会貢献活動―パラレルキャリアの可能性―』

 本報告書の目的は、企業で働く人でボランティアや社会貢献活動に参加している人は
どのような特徴があるのか、将来的に参加したいと思う人はどのような人で、企業に
何を望んでいるのかを明らかにし、企業が媒介者となって活動を推進していくには
どういう方向に進んでいけばいいのかを分析することです。本報告書は、JILPTが2018年、
2019年に実施した『人生 100 年時代の企業人と社会貢献活動に関するアンケート』調査の
データを用い、二次分析を行っています。
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2023/0225.html

◇資料シリーズNo.268『デジタル人材の能力開発・キャリア形成に関する調査研究
―「デジタル人材」「IT人材」をめぐる先行研究等のレビューに基づく考察・検討―』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/268.html

◇資料シリーズNo.267『過重負荷による労災認定事案の研究 その4』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/267.html

◇DP23-02『業務の男女差と男女間賃金格差の関連―個人レベルのタスクスコアを用いた一考察―』
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2023/23-02.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆2023年度・第72回東京労働大学講座 総合講座(5月開講、オンライン開催)受講者募集中!

 「人事管理・労働経済」「労働法」の2部門で、現代の労働問題を学習するのに
最適なトピックス31課目を精選して開講します。講師陣には当該分野の第一人者を
網羅し、各学問分野の理論・視点から労働市場の現状や課題、労働問題などについて
講義します。

開講期間:2023年5月9日(火曜)~8月31日(木曜)(31講義日、2試験日)
開催方式:オンライン開催(ライブ配信)
配信方法:Zoomウェビナー利用
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
     オンデマンド受講ではありません。各講義1回だけの配信となります。
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

☆『労働関係法規集2023年版』 発売中!

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2023年版では、「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を
超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」「女性の職業生活における活躍の推進
に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」等を新たに収録するとともに、
「職業安定法」「職業能力開発促進法」「障害者の雇用の促進等に関する法律」
「雇用保険法」等の改正法令を収録しています。
【B6判変型 1,188頁 定価1,980円(本体1,800円)3月27日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

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【行政】
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●労働者協同組合の設立状況を公表/厚労省

 厚生労働省は3日、労働者協同組合法の施行(2022年10月1日)から半年が経過した
時点での労働者協同組合の設立状況を公表した。計34法人が設立され、荒廃山林を整備した
キャンプ場の経営、葬祭業、成年後見支援、家事代行、給食づくり、高齢者介護など様々な
事業に取り組んでいることなどを紹介している。労働者協同組合は、労働者が組合員として
出資し、その意見を反映しつつ自ら事業に従事することを基本原理とする組織。地域の多様な
ニーズに対応することが期待されている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32442.html
(労働者協同組合の設立状況)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001079767.pdf

●「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」を継続設置/厚労省

 厚生労働省は3日、トラック運転者の長時間労働改善に向けて2022年8月1日に設置した
「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」を令和5年度も継続して設置する
と発表した。同センターでは、荷主企業からの作業環境改善に関する相談や、運送事業者
からの労務管理や作業環境の改善に関する相談に対応する。2024年4月から、トラック運転者の
時間外労働の上限が年間960時間となることや、それに伴う「改善基準告示」の見直しに
ついても広報している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32399.html
(自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト)
https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/consultation

●2023年度の雇用関係助成金パンフレットと支給要領を公表/厚労省

 厚生労働省は、2023年度版「雇用・労働分野の助成金のご案内」(簡略版、詳細版)
を公表した。年度ごとに改定するもので、いずれも4月1日付。雇用の安定、職場環境の
改善、仕事と家庭の両立支援、従業員の能力向上などに関する雇用関係助成金と、
生産性向上等による賃金、労働時間の改善や安全衛生の確保・向上の取り組み等に関する
労働条件等関係助成金に分けて紹介している。
(簡略版)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000758206.pdf
(詳細版)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000763045.pdf

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【統計】
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●実質賃金前年同月比2.6%減少、11カ月連続のマイナス/毎勤統計調査2月速報値

 厚生労働省は7日、2月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)
を公表した。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.1%増の27万1,851円、
うち一般労働者が同1.3%増の35万3,050円、パートタイム労働者が同3.9%増の
9万9,030円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金では、
前年同月比2.6%減。実質賃金の減少は11か月連続となった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2302p/dl/pdf2302p.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2302p/2302p.html

●二人以上世帯の消費支出、前年同月比1.6%増/2月家計調査報告

 総務省は7日、2月の「家計調査報告」を公表した。二人以上世帯の1世帯
当たりの消費支出は、実質で前年同月比1.6%増、前月比(季節調整値)2.4%減
の27万2,214円。支出項目別でのマイナス寄与は、交際費の「その他の消費支出」
(マイナス1.05%)、授業料、補習教育などの「教育」(マイナス0.62%)。
プラス寄与は光熱・水道(1.61%)など。勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、
1世帯当たり実質で55万7,655円(前年同月比0.8%減)。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

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【労使】
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●連合および労働組合のイメージ調査/連合

 連合は6日、連合・労働組合の認知度や連合に対するイメージ把握を目的に実施した
「連合および労働組合のイメージ調査」の結果を公表した。労働組合の認知率は90.5%、
10 代では73.0%と若い世代ほど認知率が低い。連合の認知率は56.6%で、女性49.4%、男性63.8%
と女性の認知率が低かった。「連合は身近な存在だと思う」は連合認知者の35.1%だった。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20230406.pdf?4608

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【動向】
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●国内景気は4ヵ月ぶりに改善、アフターコロナに向けた動きが加速/民間調査

 帝国データバンクは5日、TDB景気動向調査(2023年3月調査)結果を発表した。
景気DIは前月比1.8ポイント増の43.9となり、4か月ぶりに改善した。業界別では
4か月ぶりに全業界で改善し、「運輸・倉庫」「小売」「サービス」などで大きく改善した。
地域別では5か月ぶりに全地域で改善、規模別でも「大企業」「中小企業」「小規模企業」が
4か月ぶりにそろって改善した。懸念材料はあるものの人出増加に伴う消費活動がけん引し、
上向きに転じたとしている。今後については、原材料価格高騰など下振れ要因はあるものの、
おおむね横ばい傾向で推移するとみている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/k230401.html
(詳細)
https://www.tdb-di.com/economic-trend-survey/ets202303.php

●アルバイトの採用活動実施率・個人の求職活動率は前年同時期比で増加/民間調査

 マイナビは7日、全国の企業、個人を対象に実施した「非正規雇用市場における
採用・求職動向レポート(23年1-2月)」の結果を発表した。アルバイトにおける
企業の採用活動実施率・個人の求職活動率はともに前年同時期比で増加し、求職活動を
実施する理由は、「生活費のため」が前年比で大きく増加した。コロナ5類移行後に
就業・求職意欲が増えると回答した人は26.8%。コロナ5類移行後に希望する職種では、
「警備・清掃・ビル管理」など、コロナ禍により求職意欲が減少していた職種が上位に
きた。非正規社員の増加予定数が最も多い業種は「飲食・宿泊」で約5割強となった。
https://www.mynavi.jp/news/2023/04/post_38354.html

●女性管理職比率、30%以上の企業は約1割/民間調査

 エン・ジャパンは5日、従業員数300名以下の企業対象の「企業の女性活躍推進」
調査結果を発表した。女性管理職比率「30%以上」の企業は約1割で、女性管理職比率
「5%以下」の企業が6割以上。女性活躍推進法に関する各種義務化、「対応完了」企業は
1割未満。取り組んで良かったことのトップは「企業のイメージアップにつながった」(28%)
で、次いで「産休・育休取得者が増えた」「職場風土の改善につながった」(同率24%)となった。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/32507.html

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【企業】
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●育休復職支援金など「ファミリーサポートプラス制度」を導入/セガ

 株式会社セガは3日、「ファミリーサポートプラス制度」を今年7月より導入
すると発表した。同社には育児短時間勤務や企業内保育園、ベビーシッター利用
費補助等の制度があるが、さらに育児・介護時の柔軟な働き方を支援するため、
(1)出産・子育て支援金制度(出産一人につき30万円支給)の拡充、(2)育休復職支
援金制度(通算10日以上取得の場合20万円支給)、(3)遠隔地でのリモート就業制度、
(4)介護相談窓口を新たに導入するとしている。
 なお同社は、報酬制度の改定にも着手し、今年7月から従業員の平均月額給与を
30%程度引き上げる方針を今年2月に打ち出している。
https://www.sega.co.jp/release/230403_1.html?year=2023&category=2&page=1
(報酬制度改定のプレスリリース/2月)
https://www.sega.co.jp/release/230217_1.html?year=2023&category=2&page=1

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【海外】
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●フォーカス/JILPT

<フランス>
▽「フランスの失業保険制度」―労使の社会保険と国の雇用政策及び社会的保護のはざまで

 フランスの失業保険制度に関する連載の第2回目では、失業認定、給付、求職者へのサービス
などを担う雇用センターの組織や活動、失業保険制度をめぐる議論や実証研究を紹介したうえで、
日本の雇用保険制度の今後について考えるべきポイントとして、雇用形態の多様化や低賃金労働者
の救済に結びついておらず、制度の土台となる雇用モデルをどう考えるべきかを掘り下げるべきでは
などと指摘している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2023/04/france.html