特集3:連帯制度と早期退職制度
連帯制度の概要
現在のような国の連帯制度が確立したのは1984年のことである。1980年代初め、経済政策をめぐる混乱から成長は落ち込み、失業は爆発的に拡大し、とりわけ長期失業者の伸びはとどまるところを知らなかった。その結果、失業保険制度と連帯制度とを明確に分離する方向へと圧力が高まり、1984年に制度改革がなされた。以降、失業者の救済は、保険料を財源としてUNEDICにより運営される失業保険制度と、国の予算によってまかなわれる連帯制度との2本立てになった。
連帯制度が対象とするのは、失業保険制度から徐々に押し出される求職者である。失業期間が長引くと、失業保険手当は徐々に減額され(注1)、やがて給付期間が終了してしまう。その後に失業者を救済するのが、国の連帯制度である。
1980年代を通じて、こうして失業保険制度の対象から外れる失業者は増加の一途をたどった。社会的疎外への対処が重要な政治的課題となり、「新しい貧困(nouveau pauvre)」という言葉が生まれ、フランス社会では慈善団体による活動が再活発化した。
1988年に社会参入最低所得(RMI)法が成立したのは、そのような状況を背景としている。連帯制度の一環として導入されたRMI(詳細は後述)は、現在では失業者救済の最終的手段として重要な役割を果たしている(注2)。
連帯制度による各種手当の実際の給付は、失業保険手当の場合と同じく、ASSEDICが担当する。2001年にASSEDICが給付した各種連帯制度手当は約23億8000万ユーロで、失業保険手当給付総額の13%に相当する。
注
- すでに見たように、2001年の新失業保険協定以前は、失業保険手当は漸減性であった。
- 1999年において、雇用省は、RMIは全求職者の約10%を救済していると見ている。
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