工商聯が憲法における私有財産保護の明記を提案
2002年3月の全人代の開催期間中に、民間企業経営者の全国組織である全国工商聯が、全人代に対して、憲法に私有財産保護の明記を提案した。工商聯の提案は主に三つの内容が含まれている。1憲法において、国家が私有財産を保護するという内容を明確にする。いかなる組織や個人も、個人の私有財産を侵害してはならない。2憲法の中に、個人、企業や社会団体・法人などの組織財産権を保護するという内容を追加する。3憲法において、企業などの組織や個人の私有財産に対する国有化や徴収の実行の有無を明確化し、実行がある場合、その条件や賠償の実施を明確にすべきである。
工商聯の指摘によれば、現行の憲法は、国家が国民の合法的財産の所有権を保護するという記述に止まっており、保護の範囲は小さすぎる。また、国家や集団の財産への侵害の禁止という内容があるものの、国民の私有財産については同様な内容が記述されていない。
工商聯の指摘によれば、改革開放後、中国はすでに個人経営体、私有企業主、民営ハイテク企業の創業者などの新しい社会階層が誕生している。しかし、現行の憲法は個人の私有財産の保護についてまだ内容的に不十分なので、これらの新しい階層は、国家政策に対してまだ疑いがあり、そのため、企業経営の短期化、資本の移転および私有資産の侵害などの社会問題を招いた。
統計によれば、2000年末までに、国民経済の中では、私有経済はすでに33%を占めるようになり、毎年の工業生産の60%が私有企業によって達成されている。中国では、現在、150万社を超える私営企業と3000万におよぶ個人経営体は、それぞれ2000万人と6000万人以上の従業員を雇用しており、雇用機会の増加に大きく貢献をしている。
全人代の法制委員会は、2001年からすでに憲法修正の研究をスタートしており、工商聯の提案内容は、2003年の憲法修正案に盛り込まれる見込みである。
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