大慶:2万人の失業労働者が抗議デモク

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年5月

2002年3月はじめに、中国最大の石油産地である東北の大慶で、2万人規模のレイオフ・失業労働者による抗議デモが発生した。事件のきっかけは、大慶石油管理局が、「下崗」(レイオフ)労働者を対象とする新しい養老保険と医療保険の計画を発表したことである。新計画によれば、労働者の保険納付費用は大幅に上昇し、最も多い保険では、年間1万元の納付が必要とされる。労働者は保険費を納入すれば、生活が厳しくなることは必至である。しかし、保険費を納付しないと、将来の養老保険と医療保障を失うこととなる。

大慶は、典型的な伝統的大手国有企業であり、従業員と定年退職者を合わせて28万人を抱えている。そのうち、レイオフ労働者と定年退職者は7万人にも及んでいる。デモは年に1度の全人代開催期間中に発生したため、当局は、労働者との協議によって事件の沈静化を図った。

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