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第74回(最新)

職場における感染防止をめぐる法政策─ドイツにおけるコロナ労働保護規則の変遷を追う

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労働法・労使関係部門 主任研究員(労働法専攻) 山本 陽大

2020年初頭以降における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行(パンデミック)を契機として、ここ数年の間、各国の労働政策においてはコロナ危機への対応が中心となっている。このような政策領域は非常に多岐にわたるが、おおまかにいえば、コロナ禍に起因する事業縮小や休業時の雇用保障・所得保障(フリーランスに対するものを含む)に関するものと、テレワークの実施をはじめとする職場における感染の防止に関するものとに区分することができよう。そして、日本では、これらのうち前者の領域については、雇用調整助成金の要件緩和や助成率の引上げ、新型コロナウイルス対応休業支援金あるいは小学校休業等対応助成金の創設等が、雇用保険関係法令の改正等によって実施されており、まさに立法政策による対応が図られている。一方、後者についてみると、日本では、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室によって、各業界団体が策定した業種ごとの感染拡大予防ガイドラインが整理されているほか、厚生労働省がHP上で、各職場の安全衛生委員会等に対して感染拡大防止のためのチェックリストを提供し、あるいは職場における感染防止対策の実践例を示すといった対応を行っているものの、総じて立法政策上の動きは低調となっている。全文を読む

2022年9月7日(水曜)掲載