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第87回(最新)

失業者の心理と社会システムをつなぐアプローチ─研究双書『失業の心理学』から見えるもの─

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特任研究員 榧野 潤

2025年3月に、研究双書『失業の心理学─失業から再就職への橋渡し─』を上梓した。本書は、失業者が直面する心理的課題と再就職への道筋を体系的に検討した書である。本稿の目的は、本書を貫く問題意識と主要概念を整理し、読者が全体像を俯瞰できる見取り図を提示することにある。その問題意識は、失業によって損なわれた労働者の自立性(self-reliance)をいかに回復するか、そして、その根底にある、雇用関係における力の不均衡という社会システム上の課題をいかに克服するかの二点に集約される。全文を読む

2025年6月4日(水曜)掲載