「10年間で100万人の組織化を」
 ―AFL-CIO大会でシューラー会長

カテゴリー:労使関係

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  • 国別労働トピック:2022年7月

AFL-CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)は6月12~15日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで定期大会を開いた。エリザベス(リズ)・シューラー会長、フレッド・レドモンド財務担当書記らの執行部をあらためて選出。労働者の組織化に優先して取り組む決議などを採択した。シューラー会長は「今後10年間で100万人の労働者を組織化する」との目標を発表している。

「トラムカ氏後継」の執行部を信任

大会は4年に1度開かれるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期されていた。この間、2021年8月にトラムカ前会長が死去。ナンバー2のポストである財政担当書記を務めていたシューラー氏が、加盟労組の代表者らで構成する執行評議会により、今回の定期大会までを任期とする新会長に選出されていた(注1)。大会で対立候補はなく、シューラー氏が「再選」した。トラムカ体制を引き継ぐ執行部が、加盟労組によりあらためて信任を得た形だ。

「10年間で100万人組織化」を表明

大会は「組織化のペースと規模を拡大するための労働者の力の構築」に関する決議を採択した(注2)。決議書は労働者をとりまく環境について「働く者たちの闘う力が高まり、ストライキが増え、新しい産業の労働者が組織化され、ファストフードからハイテクに至る労働者が抗議活動を行っている。パンデミックと人種的正義をめぐる経験は、多くのアメリカ人が感じている信頼の欠如を明らかにし、組織化の復活をお膳立てした」と指摘する。

こうした情勢に対応するための戦略として、以下の方針を掲げた。

  1. 組織化のペースと規模を拡大するために、各労組のリーダーによる会合を継続する。
  2. すべての活動において、労働者の組織化の取り組みを優先する。
  3. 特に若年者、女性、黒人および先住民、有色人種、南部、再生可能エネルギーやハイテク産業を含む新興セクターの労働者らの行動を支援する。
  4. 地域(コミュニティ)や環境、移民の権利、人種的正義、女性、LGBTQ +(性的少数者)、労働者の権利、宗教などの支援団体とのパートナーシップを築き、働く人々の正義を推進するという共通の目標の達成をめざす。
  5. より多くの労働者を積極的な組織化キャンペーンに参加させ、団結権保護法(Protecting the Right to Organize Act、PRO法)や公共部門交渉自由化法(Public Service Freedom to Negotiate Act)の制定を求める(注3)
  6. 労組の結成やストライキを行う労働者を支援するための基金の維持を奨励する。
  7. アマゾン社を含む最近の組織化キャンペーンを踏まえ、複数の労組の協力によるすべての労働運動を奨励する。
  8. 組織化や団体交渉等を行う労働者が、法律事務所やコンサルタント(ユニオンバスター)への対策に力を費やさなくてもすむよう、その努力を支援する。

シューラー氏は大会で「今後10年間で100万人の労働者を新たに組織化する」との目標を発表した(注4)。その実現のため、「組織化変革センター(Center for Transformational Organizing、CTO)」を立ち上げ、優秀なオルグなどの人材を集めることや、前例のないキャンペーン活動の展開を訴えている。

参考資料

  • ブルームバーグ、ニューヨークタイムズ、AFL-CIO、各ウェブサイト

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