労働契約制度が全国で確立

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年2月

1994年に「労働法」が公布されてから、「労働法」の中心である労働契約制度は次第に全国で実施されるようになった。1996年末までに、都市部の国有企業、集団所有制企業および外国投資企業のほとんどが、労働契約の締結を通じて、労働者との間に雇用関係を確立した。1999年末に、全国都市部国有企業、集団所有制企業および外国投資企業で労働契約を締結した従業員は、それぞれ7611万2000人、2833万人、294万人に達しており、全体では1億738万2000人で、労働契約の締結率は98.3%に達した。労働行政部門は、今後数年間、私営企業、農村部郷鎮企業および個人経営体に対して、労働契約の締結についての行政指導を強化したい意向を示した。都市部私営企業、個人経営体および農村部の集団所有制企業では、労働契約を締結した従業員は、それぞれ612万人、447万人、2326万1000人に達しており、そのうち、河北省、山西省、吉林省、山東省および河南省など10の省と市では、農村部の集団所有制企業でも、労働契約の締結率は90%に達した。

労働契約締結のこれまでの問題として、一部の企業側がなるべく契約を短期化する、もしくは契約締結を避ける傾向にある。また、一部の企業は、契約を締結したものの、契約に定められた義務を履行せず、甚だしい場合には、勝手に契約を解除する企業もある。企業内の制度が法に沿っていないため、労働者には契約の中止、解除の権利が法的に保障さ れているにもかかわらず、企業側が受け入れない事例もしばしば報告されている。逆に、国有企業の場合、まだ一部の従業員がかつての終身雇用時代の意識が強く、契約期限になっても契約の終了ができないこともある。

労働保障部は、国有、非国有を問わず、すべての企業に契約制が導入され、雇用制度が市場メカニズムにしたがって運営されることを最終目的として、現在、「労働契約法」の作成を急いでいる。

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