WTO加盟が国内労働市場に与える影響

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年2月

1999年末に、米中間の閣僚交渉が合意に漕ぎ付き、中国のWTO加盟はついに秒読みに入った。加盟は中国経済と国際経済の一体化を加速させ、双方に利益をもたらすと同時に、短期的にみれば、中国の産業や労働に衝撃を与えることも予想されている。中国国際人材発展交流協会と国際労働就業機関との共同調査によると、中国はWTO加盟後に、毎年、国内総生産は3%、即ち300億ドル余増加する。国内総生産が1%増加すれば、400万の就業チャンスが増えるとみて計算すると、加盟後に、中国では1200万の就業チャンス増加が見込まれる。国務院発展研究センターの研究者は、WTO加盟後、短期的に国内産業は大きな打撃を受けるに違いないが、長期的にみると、服飾や玩具製造などの労働集約部門では成長が見込まれ、雇用も増える一方で、農業や資本集約型産業は大きな打撃を受け、労働力の再配分を迫られると見ている。北京市人材サービスセンターの予測によれば、WTO加盟後に、需要が供給を上回る人気職種として、コンピュータ技術者、経営管理者、不動産管理業者、会計士、弁護士、金融保険業者、教師及び外国語観光ガイドなどが挙げられている。新華通信社は、専門家試算によるWTO加盟7年後の就業構造変化の見通しを発表した。

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