職業技能検定試験問題データベースがスタート

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年10月

中国では1999年7月末に職業技能検定の国家試験問題データベースが正式にスタートし、現段階では最初に社会的通用性の高い旋盤工、機械工、中華占心職人など50職種の技能検定問題を備え、今後、これらの職種に関して国家試験問題データベースから統一的に問題を抽出し試験を行うこととなった。職業技能検定とは、職業技能基準に従い、労働者の技能水準と職業資格に対して評価と認定を行うことである。労働者がうける職業技能試験は国家試験であり、具体的には知識試験と操作技能試験の二部からなっており、100点満点の採点となっている。

近年、中国社会では労働者の職業技能に対する要求が日増しに高まって来たが、各レベルの職業技能検定機構は試験と問題作成において多くの困難を抱えている。例えば、業種間、地域間の試験内容や問題の質がばらばらであり、試験問題は厳格さや科学性等を欠いており、職業技能検定の正常な運営に支障を来している。国家が公布する職業資格証書の権威、職業技能検定業務の質を確保するために、労働社会保障部は職業技能試験の問題作成、試験業務、判定スタッフの資格、職業技能検定所の設立条件、証書授与などの制度統一を図った。

職業試験の技能検定業務の質を向上させるために、労働社会保障部は、数千名の専門家を集め、5年間をかけて職業技能検定の国家試験問題データベースを開発した。最新のコンピュータ技術の応用によって、国家試験問題データベースに保存されている試験問題は、必要に応じて随時に組み合わされ問題用紙を作成することができるようになっている。試験問題データベースの管理ソフトの操作規則によって、職業技能検定の試験期間の柔軟性に対応しており、また試験期間の分散化による問題漏洩を防ぐこともできる。国家試験問題データベースの確立は、職業技能検定の規範化と科学性をもたらし、その公正さと権威を保つこともできる。

政府労働管理部門の計画としては、最終的に国のデータベースと各業種、各地域の端末データベースによって国家試験問題データベースのネットワークを確立し、あらゆる職種をカバーする職業技能検定制度を設けることである。

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