メールマガジン労働情報 No.1695

■□――【メールマガジン労働情報/No.1695】

経済の基調判断、「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」で据え置き/6月・月例経済報告 ほか

―2021年6月30日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】経済の基調判断、「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」で据え置き/6月・月例経済報告 ほか
【統計】5月の完全失業率3.0%、前月比0.2ポイント上昇/労働力調査 ほか
【労使】相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多/連合「労働相談ダイヤル」(5月) ほか
【動向】「雇用調整助成金」、上場企業全体の2割超が申請/民間調査
【海外】社会保障会計の赤字拡大―コロナ禍による影響で債務償還期限を延長/フランス ほか
【イベント】第6回大会「わが国の働き方を見据える―新たな働き方の充実に向けて」/労働時間日本学会

※本号の記事見出し・リンク先一覧です。
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/list/mm20210630.html

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズ No.239『コロナ禍における諸外国の最低賃金引き上げ状況に関する調査
─イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、韓国─』

 イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、韓国の5カ国を対象に、コロナ禍における
最低賃金の引き上げ状況について情報収集を行いました。その結果、いずれの国においても、
労働市場や経済状況を考慮しつつ、各国の事情に応じた要素を加味しながら最低賃金の
引き上げを実施していることなどが明らかになりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2021/239.html

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【JILPTからのお知らせ】
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◇ブックレット『テレワーク コロナ禍における政労使の取組』を刊行しました!

 本書は、各種調査結果や情報収集の研究成果を活用して取りまとめた
「テレワークの労働法政策」と「テレワークの現状と今後」という2つの
レポートにより、注目の高まっているテレワークに関する現状と課題を
提示しています。
【A4判89頁 定価:1,100円(本体1,000円)6月3日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/02.html

☆『労働関係法規集2021年版』発売中!

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2021年版では「公益通報者保護法」「労働者災害補償保険法」
「雇用保険法」等の改正のほか、「労働者協同組合法」「新型コロナウイルス感染症等の
影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律」等を新規収録しています。
【B6判変型1,070頁 定価:1,650円(本体1,500円) 3月25日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

☆『団結と参加 労使関係法政策の近現代史』発売中!

―世界の集団的労使関係法制の歴史をコンパクトにまとめた学術的テキスト―
 労働分野では個別労働関係に関わる研究が圧倒的な日本。しかし、世界に目を転じると、
今なお集団的労使関係法制の存在感は大きく、その改定が政治的対立の焦点になっています。
本書は世界の集団的労使関係の歴史を法的視点から改めて見直し、新たな捉え方、考え方を
示唆する1冊です。
【A5判320頁 定価:3,850円(本体3,500円) 3月31日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/danketsusanka.html

◇ブックレット『新型コロナウイルスと労働政策の未来』発売中!

 本書は、昨年8月20日に開催された東京労働大学特別講座「新型コロナウイルスと
労働政策の未来」の内容を、関連する背景資料と併せてブックレットとして
とりまとめたものです。
【A5判134頁 定価:1,100円(本体1,000円) 12月21日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/01.html

◇『日本労働研究雑誌』2021年7月号発売中!
 [特集]ライフキャリアとサードプレイス
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2021/07/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2021年7月号発売中!
 「コロナ禍での春闘」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2021/07/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2021年7月号を刊行!
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

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【新型コロナウイルス感染症関連情報】
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☆新型コロナウイルス感染症関連情報

 JILPTでは、「新型コロナウイルス感染症関連情報」のホームページを開設し、
緊急コラムや新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(国内統計、国際比較統計)、
個人と企業を対象とした連続パネル調査の結果とその二次分析などについて掲載しています。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

 ▽最近の更新情報(6月30日更新)
  国内統計:雇用形態別雇用者数
  https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c21.html

新型コロナウイルス感染症関連情報の英語版はこちら
https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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【図書館だより/JILPT労働図書館】
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●労働図書館新着情報(2021年7月の図書紹介)

 JILPT労働図書館で受け入れた主な新着図書をコメント付きで紹介します。
・木下 武男著『労働組合とは何か』岩波書店
・野田 実希著『「働くわたし」を失うとき』京都大学学術出版会
https://www.jil.go.jp/lib/tayori/2021/202107/index.html

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【行政】
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●経済の基調判断、「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」で据え置き/6月・月例経済報告

 政府は24日、6月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は「依然として厳しい
状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」で
据え置き。個別の業況判断では、雇用情勢は「弱い動きとなっているなかで、
雇用者数等の動きに底堅さもみられる」で据え置き。先行きについては、
「ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、
持ち直しの動きが続くことが期待される」とする一方、「感染の動向が内外経済に
与える影響に十分注意する必要がある」としている。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2021/0624getsurei/main.pdf
(関係閣僚会議資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2021/06kaigi.pdf

●雇用の分野における障害者差別等に関する相談件数は微減/厚労省

 厚生労働省は25日、都道府県労働局や公共職業安定所における「雇用の分野
における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績」を公表した。
2020年度の障害者差別及び合理的配慮に関する相談は246件(対前年度比3.1%減)、
うち障害者差別に関する相談は69件(同8.0%減)、合理的配慮の提供に関する
相談は177件(同1.1%減)。一方、労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は
12件と前年度の3件から増加、障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は
5件と前年度の13件から減少。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19452.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000797564.pdf

●ハローワークを通じた障害者の就職件数、コロナの影響もあり大幅に減少/厚労省

 厚生労働省は25日、2020年度「障害者の職業紹介状況等」を公表した。
ハローワークを通じた障害者の就職件数は8万9,840件で、前年度比12.9%の減
となり、2008年度以来、12年ぶりの減少。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、
「製造業」、「宿泊業・飲食サービス業」、「卸売業・小売業」などの
障害者が比較的応募しやすい業種の求人数が減少するとともに、求職者の
就職活動が抑制されたことが、就職件数の減少につながったとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19443.html

●「裁量労働制実態調査」の結果を公表/厚労省

 厚生労働省は25日、「裁量労働制実態調査」結果を公表した。裁量労働制の
適用労働者がいる適用事業場における1カ月の労働時間は平均(1人当たり)は
171時間36分、1日の労働時間の平均は8時間44分、1カ月の労働日数の
平均(同)は19.64日。非適用事業場における1カ月の労働時間の平均(同)は
169時間21分、1日の労働時間の平均は8時間25分、1カ月の労働日数の
平均(同)は20.12日。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19508.html

●石綿による疾病に関する労災保険給付の請求・決定件数、いずれも減少/厚労省

 厚生労働省は25日、「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」
の速報値を公表した。2020年度分の「労災保険給付」の請求件数は1,088件(石綿肺を除く)、
支給決定件数は1,014件(同)で、請求件数・支給決定件数ともに、前年度と比べると、
やや減少した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19199.html
(疾病別・都道府県別の請求・決定状況ほか)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000792311.pdf

●「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」の中間取りまとめを公表/厚労省

 厚生労働省は28日、「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」の中間取りまとめを公表した。
外国人雇用対策の在り方として、「我が国労働市場への外国人労働者の包摂の状況や国際的な
労働移動を適切に把握し、エビデンスに基づいた外国人雇用対策を講じるべき」、
「日本と母国の文化ギャップの克服や、専門的・技術的分野の外国人労働者の長期キャリア
を前提とした就労環境を整備していくべき」、「外国人雇用対策は、我が国の雇用や
労働市場の質を向上させるという積極的な視点をもって推進するべき」などの方向性が
示された。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19426.html

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【統計】
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●5月の完全失業率3.0%、前月比0.2ポイント上昇/労働力調査

 総務省は29日、2021年5月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表した。
完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月に比べ0.2ポイントの上昇。
完全失業者数は211万人(前年同月比13万人増)で、16カ月連続の増加。
就業者数は6,667万人(同11万人増)、雇用者数は5,950万人(同30万人増)で、
ともに2カ月連続の増加。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
(概要)
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●5月の新規求人、「製造業」は前年同月比約30%増/一般職業紹介状況

 厚生労働省は29日、「一般職業紹介状況」を公表した。2021年5月の有効求人倍率
(季節調整値)は1.09倍で、前月と同水準。新規求人倍率(同)は2.09倍で、
前月比0.27ポイント上昇。新規求人(原数値)は、前年同月比で7.7%増。
産業別では、製造業(30.3%増)、生活関連サービス業・娯楽業(21.7%増)、
サービス業(他に分類されないもの)(15.8%増)などで増加、卸売業・小売業
(5.3%減)で減少。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19412.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000795728.pdf

●要介護(要支援)認定者数は約684万人/4月介護保険事業状況報告

 厚生労働省は29日、「介護保険事業状況報告」(2021年4月暫定版)を公表した。
2021年4月末現在、要介護(要支援)認定者数は684.2万人で、うち男性217.0万人、
女性467.3万人。第1号被保険者(3,581万人)に対する65歳以上の認定者数の割合は
約18.7%。
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/dl/2104a.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/2104.html

●日本の人口、5年で86万8千人減少/国勢調査

 総務省は25日、2020年国勢調査の人口速報集計結果を公表した。2020年10月1日現在の
我が国の人口は1億2,622万7千人で、2015年の前回調査から86万8千人(0.7%)減少。
38道府県で人口が減少し、人口増加は、東京都、神奈川県、埼玉県など9都府県。
東京圏(東京都と神奈川、埼玉、千葉の3県)で人口の約3割(29.3%)を占めた。
1世帯当たり人員は2.27人で減少が続いている。
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka.html
(要約)
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/summary.pdf
(概要)
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline.pdf

●海外現地法人の従業者数、8期連続の減少/経産省調査

 経済産業省は25日、2021年1~3月の「海外現地法人四半期調査」の結果
を公表した。3月末の日本企業の海外現地法人の従業者数は415.7万人で、
前年同期比3.3%減、8期連続の減少。売上高(全地域合計)は3,005億ドル。
地域別にみて構成比の高いアジア(構成比53.0%)は、中国の輸送機械等が
増加に寄与し、前年同期比15.1%増、2期連続の増加。
https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210625006/20210625006.html
(結果の概要)
https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210625006/20210625006-3.pdf

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【労使】
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●相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多/連合「労働相談ダイヤル」(5月)

 連合は17日、「なんでも労働相談ダイヤル」2021年5月分集計結果を発表した。
受付件数は1,113件で、前年同月比356件減。業種別では「サービス業
(他に分類されないもの)」(158件・20.3%)が最多。主な相談内容は、
「パワハラ・嫌がらせ」(194件・17.4%)が最多、次いで「解雇・退職強要・
契約打切」(129件・11.6%)、「雇用契約・就業規則」(124件・11.1%)など。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/soudan_report/data/202105.pdf

●大企業の夏季ボーナス、前年比7.28%減/経団連第1回集計

 経団連は25日、大手企業の2021年夏季賞与・一時金(ボーナス)の業種別妥結状況
(第1回集計)を発表した。調査対象の57.0%にあたる143社で妥結。このうち平均額
不明などの39社を除く104社の平均妥結額(加重平均)は、前年比7.28%減の84万1,150円。
業種別で減少率が最も大きかったのは「自動車」で、10.76%減の87万9,626円。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/060.pdf

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【動向】
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●「雇用調整助成金」、上場企業全体の2割超が申請/民間調査

 東京商工リサーチは24日、第7回上場企業「雇用調整助成金」調査結果を発表した。
上場企業のうち、5月末までに開示された決算資料で同助成金を計上・申請が
判明したのは770社で、上場企業全体(3,797社)の20.2%。前回調査(4月末)
から54社増え、2020年11月に調査を開始以来、前月比で最も高い伸び率となった。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210624_03.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<フランス>
▽社会保障会計の赤字拡大―コロナ禍による影響で債務償還期限を延長

 連帯・保健省は2021年3月15日、2020年の社会保障会計の赤字総額が386億ユーロに達し、
前年の19億ユーロから大幅に拡大したことを発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う
公衆衛生と経済の危機に対処するため、2020年12月に国会で成立した2021年社会保障予算法
において想定した490億ユーロほどは大きくなかったものの、史上最大の赤字を記録した。
これまでの最大の赤字は、2008年の金融危機の影響による2010年の280億ユーロであったが、
2020年の赤字はそれを大きく上回った。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2021/06/france_01.html

<韓国>
▽COVID-19で悪化した若年者の雇用危機対策

 政府は3月3日、COVID-19で悪化した若年者の雇用環境を改善するため
「若年者雇用活性化対策」を発表した。3月25日に可決された2021年度第一次補正予算
でも若年者の雇用支援予算を増額し、雇用創出や就業支援、職業訓練を通じた就業能力の
強化等の対策を行う。また、4月1日には2021年の若年者政策施行計画を発表した。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2021/06/korea_01.html

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【イベント】
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●第6回大会「わが国の働き方を見据える―新たな働き方の充実に向けて」/労働時間日本学会

 労働時間日本学会は7月30日、第6回大会をオンラインで開催する。
テーマは「わが国の働き方を見据える―新たな働き方の充実に向けて」。
第2部のシンポジウム「新たな働き方を充実させるには」では、当機構の
高見研究員が「今後のテレワーク―展望と留意点」について報告する。
参加費無料。
https://square.umin.ac.jp/wtjs/index.html