資料シリーズNo.239
コロナ禍における諸外国の最低賃金引き上げ状況に関する調査
―イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、韓国―
概要
研究の目的
本調査は、厚生労働省の要請に基づき、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、韓国の5カ国を対象に、コロナ禍における最低賃金の引き上げ状況について、以下の項目を中心に情報収集を行った。
- -最低賃金制度の概要、決定方法
- -コロナ禍における直近の引き上げと議論
(時期、引き上げ額(率)、影響率、引き上げの根拠(政府方針、統計等)、引き上げに対する労使の反応、最低賃金額の周知・広報、議論の状況、今後の方向性)
研究の方法
文献サーベイ
主な事実発見
- アメリカは、全国一律の連邦最低賃金と地域別最低賃金(州・市・郡)が併存している。イギリス、フランス、ドイツ、韓国の最低賃金は、全国一律となっている。
- アメリカは労使による最低賃金委員会等はない。イギリス、フランス、ドイツ、韓国では、労使等で構成される委員会において最低賃金の引き上げに関する話し合いが行われている。
- 2020年に世界で急拡大した新型コロナウイルス禍の中で、いずれの国においても、労働市場や経済状況を考慮しつつ、各国の事情に応じた要素を加味しながら最低賃金の引き上げを実施していることが明らかになった。
出所:連邦労働省ウェブサイトより作成
出所:韓国最低賃金委員会ウェブサイト
政策的インプリケーション
最低賃金の適正な水準、引き上げに関する考え方は多様であり、各国の実状に合わせた決定がなされている。
政策への貢献
「目安制度の在り方に関する全員協議会」において、諸外国に関する議論を行う際に提出する資料(比較表を想定)として活用予定。
本文
研究の区分
情報収集
研究期間
令和2~3年度
執筆担当者
- 樋口 英夫
- 労働政策研究・研修機構調査部主任調査員補佐 第1章
- 北澤 謙
- 労働政策研究・研修機構調査部主任調査員補佐 第2章
- 飯田 恵子
- 労働政策研究・研修機構調査部主任調査員 第3章、調査の概要
- 石井 和広
- 労働政策研究・研修機構調査部主任調査員補佐 第4章
- 大島 秀之
- 労働政策研究・研修機構調査部次長 第5章
(2021年6月時点)