企業の社会的責任(CSR):概要2
GRIの持続可能性報告書ガイドライン
- カテゴリー:雇用・失業問題
- フォーカス:2006年2月
オランダに本部を置くNGOのグローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)は、企業の持続可能性報告書(サステナビリティー・レポーティング)のガイドラインを策定する活動を行っている。GRIは、米国のNGOのセリーズ(CERES=Coalition for Environmentally Responsible Economies)(「環境に責任を持つ経済のための連合」)と国連環境計画(UNEP)が中心となって、持続可能性報告書の品質、厳密さ、利便性の向上を目的に1997年秋に設立された。企業、NGO、会計士団体、投資家機関、労働組合などの多様なステークホルダーの支援を受けながら、全世界で適用可能な持続可能性報告書ガイドラインの作成に取り組み、2000年6月にガイドライン(第1版)を、2002年に改訂版(第2版)を発行した。ガイドライン(第2版)は、持続可能性報告書に記載すべき情報に関し、環境、経済、社会の3分野における指標(必須指標、任意指標の2段階から成る)を盛り込んでいる。社会分野の指標は、労働慣行、人権、社会の3つのカテゴリーに分類され、ILOなど主要な国際基準と整合性を持つよう工夫されている。
GRIは、現在ガイドラインの改訂作業を進めており、2006年1月には、ガイドライン(第3版)の草案を公表した。労働慣行の分野では、雇用、労使関係、労働安全衛生、教育訓練、多様性および機会均等の5つのカテゴリーにおける合計15の指標を提案している(表2)
参考
- GRI日本フォーラム・ウェブサイト
- GRI「サステナビリティ・リポーティング・ガイドライン2002」
- GRI「Sustainability Reporting Guidelines(Draft) G3 version for public comment」
2006年2月 フォーカス: 企業の社会的責任(CSR)
- 概要1: ヨーロッパとアメリカのCSR展開の背景
- 概要2: GRIの持続可能性報告書ガイドライン
- イギリス: 政府主導によるCSRの積極的展開
- アメリカ: CSR促進をもたらす社会的責任投資(SRI)
- ドイツ: ドイツにおけるCSRの現状-背景にコーポラティズムの伝統
- オランダ: CSR報告書における従業員に関する調査
- デンマーク: 奥行きのある労働市場とCSR