フルタイム労働者の労働時間は35時間を超える

カテゴリー:労働条件・就業環境統計

フランスの記事一覧

  • 国別労働トピック:2009年10月

INSEEが今年7月に発表した報告書によると、2007年のフルタイムの賃金労働者の年間平均労働時間は1680時間で、就業していた期間(ヴァカンスなどを除く期間)の1週間の平均労働時間は39時間24分であった。

本調査は、2007年の全ての週に関する四半期ごとの雇用調査のデータをもとに行われた。調査の対象者は、15歳以上で職に就いており、少なくとも4四半期連続して(1年間)働き、調査回答時にフルタイム労働に就いていた者である。教員については、自宅での労働時間の評価が困難であるという理由により、対象から外している。

2007年では、少なくとも4四半期連続して(1年間)働いた者は約1950万人で、そのうち1630万人がフルタイム労働に就いていた。なお、本調査における「労働時間」とは、雇用調査で回答した者が「申告した時間」を指す。そのため、企業レベルで収集できるより正確な情報に比べ、誤差は生じやすい。また、本調査による「年間労働時間」は、回答者が調査対象週において申告した労働時間数から算出している。

報告書によれば、職種に関係なく、フルタイムの賃金労働者は、祝祭日や各種休暇 (ヴァカンスや傷病休暇等)などのない「通常」の週に、39時間24分を5日間に分けて就労しており、このうち10%は週48時間以上就労している。1週間当たりの所定労働時間を定めずに日数で労働時間を管理する(年間労働日制)管理職は全体の6%で、その1週間の平均労働時間は44.5時間である。このうち29%が週48時間以上働いている。

自営業者などの労働時間は、賃金労働者より大幅に長い。自営業者などの年間労働時間は2560時間、労働日数は271日に及ぶ。また、「通常」の週には平均で5.7日、54時間58分働いている。

表1:2007年のフルタイム労働の賃金労働者及び自営業者等
  賃金労働者 自営業者等
労働時間数 1680時間 2560時間
年間労働日数 212日 271日
一日の平均労働時間 7時間55分 9時間28分
《通常の》週の労働時間数 39時間24分 54時間58分
《通常の》週の労働日数 5.0日 5.7日

(注)範囲:フランス本土。 調査対象週にフルタイムで労働し、少なくとも4四半期連続で職に就いている、教師でない者

情報源:INSEE、2007年第1四半期から第4四半期の雇用調査

En 2007, les salariés à temps complet ont dépassé, en moyenne, les « 35 heures » , Insee Première, no. 1249, INSEE, juillet 2009

賃金労働者の年間労働時間を男女別にみると、男性が1730時間、女性は1600時間である。しかし、パートタイム労働者も含めると、男性は1700時間、女性は1430時間となり、女性の場合270時間もの差が出る。これは、女性にパートタイム労働者が多い (賃金労働者に占めるパートタイム労働者の比率は、女性が31.3%を占めるのに対して、男性では4.1%に過ぎない)ことが影響しているとされる。

表2:賃金労働者の労働時間 (男女別)
  男性 女性
賃金労働者の年間平均労働時間(時間) 1700 1430
パートタイム労働の賃金労働者の割合(%) 4.1 31.3
フルタイム労働の賃金労働者の平均年間労働時間(時間) 1730 1600

(注)範囲:フランス本土。 調査対象週にフルタイムで労働し、少なくとも4四半期連続で職に就いている、教師でない者

情報源:INSEE、2007年第1四半期から第4四半期の雇用調査

En 2007, les salariés à temps complet ont dépassé, en moyenne, les « 35 heures » , Insee Première, no. 1249, INSEE, juillet 2009

フルタイムの賃金労働者の年間労働時間は、男女とも、民間部門の方が、公共部門(公務員など)より100時間程長い。事業所規模では、男性では、規模が小さくなるにつれ年間労働時間が増加しているのに対し、女性ではそうした傾向はない。管理職と非管理職を比較すると、男女共に管理職の方が年間労働時間は長い。特に上級管理職は、現場労働者(ブルーカラー)より、男性で289時間、女性で202時間も長い。また、CDI(期間の定めのない雇用契約)の賃金労働者として就労している者は、男女共に、勤続年数が長くなるにつれて、年間労働時間は短くなる。年齢別では、女性は年齢が上がるにつれ年間労働時間が増加しているのに対し、男性ではそうした傾向はない。学歴別でみると、男性のみ学歴が高くなるほど年間労働時間が長くなる傾向がみられる。

ちなみに、フランスでは2002年以降、企業規模に関わらず、法定労働時間は週35時間となっている。これを基準にパートタイム労働や超過勤務、操業短縮への権利が定められる。最近では、労働時間を年間で管理する措置が発展していることもあり、労働時間を週単位よりも年単位で扱う傾向が強まっている。この場合、年間労働時間制においては1607時間が、年間労働日数制では218日が法定労働時間に相当する。年間労働時間の1607時間というのは、基本的には、週35時間の労働時間に、年間で5週間の有給休暇と平均8日の祝日を加え、さらに「連帯の日(7 時間)」を加えるという計算によるが、実際には各企業がそれぞれの方法で労働時間を配分している。例えば、週37.5時間の労働時間で5週間の有給休暇、年間14日間の労働時間短縮日、あるいは、週39時間の労働時間で5週間の有給休暇、年間24日間の労働時間短縮日ということも可能である。

なお、「連帯の日」というのは、これまで祝日扱いとなっていた「聖霊降臨祭の翌日の日曜日」に労働者が無給で働くことによる増収分を、高齢者介護拡充予算に充てるという制度で、2004年7月に法律で定められた(注1)。民間部門では毎年の労使交渉で、公共部門では関係者間の交渉を通じて、組織の管理部門が「連帯の日」をいつにするか決定するが、労働者はこの交渉の際に、就業日を1日追加する代わりに、労働時間(7時間)を年間で分散することで延長するという方法を選ぶこともできる。

資料:

2009年10月 フランスの記事一覧

関連情報

Adobe Readerのダウンロード新しいウィンドウ PDF形式のファイルをご覧になるためにはAdobe Readerが必要です。バナーのリンク先から最新版をダウンロードしてご利用ください(無償)。Adobe Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合は「閲覧に必要なソフトウェアについて」をご覧ください。