労働法改正案をめぐる論争
―CLAが男女雇用平等法の改革を要請
行政院労工委員会(CLA)は。最近、出産に関するいくつかの法律の改正を提案した。この改正案が成立すれば、全国の労働者の利益を大幅に改善するものとなる。
改正案は、10月26日のCLA会議で採択された。この会議で委員たちは、台湾の出生率向上を図るため、子供を生む国民の利益と権利を拡大する方法を検討した。出生率の向上を目指すことは、今年7月に行政院が主催した台湾経済永続発展会議で定められたものである。
CLAが提案した法改正のうち、男女雇用平等法の改正案は、従業員30人未満の小企業の労働者に育児休暇の申請を認めるものである。これに対して現行法では、この規模の企業の労働者は育児休暇の対象から除外するものと定められている。
現行の男女雇用平等法第20条によれば、事業主が30人超の従業員を雇用している場合、その従業員は、家族のうち予防接種が必要な者、重病を患っている者、またはその他重大な行事を行う者の世話をするため、家族休暇を請求することができる。この休暇の日数は通常の休暇に算入し、1年で7日を越えてはならないとしている。
この改正案が立法院で可決されれば、新たな法律の恩恵を受ける従業員は全国で約211万人に上るものとCLAでは推計している。
CLAが提案した、従業員の妊娠に関する現行の政策についての主な改正の2点目は、立法院が改正を可決した場合、出産する女性労働者に対して政府が3カ月分の給与を支給するというものである。CLAの説明によれば、現行の規則においては事業主が支払い義務を負っている給与を政府が支払うことで、女性労働者の権利を守ることができる。
CLAでは、この提案により事業主の経済的負担が軽減され、出産休暇を希望する女性労働者が事業主から解雇されることがなくなるものと期待している。
新たな規則では、女性労働者が上記の給与を受給できるのは、労働基準法で定める56日間の認定出産休暇の期間となる。これに対して現行の規定では、各労働者が受給できるのは事業主からの給与2カ月分と、義務的雇用保険からの償還金1カ月分である。
CLAでは、3歳未満の子供を対象とする最長6カ月間の育児休暇について、取得対象者を既婚女性だけに限るべきではなく、シングルマザーや子供のいる男性従業員にも同様の権利を認めるべきだとしている。上記休暇の受給資格を持つ国内の労働者数は、541万人に上るものと思われる。
しかし、労働問題の専門家の一部には、立法院が改正案の全てを承認しても、事業者は新しい規則には従わない可能性があるという声もある。台湾紙の報道によれば、このような行為があっても、これを処罰する法的根拠がないことから、罰則の対象とはならない。
2007年1月 台湾の記事一覧
- 台湾労働者の現状報告
- 労働法改正案をめぐる論争
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