迫られるパートタイマーの賃金見直し
「1111人材銀行」オンライン調査結果
2005年12月29日から2006年1月12日の間に実施された「1111人材銀行」のオンラインによる調査によると、労働基準法に基づく時間当たりの最低時間賃金である66台湾ドル
オンライン調査の結果によれば、職業、職種について、求職者のうちの34.1%の人は、給仕人や食事サービス従事者を希望し、25.4%の人はデータ入力の仕事を希望している。また20.7%の人は事務員を希望し、18.9%の人は受験塾での職を希望していることが明らかになっている。さらに、ナイトクラブや所謂「ファッションモデル事務所」などの「特殊な仕事」に就きたいと希望しているものも約1.6%いることが判った。
調査では、回答者の49.7%が労働時間の融通性に最大の関心を寄せていることも明らかになっている。そして40.2%は、自宅の近くで仕事を見つけることに最も注目しており、36.6%が賃金に注目していた。収入の使途については、69.2%が預金、0.2%は学校の授業料に使うと述べている。わずか約2.7%が贅沢なブランド品を買うと述べている。
この調査は、冬期休暇にパート・タイムの仕事を行う大学生のニーズに基づき実施されたものである。有効回答数は、1024票で、誤差は±2.75%であった。調査結果からは、企業の多くでは、時間給を法定最低額をはるかに超える95台湾ドルとすることに異存がないことが明らかとなった。また、この調査では、回答者の約83%が2週間の休暇時にパート・タイム労働を希望し、平均時間賃金として101.13台湾ドルを希望していることが明らかになっている。
上記の調査結果から、労働法に規定される時間あたり賃金がパート・タイム労働者の要求と乖離している実態が明らかになっている。
賃金構造の変革ニーズ
現在、労働基準法第21条を根拠に、現在1カ月当りの最低賃金は15,840台湾ドル (495米ドル)である。この金額は行政院が承認し、1997年10月16日にCLAが発表している。CLAによると、1カ月を30日として計算すると、1日当りの法定最低賃金は528台湾ドルとなり、法定の最低時間賃金は66台湾 ÷8時間)となると説明する。
すなわち、現行の最低時間賃金は、1カ月の最低賃金に基づいて計算されたものである。したがって、最低時間賃金の上昇は1日当りの最低賃金と1カ月当りの最低賃金に関係するため、使用者の労務費全体と労働者の生活水準にも影響がでてくる。CLAの下にある賃金調整委員会について、労働基準法に基づき基本賃金に関する必要な調査を行うことが望ましいとCLAは説明している。実際に、同委員会は何回かの会合を開いてはいるが、賃金構造を変更するか、それとも1カ月当りの最低賃金の額を調整するかの決定は同委員会にとっては複雑な問題として決断が難しい。
しかし、その事例に関する最近の議論では、最低時間賃金を1カ月に30日、1日に8時間というパートタイマーの論理に従って決めなくてはならないという方向に論点が変ってきた。労働規則の最低時間賃金と市場の時間賃金との間には構造上の大きな格差が存在するという点から見て、CLAにとって重要なことは、労働基準法に基づき、一カ月の最低賃金を基礎として現行政策を維持するか、労働市場をにらみ需給の結果にまかせるかいづれの立場にたった政策立案を検討することである。
参考レート
- 1米ドル=116.29円(※みずほ銀行ホームページ2006年2月28日現在)
2006年3月 台湾の記事一覧
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