行政院労工委員会、労働災害防止策を強化

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  • 国別労働トピック:2006年3月

労災防止プログラムを改正

「人間第一」の考え方に基づき危険度の高い工場へ安全衛生管理制度を改善するように促し、労働災害の再発防止を推進するため、行政院労工委員会(CLA)は、最近「労働災害が多発する工場の検査と改善アドバイス強化プログラム(EEP)」を改正した。そもそもこのプログラムは、労働災害が頻繁に発生する工場を検査したり、重大な違反により罰金が課せられた工場への監視を補強するために設けられたプログラムである。

従来は、過去3年間に重大な死亡事故が2件以上発生している工場が規制対象として登録されていた。しかし、今後は、重大な死亡事故が1件でもあり、従業員が100人以上の工場と、Dクラスの危険がある建設現場のすべてに検査の重点がおかれることになる。すなわち、1年以内に規制に違反し作業が一時停止し、3回以上罰金が課された工場や建設プロジェクトは規制対象として登録されることになる。

CLAによりEEPが実施されて以降103件の大きな労働災害と規制された危険性の高い工場と建設プロジェクトが表面化したが、高い頻度による検査と重い罰金による規制は、87の工場および建設プロジェクトに対して実施され、それ以降重大な労働災害の発生は報告されていない。このことは、EEPが一定の圧力となり、管理が行き届いていない工場に安全衛生施設と環境の改善を促したと考えられる。

EEP検査システム

修正されたEEPの諸規則の遵守状況に関する監査については、実施段階でマンパワーが集中的に投入され、高い頻度で徹底した監査を行われることがひとつの特徴といえる。さらに違反行為に対しては、重い罰金が課せられる。EEPによる分類でAクラスに入れられた工場と建設プロジェクトに対する罰金は最も重い。

Aクラスに分類される工場と建設プロジェクトへは改善に向けアドバイスを与えるが、その場合、検査機関は、それぞれの管轄区域内の事故削減計画に基づき、顧問を派遣して、改善を支援し、監督対象とされている企業の要請がある場合、改善の約束に基づき、検査の頻度を減らすことができるという点が加えられる。

監督対象とされる企業が一定程度の改善に至った場合、執行機関はその企業の危険度を示す等級を下げたり、企業を監督対象の登録から抹消したりすることができる。助言の制度は、企業に対して良好な安全衛生の維持と、安全衛生管理水準の一新を奨励する目的で設けられる。

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