(香港特別行政区)香港企業の賃金上昇幅アジアで最低
2001年12月11日発表のヒューイット・アソシエイツ社の年次調査によると、アジア太平洋地域の企業の2001年の賃金上昇幅を比較すると、香港企業の上昇幅は最低で、また賃金凍結でも香港が先頭を切っている。
この調査は、アジア太平洋地域の9つの国と地域の726企業、78万4000人の労働者を対象とするもので、調査は、全体としては世界的な景気の後退が、1年前と比べてこの地域の企業の賃金上昇を鈍らせているとしている。
その中でも、上昇幅が最も大きかったのはフィリピン企業で、平均的な基本給の上昇幅が管理職・専門職等の職種に応じて10.1%から11.4%の範囲だった。これに続くのが韓国企業で、上昇幅は同じく8.5%から9.6%だった。
これに対して香港企業の賃金上昇幅は最低で、シンガポールの4.6%から5.4%を下回り、2.9%から4.1%の範囲に止まった。
調査は、2002年についても、フィリピン企業が10.8%から11.7%で最大の上昇幅を記録するとし、これに対して香港企業の上昇幅は1.5%から2.3%で、引き続き最低を記録すると予測している。
企業の賃金凍結についても、調査は2002年はこの地域全体で凍結が広がると予測しているが、中でも香港企業は、2001年に賃金凍結の回答が7%だったのに対して、2002年には30%が凍結すると回答し、ここでもアジア太平洋地域で先頭を切っている。
賃金凍結については、調査は二つの原因があると見ている。一つは、景気が低迷して厳しい経済状況が予測されることであり、他の一つは、優秀な人材確保のためにある程度良い賃金を支払っていると企業が考えていることである。また調査は、特に香港では政府が公務員の昇給の凍結を発表するならば、賃金を凍結する民間企業がさらに増えるだろうとしている。
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