DGB次期会長めぐり、VerdiとIGメタル・化学労組が対立
労働総同盟(DGB)の時期会長ポストをめぐり、VerdiとIGメタル・化学労組(IG BCE)の問で対立が生じている。最大組合員数を数えるVerdiがDGB傘下に産別労組の一つとして大合併により設立されたことで、(本誌2001年3月号Ⅰ、6月号Ⅱ参照)従来の有力産別労組であるIGメタルや化学労組とVerdiの間で主導権争いが生ずることは予測されたが、DGB会長職をめぐりこの争いが表面化した。
シュルテ現会長はIGメタルの幹部会員からDGB会長に就任したが、第2期目の4年の任期は2002年5月に終了し、労働界では61歳になる同会長が再立候補しないと専ら予測されている。そしてその後任の有力候補として、Verdiへ合併する前の郵便労組の副委員長で、現Verdi副委員長のミヒャエル・ゾマー氏(49歳)の名前が挙がっていた。
これに対して、まずツビッケルIGメタル委員長が2001年12月5日、ゾマー氏はDGB会長に就任できないと聞いていると牽制したが、すぐにVerdi側がこれを打ち消し、ゾマー氏はまだ立場表明をしていないが、就任できないというのは誤りであると反論した。しかし、これに続いてシュモルト化学労組委員長もVerdi出身者の会長就任に反対した。
同委員長は、DGBの業務執行連邦幹部会には傘下の産別労組の構造が反映されねばならず、シェルテ会長以外の幹部会員は全員サービス業関係労組出身で、もしゾマー氏が会長になったら工業労組の代表がいなくなると反対理由を述べている。
いずれにしても、この対立がどのように決着して、2002年5月に新しいナショナルセンターの長が決定されるのか、その行方が注目される。
2002年3月 ドイツの記事一覧
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