(香港特別行政区)準学士養成に政府2010年までに16億ドル支出

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年8月

香港ではIT部門等の専門技術者の養成が急務とされ、 中国本土からの導入計画も実施される運びとなったが(本誌2001年7月号参照)、 他方、 非熟練労働者の技能向上も重要課題とされ、 董建華長官の2000年10月の施政方針演説でも、 中等教育を終了した18~20歳の若年者の60%に対して、 10年以内に1段階上の教育を与えることが言明された。 そしてその実施として政府は2001年5月30日、 準学士養成計画のために2010年までに16億ドルを支出する案を上程した。

政府案によると、 準学士には職業上の資格免許が付与され、 そのために諸種のコースが設定される。 希望者は自己負担となるが、 奨学金や無利子のローンが提供され、 コースに参加して学習する便宜が与えられる。 政府は2010年までに、 準学士養成コースに3万600人が入学すると見込んでいる。 2001ー2002年度にはすでに3790人の準学士のためのコースが中等教育卒業程度の教育機関によって開設されたが、 9月にはさらに9270人のために開設されることになる。

この準学士養成計画とは別に、 ITと金融関係の専門コースを海外で学ぶ若年者に、 年間6万ドルを提供する計画が5月15日に発表されたが(2002年度にスタートする)、 両計画は平行しており、 政府が大卒と中等教育卒業者の中間の段階を強化しようとするものである。 後者については、 教育関係者の一部から、 コースを終了しても大学のカリキュラムに連結されるか否かが定かでなく、 大学との関係が不明瞭だとの批判が出ている。 また、 一部の立法会議員からは、 中等教育で成績の悪かった学生に、 6万ドルというかなりの額を支給して海外で学ぶ機会をを与えるよりも、 成績の良かった大学生にもっと機会を与えるほうがより生産的だとの批判的意見も出ている。

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