年金改革法成立

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年8月

先に連邦議会を通過した年金改革法案(本誌2000年12月号参照)が、 与野党のその後の細部に関する議論を経て2001年5月11日に連邦参議院で可決され、 税制改革法と並ぶシュレーダー連立政権(SPD主軸)の懸案が成立して、 同政権は来年の連邦議会選挙に向けてまた一歩前進することになった。

連邦議会を通過した同法案に対して、 野党の中心であるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は、 公的年金を補充する個人年金の内容や家族や女性向けの支援策が不十分だと反対し、 州政府の代表で構成される連邦参議院は野党が過半数を握っているため、 2月に法案は一旦不採択となり、 両院調停委員会が設置されて審議が継続されていた。

しかし、 労働側だけでなく使用者側も法案に賛成する中で、 野党側は反対を貫くことが困難な状況になり、 与党側も野党が政権に参加する州政府の一部から協力を取り付けて、 野党陣営の切り崩しを図り、 結局法案は連邦参議院でも可決された。

成立した年金改革法では、 高齢者と障害者に対する基本保障についての細部の議論が煮詰められ、 公的年金の安定化とこれを補充する個人年金・事業所(企業)年金の拡充という法案の基本枠は維持された(詳細は本誌2000年12月号参照)。

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