教員の職務手当、300%引き上げが認められる

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年2月

教員給与の引き上げ問題(本誌2000年7月号参照)について、11月22日に教員の職務手当を300%引き上げることが決定し、一応の解決となった。

インドラ初等・中等教育総長は、2001年の財政予算のうち、教育に関する予算が11兆3億ルピア(11億米ドル)、全体の予算の3.8%を占めるにとどまったことを受け、国家教育省には教員の基本給を引き上げる余裕がないと述べ、その代わりとして、2000年4月の 150%引き上げに続き、さらに150%の職務手当て引き上げが認められた。

2001年の教育予算に関しては、9月の現地紙でも大きく取り上げられたように、教育省や教育関係者らが、教育の質の向上を目指すための25兆ルピア(29億米ドル)の教育予算を国会に提案していたが、結果的に7兆3000億ルピア(GDPの約3.3%)にとどまった。教育関係者らは、インドネシアの将来の人材育成のためにも、隣国のマレーシアやフィリピンのように、教育予算をGDP の10%程度まで高めるべきとの議論がなされていた。

今回の引き上げでは、 例えば、 第2階級(sec-ond echelon)の教員の職務手当は、4万5000ルピアから18万ルピアへ、第3階級の教員では、7万ルピアから28万ルピアへと増 加する見込みである。さらに、残業手当も、現在の1時間当たり1000ルピアから1万ルピアへ引き上げられる予定である。

旧体制下では、教員の低賃金、生活水準の低さ、投票要員として政府に利用されてきたといった不満材料が積み重なって、今回のような一連の大規模なデモが行われたと考えら れる。

インドネシア教員組合(PGRI)のスルヤ議長は、教員の努力はもっと評価されてしかるべきとし、今回の諸手当の引き上げも、まだ不十分であると述べている。そして、近々導入される地方分権制度が長年教員の給与を削減しつづけてきた官僚組織を打ち壊すようなものにならなくてはならないと強調した。

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